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番組史上初の女性ドクター登場! 声優・朴璐美が語る「ドクター・フー シーズン11」の魅力

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 惑星・ギャリフレイからやってきたエイリアンのドクターが、死に瀕するたびに別の肉体へと再生し、地球の仲間たちと共に人類の危機を救うSFドラマ「ドクター・フー」。1963年にイギリス・BBCで放送が始まり、89年に一時期、中断されたものの2005年から新シリーズが放送されているこの長寿シリーズの最新シーズンが、2月8日からHuluで配信スタートした。今シーズン最大の注目ポイントは、56年に及ぶ番組史上初めて女性ドクターが誕生したこと。そのドクターの日本語吹き替えを「鋼の錬金術師」(03~04)、「NANA-ナナ-」(06~07)などのアニメや、「リゾーリ&アイルズ」(10~16)、「グレイズ・アナトミー」(05~)などの海外ドラマでおなじみの朴璐美が担当。老舗シリーズに懸ける意気込みを語ってくれた。


全身でドクターを演じるジョディと一緒に楽しんでいきたい

──「ドクター・フー」史上、初めて女性がドクターを演じるシーズンですが、キャスティングが決まった時の感想を教えてください。

「いや~、やっぱり海外ドラマでも性別のない役を演じることになるんだなと思いました(笑)。でも、映像を見るとドクター役のジョディ・ウィテカーさんがとてもキュートな女性だったので、(性別がないことは)あまり気にせずやらせていただこうと思いました」

── では、そのジョディさんの印象を教えてください。

「この作品で初めてジョディさんを拝見したのですが、かわいらしくて、ウィットに富んだ方だと思います。体当たりで、全身全霊でドクターを演じていることが伝わってきます。ノリにノって演じているんでしょうね。すごくエネルギーを感じます。ドクターはとても早口で膨大な量のセリフを話すので、私に務まるのか、大丈夫なのかと、始めは思ったのですが、ジョディさんが全身で演じているので、私もあまり深く考えずに呼吸を合わせることが出来ています。頭のいい女優さんだということも伝わってきますね」

── ドクターというキャラクターのどんなところが好きですか?

「すごく正義感が強いところですかね。みんなには『(危険だから)やっちゃダメだよ』と言っていることを、結局、正義感が勝って自分がやってしまうんですよ。エイリアンなのに人間らしいなぁ、と思います(笑)。責任感も強くて、人と関わった時にその人に対する責任をきっちり果たそうとする。死というものにも彼女なりにちゃんと向き合っているんですよ。すごく魅力的な人物だと思います。あと、ドクターには寂しがり屋な一面もあるので、そこを大事にしながら演じていきたいですね」

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── 今シーズンでドクターと行動を共にするライアン、ヤズ、グレアムについてはどう思いますか?

「初めはなぜこの3人と一緒に物語が進んでいくのか、すごく不思議でした。でも、物語が進んでいけばいくほど、この3人にこのドラマとしてのメッセージが込められているんだなと感じて、『なるほど』と思わざるを得なかった。とにかく、演じていて面白いのですが、面白いだけじゃなくて、すごくメッセージ性の強い作品なんですよ。イギリスのドラマならではだと思います」

── 他のドラマとは違うな、という感じがしますか?

「違いますね。エンターテインメント性が高くてカッコいいドラマも、もちろん、素晴らしいと思いますが(笑)、『ドクター・フー』は無駄がないという印象です。ブッ飛んだストーリーになってもちゃんと理由があるし、すべてロジックで説明できる。恋愛要素を取り入れることもなく、“愛”というものを表現して、人と人のドラマになっている。人間は愚かな歴史を繰り返すべきではないという、人間としての反省点がきっちり描かれているんですが、それをダイレクトに伝えるのではなく、変化球を交えて作っている気がして、こういうドラマを子どもの頃から見ていたら、感じることも多いだろうなと思います。イギリスってすごいですよね(笑)」

── 朴さんは海外ドラマファンにとっては「リゾーリ&アイルズ」のジェーン・リゾーリ役でおなじみですが、長く続くシリーズをご担当される上でご苦労などはありましたか?

「リゾーリは声のトーンをすごく低くして演じました。実はリゾーリこそ早口なんですよ。躍動感を出すためにディレクターさんがセリフを詰め込むだけ詰め込んで、英語のセリフより1行は長いんです。リゾーリ自身もユニークな人なので、それも盛り込まなくてはならなくて、ちょっと大変でした(笑)。でも、しんどかったけど、やりがいも感じました。いろいろな方から『リゾーリ&アイルズ』を見ているよと言っていただいて、長く続けていてよかったと思いましたね。ドクターの声は無理をしているトーンではないので、ジョディさんと一緒に楽しんで演じていけそうです」

──「ドクター・フー シーズン11」をご覧になる方に注目してほしいところはありますか?

「ドクターが男性から女性になったところを、ジョディさんがかなり意識して演じていらっしゃるのは間違いないので、私もそれを感じて演じました。皆さんにもその部分を楽しんでいただけるのではないかと思います。前シーズンのドクターを引き継ぎながらも彼女ならではの魅力が生かされていると思うので、ぜひ、新たなドクターに注目してください」


【プロフィール】
朴璐美(ぱくろみ) 
1月22日生まれ。東京都出身。舞台、アニメ、吹き替え、ナレーション、プロデュースなど、活動は多岐にわたる。アニメの代表作に「∀ガンダム」(99~00)のロラン・セアック役、「進撃の巨人」(13~)ハンジ・ゾエ役など。レディ・ガガ、ヘレナ・ボナム=カーターなどハリウッド女優の吹き替えも担当。新たな活動拠点として17年、LALを設立。

【作品情報】
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「ドクター・フー シーズン11」 
Huluで独占配信中 
毎週金曜1話ずつ更新予定

63年の放送開始以来、50年以上も続くイギリスのSFシリーズ。二つの心臓を持ち、死に瀕するたびに新たな肉体に生まれ変わるエイリアン、ドクターの活躍を描く。シーズン11は女性の姿になったドクターが、イギリスのサウス・ヨークシャーで起きた列車事故の現場に出現するところからスタート。ドクターは、そこで出会った運動障害のある青年・ライアン、女性警官のヤズ、ライアンの義理の祖父のグレアムと共に過去と未来を行き来しながら、さまざまな事件を解決していく。

製作総指揮/マット・ストレヴァンス クリス・チブナル
出演/ジョディ・ウィテカー トシン・コール マンディップ・ギル ブラッドリー・ウォルシュほか

取材・文/青木純子 
撮影/島田香


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