コラム

祝・デビュー20周年!
モーニング娘。の本当のすごさはシンボリックな存在感にアリ!?

30年以上、アイドルをウォッチし続けるアイドル評論家・北川昌弘氏に聞く

テレビを見ていてよく耳にするけど、実際はきちんと知らない(かもしれない…)時事ネタや話題を追いかけ、解説する連載「TVガイド新書」。
今年1月にメジャーデビュー20周年を迎えたモーニング娘。’18。彼女たちがこの20年間でアイドルシーンにもたらした根源的な影響とは?

<「冬の時代」に集まった奇跡のメンバーたち>

 今年1月にメジャーデビュー20周年を迎え、記念作品やスペシャルライブ、特集番組の企画が目白押しのモーニング娘。’18。’98年というアイドル音楽が「冬の時代」に、彼女たちはなぜ大ブレイクを果たせたのか?

「まず最初に言っておきたいのは、当時は、アイドル歌謡の『冬の時代』に終わりがくるなんて、誰も思っていなかったということなんです。いつかまたアイドルソングが復活する日がそのうちくるだろうと思える要素は、本当に何もありませんでした。そのぐらい当時のアイドルソングシーンは冷え切っていたんです。でも、そんな状況にもかかわらず、つんく♂さんがアイドルグループをやってみようとなぜか思った。まずは、その発想というか、出発点が奇跡的ですよね。そして、そのグループの最初のメンバーとしてあの5人が集まったこともきわめて幸運なことだったと思います」

 そう語るのは、長年にわたって女性アイドルを定点観測し続けるライター・北川昌弘氏だ。「最初のメンバーの5人」とは、安倍なつみ、福田明日香、中澤裕子、石黒彩、飯田圭織である。それにしても、この5人のどこが奇跡的だったのか。

「モーニング娘。は、テレビ番組の『ASAYAN』のオーディションを通して結成されましたが、結成時のメンバー5人は、見事にルックスやキャラのタイプが違って、年齢もバラバラでした。これはアイドルグループとしては非常に重要で、あの5人ぐらいキャラがかぶらないことによって、番組の視聴者にも覚えてもらいやすかった。そういう意味で、あの5人のバランス感はすばらしかったと思います。その後も、後藤真希や、辻希美・加護亜依らの加入など、モー娘。はテレビ的にもとても分かりやすいキャラのメンバーが集まったことで人気を獲得し、大ブレイクを果たします。ドキュメントバラエティーというテレビの手法の中で見せていくアイドルとして、モー娘。は非常に優れていたと思いますね」

<モー娘。がいなければ今のアイドルシーンはなかった>

 この20年間で、モー娘。がアイドルシーンに与えた影響は多々あるだろうが、その最たるものは一体何か? 北川氏が挙げたのは、現アイドル文化を築いたシンボリックな存在としての影響力だった。

「モー娘。が女性アイドルグループの成功例として活動を続ける中、AKB48をはじめとしたアイドルグループが数多く誕生しました。モー娘。がそこに与えた影響として、宝塚のようにメンバーの卒業と加入を繰り返しながらグループを存続させていくシステムの定着を指摘する人もいるかもしれません。しかし、モー娘。の存在がアイドルシーンに与えた影響は、もっと根本に関わることだと僕は思います。1つは、モー娘。がいなかったら、現在のアイドルシーンの活況がなかった可能性が非常に高いということ。つまり、モー娘。が『冬の時代』に終止符を打ったからこそ、AKB48が生まれて、乃木坂46や欅坂46につながり、さらにはももいろクローバーZやでんぱ組.incが人気を博す土壌もできたと個人的には思います。もう1つは、モー娘。がテレビを通してブレイクし、20年も活動を続けたことによって、アイドルを目指す女の子の数自体が増えたこと。例えば、アイドルになりたいと思っても、具体的に目標になる存在がいなければなかなか目指すことはできません。でも、モー娘。がテレビで活躍することで全国各地の女の子たちが影響を受けて彼女たちに憧れ、アイドルになりたいと思う女の子たちの数が増えたし、質も上がったと思います。モー娘。がブレイクして、しかも20年も活動を続けていなかったら、アイドルになろうとする女の子は、きっとこんなにはいなかったんじゃないでしょうか」

 確かに、今やバラエティーに欠かせない存在として活躍する指原莉乃(HKT 48)は、アイドルになる前から生粋のモー娘。ファン。また、柏木由紀(AKB48/NGT48)も、指原同様に少女時代からモー娘。の大ファンだ。この2人に代表されるように、少女時代にモー娘。に憧れてアイドルになったケースは実は非常に多く、「モー娘。がいたからこそ、現在のアイドルシーンの興隆がある」という北川氏の見解には大いにうなずける。モー娘。はこの20年でテレビからライブに活動の中心を移し、ライブアイドルとしても、シーンを牽引してきた。そんなモーニング娘。’18は、今も多くのアイドルグループに影響を与えながら、独自の進化を続けている真っ最中。20周年のその先も、また楽しみだ。


デビュー20周年関連企画が目白押し!
「ナカイの窓」 2/28(水)
日本テレビ系 毎週水曜 午後11:59~深夜0:54
(C)日本テレビ


「モーニング娘。同窓会」と題して、飯田圭織、中澤裕子、吉澤ひとみらが当時の思い出を語る。歌も披露。
「The Girls Live」 3/5(月)
テレビ東京ほか 毎週月曜 深夜1:00~1:30
ハロー!プロジェクトの魅力をお届け。スペシャル企画として2月からモー娘。OGがMCを担当。
「モーニング娘。まるっと20年スペシャル(仮)」 3/31(土)
NHK BSプレミアム 午後11:45~深夜4:15
NHKで披露した20年分のシングル曲を、つんく♂とともに一挙に振り返る、豪華な4時間半SP。
<LIVE>
3/17(土)~5/5(土)
「モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2018春
~We are MORNING MUSUME。~」

昨年に続く20周年記念ツアーを春も開催。進化する圧巻のパフォーマンスに期待。

3/31(土)・4/1(日)
「Hello! Project 20th Anniversary!!Hello! Project ひなフェス 2018」
ハロプロのアイドルグループが集結するフェス。今年はモー娘。OGの参加も!
<CD>
ALBUM 発売中
「二十歳のモーニング娘。」
20周年記念のミニアルバム。歴代&現役メンバーの世代を超えたコラボは必聴!

今回、取材したのは…

北川昌弘さん(アイドル評論家)
’57年、北海道生まれ。成蹊大学卒業。’88年から’04年まで、「NIPPONアイドル探偵団」(宝島社)を出版。近刊として、北川昌弘とゆかいな仲間たち名義の「山口百恵→AKB48 ア・イ・ド・ル論」(宝島社)がある。

Interview=大久保和則

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