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「怪談テラーズ」出演の僧侶・三木大雲にインタビュー!「目に見えないものに対して手を合わせ、リスペクトしてほしい」

 世の中でささやかれている摩訶不思議な心霊談、幽霊話、都市伝説。そんな怖い話を京都のお寺で怪談師たちが思う存分に語り合う、MONDO TVで放送中のオリジナルホラーシリーズ「怪談(ストーリー)テラーズ」。この番組に出演している僧侶の三木大雲を直撃取材! すると意外な話が飛び出してきた!?

──「怪談テラーズ」の収録をした感想をお願いいたします。

「とても充実しております。私は元々、“怪談説法”というものをしておりまして。いわゆる怪談から何かを学んでいただきたいというもの。この番組ではそれができているんじゃないかなと。それと収録では心霊スポットに行き、検証もしているんですが、スタッフさんから『肩が重くなっていませんか?』と聞かれても『いや、軽いです』。『空気がおかしいですよね?』『いや、普通です』と、正直に話せていることも充実している要因かもしれません(笑)」

──三木さんは蓮久寺の住職でもありますが、心霊スポットを訪れることに抵抗はないんですか?

「私はむしろ、行くべきだと思っておりまして。昔はね、お坊さんで怪談をするのは不謹慎だって言われていましたし。ましてや心霊スポットなんて…。まぁ、最近は認めてくださっているんですけど。つまり、心霊スポットへも行き方があるんです。例えば、人の家に行く時はピンポンを押して『入っていいですか?』とことわって、靴をちゃんとそろえて家に上がりますよね。上がった先で『ジュースありますか?』って勝手に冷蔵庫を開けるのは無礼じゃないですか。心霊スポットも同じことで。ちゃんと霊というものに対し、リスペクトして行く心構えが必要なんです。それが何かと言われれば、合掌であったり、入らせていただきますという気持ちであったり。心霊スポットへ行く時に必要なことは、実は生きている私たちの世界でも必要なことなんですよ。その心構えを、この番組から学んでいただけているのかなと思います。とはいえ、心構えさえしていれば大丈夫という保証もないんですけどね(笑)。もしかしたら私たちも霊に助けられていることがあるかもしれません。私は死者と生者の共存をすることが最終目標。この番組によって、その第一歩が歩きだせているのかなと思います」

──霊に対して、こういうことはやっちゃダメというのはあるんですか?

「見えないものはないって考えておられる方がいるじゃないですか。でも、実は私たちは見えないものの中に日々いるんです。例えば、言葉。言葉って見えないものじゃないですか。その見えないものを私たちは毎日生み出しているわけで。『見えないものをオレは信じない』『お化けなんていないんだ』って人にも、目に見えないものがあるんだという認識だけは持っていただきたい。お化けを信じないことは別にいいんです。悪ふざけで『痩せはりましたね』って言うと、ご病気の方はショックを受けるじゃないですか。すごくダイエットを頑張っている人に『太った』って言ったがために拒食症になられる方もいらっしゃいます。私たちはそういう目に見えないものによって幸、不幸になる場合がありますから。見えないものがほかの人の人生を動かす危険性があるということ。お化けを信じる・信じないより、目に見えないものは確実にあるんだということを知っていただきたいですね」

──小さな頃から、住職になろうって思っていたんですか?

「私は家柄でいえば、長男がいましたので、弟が出家することは、お寺の世界ではあまりないことなんですよ。でも、私は小学校5年生ぐらいの時には自分でお経を読み始めていまして。学校の休み時間に『一緒にお経を読もうよ』って友達に勧めるような小学生でした(笑)」

──小学生で、お経が好きだったんですか?

「実は幼少の頃、ある体験をしまして。それがきっかけですね」

──その“ある体験”とは?

「まだ小学校に入学する前、夏場にタオルケット1枚をおなかにかけて寝ていたんですよ。そうしたら金縛りにあいまして。幼いのにもかかわらず、金縛りって言葉を知っていました。おそらく、お寺で育ったという素養があったからだと思います。『金縛りにあうんですけど、どうしたらいいですか?』って相談に来られる方を見ていたからかもしれません。それで金縛りにあった時、最初は誰かが私の周りをぐるぐる歩いている気配がして。耳元でピタッて止まって『脚が欲しいなぁ』って言うんです。切ない感じで。私は『お化けって脚がないから、脚を欲しがってはるんやなぁ。でも、脚あげへんで』って思った瞬間、足首をバッとつかまれ引っ張られまして。枕から頭がドンって落ちたんです。その時は全然、恐怖心もなく『お母さん、脚を欲しがってるお化けがうちにいはるわ』って話をしたら、母親に『そういうことは言ったらあかん』と言われまして。その日の夜のことでした。お寺なんでトイレが外にあるんですけど、トイレに行こうと思ったら、大きな猫がいたんですよ。2メートルぐらいある猫。その猫が私を見ているんです」

──まるで“ネコバス”みたいですね。

「実際に“ネコバス”がいたら、怖くて乗れませんよ(笑)。でも確かにネコバスみたいな猫がいて。私は怖くなって、慌ててトイレの戸を開けて、中に入って逃げようとしたんです。で、入ろうとしたらトイレットペーパーのカバーでざっくり足を切りまして。その時の傷跡は、まだ足に残っています。その日以来、テレビを見ていたら、そこらへんに浮いている人がうっすらと見えるようになって。『お母さん、あの人だれ?』と言うと、母親から『あんたは見えたものを絶対に口に出すな』と言われるようになりました」

──それでお経を読むようになったんですか?

「お経を読むようになったのは、もう少し後なんですが、お経を読むと、霊たちが喜ぶんですよ。中には正座して聞いている者もおりますし。それで、読み終わると立ち上がって、ぱーっとどっかへ行ってしまうんです。それがなんかうれしくて、読むようになりました。匂いを感じるようになったのも、その頃からですね」

──匂い?

「私、病気の匂いが分かるんですよ。例えば、私の父親が胃がんで亡くなっているんですけど、生存中、食事をしている時に『がんの匂いがする』と。『この匂いは結構、進行しているかもしれない』と言いましたら、父親にすごく怒られまして。でも病院に行ったら胃がんで半年でした。もう小さい時から、『おばあちゃん臭い』って言うと、その方が数日後に亡くなられたり。これだけ聞くと霊感に聞こえますでしょ。ところが最近では、がん探知犬というのもいまして。ほかにも線虫でがんを発見したり。科学的に病気には匂いがあるってことがやっと分かってきたんですね。でも、それは科学的には感知できないんです。だから『霊感がありますか?』と問われても、UFOみたいなもので、はっきりと答えることはできないんです」

──ちなみに“がんの匂い”というのは、どのような匂いなんですか?

「これは非常に言いにくいんですけど、強烈な匂いがします。分かりやすく言うと、爪をちょっと火であぶったら強烈な匂いがするんですけど、そのような匂いですね。でも、症状と匂いの強さは関係なくて。匂いの種類でがんの部位は分かるんですけどね。最近、ハマっているのはアトピーの匂い。アトピーはとてもフルーティーで甘い匂いがするんですよ。だからアトピーの方の側へ行くと『あぁ、いい匂いがするな』ってなります(笑)」

──では、最後に番組を見てくださる方にメッセージをお願いします。

「怪談、あるいは霊と呼ばれるものは、恐怖の対象となりがちです。でも、お化けも寂しがって、手を合わせてほしいって思っているかもしれません。といっても、目に見えないから、私たちは手を合わせないじゃないですか。そうではなく、私たちには姿が見えなくても、リスペクトして、そこにいるってことを認めていただきたいんです。例えば、小さい子どもが勉強を頑張るのも、お父さんやお母さんに褒めてほしいから、学校の先生に認めてほしいから。人間だって自分の存在証明をしたがる方は大勢いますが、霊も一緒なんです。だから、この番組を見ていただいた人にも、それを理解して、目に見えないものに対して手を合わせていただきたいですね。そしてリスペクトしていただけると、私はとてもうれしいです」

【プロフィール】 
三木大雲(みき だいうん) 
1972年京都府生まれ。立正大学仏教学部を卒業し、多くの寺院で修行を積む。2005年、光照山蓮久寺の第28代住職に就任。怪談和尚とも呼ばれ、「怪談グランプリ2014」では優勝を果たす。
【番組情報】
「怪談(ストーリー)テラーズ」 
MONDO TV 
1月2日  午後11:30~深夜0:00ほか(#5) 
1月16日 深夜0:30~1:00ほか(#6) 
1月30日 深夜0:30~1:00ほか(#7) 

日常の狭間でまことしやかにささやかれる「こわい話」「心霊・幽霊話」。非現実的な目撃談で世間を騒がせ続ける「世にも奇妙な都市伝説」。はたまた、情報ソースがはっきりしない「怪奇現象」「うわさ話」の数々…。番組では、作家、オカルトコレクター、僧侶など、摩訶不思議な事象に精通した者ばかりを“怪談(ストーリー)テラーズ”と名付け、思い存分、怪談を語り合ってもらう。

取材・文/今泉
撮影/中越春樹

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