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「琥珀の夢」主演・内野聖陽が撮影現場で意識している「一番大事なのは“まずやってみる”ということ」

 10月5日に放送される日経ドラマスペシャル「琥珀の夢」(テレビ東京系)は日本初の国産ウイスキー造りに命を捧げた男の一生を描いた物語。主演の内野聖陽さんはサントリー(現サントリーホールディングス)創業者の鳥井信治郎をモデルとした鳴江萬治郎を演じます。今回、萬治郎役を演じる内野聖陽さんを直撃取材。萬治郎という魅力あふれるキャラクターを演じる上で意識したことや内野さんが感じた萬治郎という役の魅力、内野さんが撮影現場の雰囲気づくりで意識していることなどお話をたっぷりお伺いしました。

──内野さんが演じられて感じた鳴江萬治郎の魅力はどんなところでしょうか。

「たくさんありますね。会社のトップだけど、まるで家族のように社員と付き合うその人柄もその一つです。自分を社長ではなく、“大将”と呼ばせていたり、社員一人一人に人として触れ合い、みんながついていきたくなるような人柄がすごい。あと、一番は“やってみなはれ”という精神。今の時代はたくさんの情報が得られて、そこからケーススタディーができると思うんだけど、そのせいで“まずやってみる”という一番大事なエネルギーが少し弱まってしまうような時代じゃないかな、と思っているんです。僕の大好きな萬治郎のせりひに“やってみな、でけるかでけへんかわからしまへんやろ。やってみなはれ!”というのがあるんですけど、本当にその通り。元々やりたいのにいろんな情報があるから、おじけづいて大事な大事な一歩が踏み出せない人が多いんじゃないかな。だからこそ、この作品が尊いなと思うのは、その“やってみなはれ”という精神ですね」

──萬治郎にご自身と重なる部分はありますか。

「自分の感覚を信じてやってきたという部分は重なるかな。また、彼が生涯を捧げたウイスキーが嗜好(しこう)品であるように、俳優のお芝居も似たところがありますよね。お酒を飲むのと同様に、映画やドラマを見たりして『明日も頑張ろう』と思っていただけたら僕もうれしい。人生を豊かにするものの一つに命を懸けているというのは似ているのかな、と思いますね」

──この作品には、豪華キャストが名を連ねています。萬治郎にとって洋酒造りの原点である小南理助役の西田敏行さんとの共演はいかがでしたか。

「西田さんとのシーンで、萬治郎がウイスキー造りに着手することを宣言しに行くも、“やめなはれ”と止められるシーンがあるんですけど、そこで西田さんが遊んでくるんですよ。そこを笑わずに耐えることが大変でしたね(笑)。完成作品ではさくっとカットされていたんですけど(笑)。それでも萬治郎にとって洋酒造りの原点である旦さん(理助)という役同様に、西田さんは威厳があられましたね」

──ミドリ役の倉科カナさんが撮影現場で本番前に内野さんにせりふの練習に付き合ってもらい、劇中のせりふの通り「いい男っぷり」だったとコメントされていました。経営者として多くの人望があった萬治郎と重なる点がありますが、内野さんが撮影現場の雰囲気の作り方や後輩との接し方で意識されていることはありますか?

「そんな模範となるようなことはないんですけど(笑)。役者が役やシチュエーションに入り込む環境であることに気を使うことはあります。それはコミカルなシーン、シリアスなシーンによってケースバイケースなんですが、僕は役者なので、もしかしたら監督よりもそこは敏感に感じているかもしれないですね。役というのはいろんなものを背負っているから、ものすごく入り込まないと役者って演技ができない。現場がきちんと集中できる環境になるように取り組むことは大事にしていますね」

──同じ役者の立場として、現場を作ってらっしゃるということですね。

「役者というのはスポーツ選手と似たところがあって、乾坤一擲(けんこんいってき)、一発勝負。何日もかけて役をいろんな方面から掘り下げてきて、たった数秒の現場に挑んでいるんですね。そこで現場がだらけていたり、ゆるかったりすると画面に出てしまう。だから現場づくりというのは全てと言っていいかもしれないぐらい大事ですね。またロケで現場をお借りする時に、生活の一空間を借りてやらせていただいているから、近隣住民へのあいさつなど、気遣いを大事にしないと僕たち撮影隊も気持ちよく仕事ができない。そういうことを分かっている人間が、若い人に伝えていくことは必要なことですよね」

 一つ一つの質問に真剣に答えてくださった内野さん。豪快でパワフル、画面に映る圧倒的な存在感とは裏腹に、とても気さくに接してくださりました。そんな内野さんが熱い思いで演じられた日経ドラマスペシャル「琥珀の夢」は必見です。

取材・文/遠山雅廣(テレビ東京担当)

【プロフィール】 
内野聖陽(うちの せいよう)
1968年9月16日。神奈川県出身。近年の出演作にドラマ「臨場」シリーズ(テレビ朝日系)、NHK大河ドラマ「真田丸」、「JIN–仁–」「とんび」「ブラックペアン」(すべてTBS系)、映画「罪の余白」「海難1890」など出演作多数。
【番組情報】
日経ドラマスペシャル「琥珀の夢」
テレビ東京系 
10月5日 午後9:00~11:24
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