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仲本工事が明かす「ドリフ大爆笑」の制作裏話。伝説のコントバラエティーが10月からBSフジで放送がスタート!!

 1977年2月、フジテレビ系でスタートした「ドリフ大爆笑」。90年代後半まで原則的に月1回ペースで、その後も総集編が定期的に放送されている。主演はいうまでもなく、ドリフことザ・ドリフターズ。いかりや長介、高木ブー、仲本工事、加藤茶、志村けんの5人組は、「もしもシリーズ」「雷様」といった傑作コントの数々を世に送り出し、テレビの前の視聴者を、文字通り、大爆笑の渦に巻き込んできた。2004年にいかりやが死去したこともあり、近年は新作が発表されなくなったが、それでも総集編などを通じて、今なお幅広い世代に親しまれている番組だ。その「大爆笑」が、10月8日(日)午後8時からBSフジでレギュラー放送。そこで、番組内で膨大な数のコントを演じてきたドリフの一員である仲本に、当時を振り返ってもらった。

──「大爆笑」では膨大な数のコントを演じられましたが、特に思い出に残っているのは?

「特にこれ、というのはないけど、あえて挙げれば、僕が弟、いかりやさんがあんちゃんを演じた『おめでた兄弟』シリーズかな。あのコントは作るのは一番大変だったね。弟がいろいろなことを質問して、あんちゃんが一つ一つめちゃくちゃな答えを返すんだけど、それぞれの話題について細かく調べて、どう間違えば面白くなるかを打ち合わせるから、完成させるまでに時間がかかった。あのコントは、普段はツッコミ役のいかりやさんが、どんどんボケるのも面白かったね。でもね、あのシリーズの最大のテーマは、兄弟仲良くということだったんだ。ただ面白がられるだけで、あまり伝わっていなかったかも(笑)。いかりやさんは、ああいうほのぼのとしたものが好きだったんだよ。僕といかりやさんと高木(ブー)さんで演じた『3人じいさん』とかね。同じ3人の『雷様』とか」

──「雷様」は、フリートークしているだけに見えることも。

「確かに、だんだん私生活を暴露するようなコーナーになったね、高木さんが給料上げろと抗議したりとか(笑)。もともとは、普段話題にしていることをテーマにし展開していくコントだった。いかりやさんは、コーナーとしてテーマを変えながら続けていけるコントをいつも考えていた。加藤と志村の『神様』もそうだけど、ああいう継続できるコントの作りはドリフ独特かもね」

──加藤さんと志村さんのコントも傑作ぞろいでした。

「加藤は天才的で、どうすれば笑いが起こるか直感で分かるし、志村は秀才的で深く考えてより面白くする。2人の組み合わせが絶妙だった。あの2人に任せておくと、ただ会話していても笑いが起きる。あとは、本人たちが本当に楽しそうに演じているのもよかった。ドリフの原点だね。いかりやさんだって、めちゃくちゃたたかれても楽しそうだったし」

──テーマを変えて継続したといえば、『もしもシリーズ』です。思い出深いのは?

「もしもこんな酒場があったら~のパターンかな。『店主の具合が悪い酒場』とか、すぐ帰りたくなるような店ばかりだったけど(笑)。身近なものを題材にしているから伝わりやすいし、作りやすい。ドリフのシチュエーションコントは、どれも身近にあるものが出発点だった。だから見ている方がコントの世界に入りやすいんだね」

──あれだけの多くのコントを収録したわけですから、ハプニングもあったのでは。

「お葬式のコントで、僕が亡くなった人の役だったんだけど、棺桶の中で寝てしまったことがあった(笑)。前の日、あまり寝てなくて、棺桶の中で待っていたらついつい、ね(笑)。ちゃんと撮り直して、当初のネタ通りに放送したけど、後になって寝てしまった方も放送された(笑)。でもね、意外にハプニングはなかったんですよ。なくすために稽古をするんだから。稽古中に自分なりに考えて、動きやせりふのアイデアを出し合って、それをちゃんと台本に入れた上で本番をやる。アドリブに見えることも、ほとんど台本通りだった。というか、アドリブに見せて笑いをとるのも僕らの仕事だから」

──畳み掛けるようなテンポの良さもドリフのコントの魅力でした。

「みんなバンドマンだからね。1曲演奏するように、コントにも前奏からサビまで入れて時間内に終わらせればいい、という感覚を持っていた。それにリズム感があるから、時にはわざとテンポを崩して笑いに変えることもできる。お笑いの言葉だと『間』だね。それはみんな分かっていた。コントに音楽の経験が生きていたと思います」

──明らかに体力的にキツそうなコントもありましたね。「宇宙船」とか。

「ああ、逆さに椅子に縛り付けられて、カメラも上下逆で撮影するんだよね。逆さになっているから頭に血が上ってだんだん声も出なくなってくる(笑)」

──アイデアが出た時点で「それは無理だろう」という意見が出たりしませんでした?

「『無理だ』と思うものをやっていたね。ほかではやらないことをやるのがみんな好きだったから。無理なことを平気な顔をしてやるから面白いんだから」

【プロフィール】 
仲本工事(なかもと こうじ)  
1941年7月5日東京都出身。65年にザ・ドリフターズに加入。ギターとボーカルを担当し、66年のザ・ビートルズ日本公演の際、前座としてステージに立っている。ドリフがコントグループとしての色を強めてからも存在感を発揮。学生時代の体操の経験を生かし、コントでは軽快な動きを披露した。80年代以降はソロ活動が増え、ドラマや舞台の出演多数。また、99年に高木、加藤と「こぶ茶バンド」を結成し、音楽活動を行った。
【番組情報】
「ドリフ大爆笑」 
BSフジ 
10月8日スタート 日曜 午後8:00~8:55 

日本のコントバラエティー番組の金字塔を、77年2月の初回から順を追ってオンエア。初回放送当時は90分だった内容を、55分にオリジナル編集。爆笑コントの数々に改めて、あるいは初めて触れることができる。また、第一回から放送されるため、有名なオープニング映像(ちなみに、初回のオープニング曲は、広く知られているものとは異なる)、セットの背景、小道具、ゲストの顔ぶれなどから、時代の移り変わりが感じられるのが魅力。第一回は、ゲストに伊東四朗・小柳ルミ子・千昌夫らを迎え、豪華コラボコントをお届けする。

取材・文/佐藤新
撮影/中越春樹

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