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髙橋大輔さんが現役復帰を表明! 囲み会見を全文リポート【後編】

 髙橋大輔さんが現役選手に復帰することを電撃発表し、7月1日に緊急会見を開きました。今回は、会見の模様に続き、囲み取材の様子を全文リポートします!

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── 初戦はどこになりますか?

髙橋「初戦は、近畿ブロックになると思います。そこから出ないとダメなので」

── その前に、ローカル試合を挟むことは考えていますか?

髙橋「期間がないので……4月から(現役復帰に向けた本格的な練習を)スタートしたので、作り上げるまでほかの試合に出ている余裕はないと思います。8月末の「フレンズオンアイス」に間に合えば、そこで、人前で(初めて新しいプログラムを)滑るという感じで……。一発勝負、3回(10月の近畿選手権、11月の西日本選手権、12月の全日本選手権)しか、今年はチャンスがないと思って、挑んでいきます」

── プログラムは、ショートもフリーも完成していますか?

髙橋「実はフリーだけで……この間、完成しました。ショートは、これから振り付けです」

── 振付師はどなたでしょうか?

髙橋「フリーがブノワ・リショーさん。ショートはデヴィッド・ウィルソンさんにお願いしようと思っています。ショートは現地に行ってから、曲を決めると思います」

── リショーさんの振り付けは初めてですね。お二方を選んだ理由を教えてください。

髙橋「リショーさんは、坂本花織ちゃんのプログラムを見て、ステキなプログラムを作る方だなと思いました。リショーさんも“(髙橋の振り付けを)やってみたい”と言ってくださっていることをお聞きしたり、後は“やってみたら?”という(周囲の)すすめもありまして、“いいものができるんじゃないかな”という気持ちでお願いしました。デヴィッドは現役中に一度しか振り付けをしてもらったことがなく、“また一緒にやりたい”と言ったまま話が終わっていて…。前回作っていただいたプログラムを、自分自身すごく気に入っていたので、またいいものができるんじゃないかなと思っています」

── コーチは、長光歌子コーチでしょうか?

髙橋「そうです。世界で戦えば賞金が入ってきますが、(今は)賞金がない状態で戦っていかなければいけない。アイスショーも数多く出られないと思いますし、(ほかの)仕事もまったくやっていない状況ですので、いろんなところにお金をかけずにやっていかなきゃいけないと思っています。長光コーチに戦う姿を見てもらいたいので一緒にいてもらいますが、1人でできるくらいの気持ちでやっていかないと、戦っていけないと思います」

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── ジャンプの調子はいかがですか?

髙橋「アクセルまでは、戻っています」

── 4月から初めて、ジャンプのレベルを戻すためにどんなことをしてきましたか?

髙橋「そうですね……戻すまでに1カ月くらいかかりました。右膝の状態もありますし、スケートで作り上げるというよりは、まずは陸のトレーニングメインで筋力をアップさせて、後は筋持久力も落ちていますので基礎的な部分を……。昔と体も変わってきて、(ジャンプの)タイミングだったり、跳び方を(昔と)同じようにやってもできなかったので、一からちょっとずつ作り上げていくという感じでした」

── 誰かに教わりましたか?

髙橋「教わるというよりは、自分の感覚を信じて。4年間、本当にちゃんと真面目に練習した記憶がないので……。もちろん、ショーのために準備はしましたが、現役のように毎日毎日ということではなく、やりたいようにやっていたというところがあるので、自分の感覚と“外からの見え方”をすり合わせたり、自分で“こういう跳び方が合うな”というのを探しながらという感じで、誰かに教えてもらって、ということではありません」

── 国際大会の出場は考えていませんか? 北京冬季オリンピックへの意欲は?

髙橋「北京までは考えてないですね(笑)。とりあえずこの1年、北京まで……35歳……35でしょ? ……無理だと思いますよ(笑)。とりあえず1年間限定のつもりですが、でも(現役生活を)過ごしてみて、もしかしたら気持ちが変わるかもしれません。今はそんなに長くとは考えていません。まずはこの1年間というつもりです」

── 今、練習はどれくらいしていますか?

髙橋「週5~6は(関西大学や兵庫県・西宮市の)リンクで練習しています。徐々に……。(これまでは)プログラムもなかったですし、ジャンプだけでは体に負担がかかりますから。プログラムができたので、練習量は増えてくると思います」

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── 復帰にあたって、先ほどの会見で「失くすものはない」とおっしゃっていましたが、トップアスリートの復帰には“全盛期の残像とのギャップ”というのが、リスクとしてあると思います。そのあたりについて、どうお考えでしょうか?

髙橋「リスクはあると思うんですけれど……そうですね……リスクは考えていなかったかもしれませんね(笑)。でも、表現という部分は、年齢に関係なく成長できる部分なのかなと思います。好みは人それぞれで、“昔の方が好きだな”と思われても仕方ない。“今の方がステキだ”と思ってもらえれば、これからまた見に来てくださる新しい方も増えるかもしれない。去る人も、(新しく)来てくださる方もいるのかなと思います。でも、今回は自分のエゴでわがままで、周りにも迷惑をかけながら本当に自分のことだけを考えての復帰なので……まぁ、押しつけですね(笑)。ただ、何かを失ったとしても、その先に得るものは絶対にあると思います」

── 髙橋さんの“ゴール”はどこでしょうか?

髙橋「“スケートのパフォーマーとして生きていきたい”と思ったので、ゴールは“限界を感じるまで最高のパフォーマンスをやりたい、やれるようになりたい”。そのためのスタートとなるのが、この現役復帰だと思っています。現役としてのゴールは、まだ考えていません。でも、将来のためのゴールという部分では、(年齢的に)パフォーマンスできる期間は短いと思いますし、フィギュアスケートが今後どうなっていくかも分かりませんし、滑る場所がいつまであるか分かりませんが、ある限りは最高のパフォーマンスをアイスショーでも見せたいです。その後に、自分に何かできることがあれば、スケートに関わる後輩たちをサポートしていきたいなと思います。(キャスターなどの)話す仕事など、いろいろとさせていただきましたが、自分はそちらには才能がなかったなと痛感して…(笑)。やはり、僕は体で表現する方が、才能があるかは別にして、向いているなと。“向き・不向き”が人間にはあることを痛感して、そのためにも、もう一度、体を作り上げて……。ニューヨークに行った時、何カ月も滑らず、もう本当にスパっと辞めてしまったので。引退してからずっとショーに出てキープできていたら、たぶんこんなことにならなかったと思うんですけど、そのレベルまで上げるためには時間をかけないと戻せないな、と思いました」

──“チーム・髙橋”はどんなメンバーですか?

髙橋「チームというか、結構1人で……(笑)。マネジャーさんと、歌子先生と…。前のようにいろんな人にサポートしてもらってというよりは、自分でできることは自分で。…料理も始めました(笑)。今までは栄養士さんについてもらっていたんですけどね。トレーニングも(トレーナーが)付きっきりではなく、メニューをもらってそれをやっていく。どちらかというと、チームでやっていくというよりは自分やって、サポートしてもらう時は、サポートしてもらうというやり方になります」

── パフォーマーとしてやっていくための現役復帰ということですが、“戦うことでしか得られないものがある”という考えなのでしょうか?

髙橋「そうですね…ここがちょっと、説明が難しい……。捉えようによっては、“何言ってんだこいつ”みたいな感じになってしまうかもしれません(苦笑)。自分を取り戻すために“現役”を利用したと思う人もいるかもしれない。僕は、現役という“縛り”を自分につけて、スケートと向き合って過ごしていくことで、自分のスケートを取り戻せると確信しています。“勝つためのスタート”ではなく、“自分のスケートと向き合って取り戻すためのスタート”。その先、戦っていけばたぶん勝ちたくなってくるし、結果も残せたら残したいです」

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── スケート仲間の反応はいかがでしたか?

髙橋「“やるなら、応援するよ。頑張ってね!”という感じでした」

── それを聞いてどう思いましたか?

髙橋「素直に“応援してね”って(笑)。かなり大変だと思うので、“応援”が力になると思う。くじけそうになった時はお尻を叩いてほしいし、励ましだったり、アドバイスをもらえたらありがたいと思います」

── 陸上でのダンスや、「氷艶 HYOEN 2017 破沙羅」の経験が蓄積されていると思います。“今までやったことがない表現をしたい”という気持ちはありますか?

髙橋「(新たな自分の表現を)出せたら出したいですが、それを評価するのは見てくださる方だと思う。でも、自分自身では、毎回そういうつもりでパフォーマンスをしています。“髙橋大輔の表現が好きだな”と思ってくれる人が、1人でも増えるようにやっていきたいと思っています」

── 出来栄え点が重視されるルール変更がありましたが、髙橋さんの強みになるでしょうか?

髙橋「いや、僕スピンも下手くそですし、ジャンプのランディングもあまり流れないですし(苦笑)。(ジャンプの)高さはあるのかもしれませんが、強みは持っていない方だと思うので、逆に大変なんじゃないかなと思っています。フリーの時間が4分になって、この間(プログラムを)作ったんですけれど、休むところがなくて、4分半よりしんどくなるんじゃないかなと。だから今まで以上に体力面の強化が必要になってくると思います」

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“最高のパフォーマンス”をするために、現役復帰を決めたと語った髙橋さん。スケートへの真摯な思いと情熱が生み出す新プログラムは、一体どんなものになるのでしょうか?

 この後、髙橋さんは、8月18・19日に行われる「プリンスアイスワールド2018」広島公演、8月24~26日に行われる「フレンズオンアイス2018」に出演予定です。

 新たな夢に向かって、勇気ある一歩を踏み出した髙橋大輔選手を、これからも全力で応援しましょう!


撮影/TOMO

「KISS&CRY」とは?
「KISS&CRY」シリーズは、日本のフィギュアスケーターの皆さんをフィーチャーし、その「戦う」姿、「演じる」姿を合計50ページ超のグラビアでお届けしています。つま先から指先・その表情まで、彼らの魅力を存分に伝えます。また、関連番組テレビオンエアスケジュールも掲載。テレビの前で、そして現地で応援するフィギュアスケートファン必携のビジュアルブックです。
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