コラム

’16年4月期朝ドラヒロインを射止めた!
高畑充希が老若男女に愛されるワケ

TV、映画、舞台、CMに引っ張りだこ!
次々と活躍の場を広げる注目の女優を徹底分析!

 テレビを見ていてよく耳にするけど、実際はきちんと知らない(かもしれない…)時事ネタや話題を追いかけ、解説する連載「TVガイド新書」。
 今回は、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のヒロインに選ばれた高畑充希の女優として、女性としての魅力に迫ります。

舞台で培われた表現力に作り手たちがラブコール

 先ごろ、次々回作の“朝ドラヒロイン”に高畑充希を起用するとの発表があった。なるほど、納得の人選である。近年の活躍ぶりからすれば、肯定する要素しか見当たらないからだ。ヒロインの義妹役を演じた’13年度後期の連続テレビ小説「ごちそうさん」でブレークスルーのきっかけをつかむと、大河ドラマ「軍師官兵衛」をはじめ、映画「アオハライド」「バンクーバーの朝日」(ともに’14年)など、続々と話題作に出演。’15年1月クールのドラマ「問題のあるレストラン」(フジテレビ系)ではオトコ受けのする“きらきら巻き量産型女子”として、主人公たちと対峙したのち仲間に加わる役どころで期待に違わぬ存在感を発揮し、その力量の高さを知らしめた。今後も初主演映画「植物図鑑」(’16年6月公開予定)に渡辺謙主演・李相日監督の話題作「怒り」(同年秋公開予定)が待機中。そうしたタイミングでの「とと姉ちゃん」ヒロイン決定は、まさしくタイムリーと言えるだろう。

 まだ23歳と若い彼女だが、芸歴は10年とすでに中堅の域に達している。元々ミュージカルが好きで、キャリアの一歩目も舞台からだった。’07年には、その後6年間主演を務めることになる「ピーター・パン」を初演、ダイナミックな演技と安定した歌唱力で、観る者を魅了。並行して、「3年B組金八先生(第8シリーズ)」(TBS系)や映画「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ」(’07年)といった映像作品に出演して片りんをのぞかせているが、伸び盛りの10代に舞台でしっかりと経験を積んだことが近年の評価につながっていることは、想像に難くない。つまり──少し説明が長くなってしまったが、舞台で培った表現力こそ高畑充希の真骨頂である、ということだ。

 事実、「ごちそうさん」の脚本を手がけた森下佳子は、高畑が出演した舞台を観て感銘を受け、急きょ彼女が演じた希子役に歌う設定を追加し、シナリオを書き直したほど(これが後に茶の間を賑わす劇中歌「焼氷有り〼の唄」の歌唱シーンとなる)。また、「アオハライド」の三木孝浩監督も、高畑が主演した「奇跡の人」を観劇した際、“ナチュラルボーン女優”と最大級の賛辞を贈っている。舞台上で圧倒的な輝きを放つ彼女に、作り手たちはイマジネーションをかき立てられ、新境地へと導きたくなる──そのポテンシャルの高さを考えれば、次々とオファーが舞い込むのは何ら不思議ではない。名だたる作り手たちの目を引くには、それ相応の理由があるのだ。

役を離れれば自然体その親近感に魅了される

 女優として秀でているのはもちろん、彼女自身が〝愛されキャラ〟であることも見逃せない要素だろう。筆者も何度か取材したことがあるが、しっかりした受け答えと時折のぞかせる〝天然〟な一面に、いつしか惹きつけられているのを自覚した。印象深かったのは、年賀状を出すか否かという質問に対する答え。いわく、年賀状には凝るタイプで、年ごとに干支のコスプレ写真を愛犬&愛猫と一緒に撮ってハガキにしている、と。しかも、文面は字の温かみと真心が伝わるよう、一枚ずつ手書きしているという。その年賀状が届いた時のことを想像しただけで微笑んでしまうのだが、本人がいたってマジメに語っているのが、また何とも愛らしいのだ。実直ゆえの“ギャップ萌え”とでも言おうか…つぶらな瞳も相まって、彼女の飾らないパーソナリティーは人々を魅了する。先日の「とと姉ちゃん」ヒロイン発表会見でも、主人公の小橋常子が“おやじヒロイン”であることに掛けて、「自分もふだん、おやじくさいと言われる」と言ってのけ、取材陣の関心を誘っていた。その発言に、あざとさの類いはいっさいナシ。役を離れれば極めてナチュラルな立ち振る舞いで、親近感を抱かせる──だからこそ年代や性差を超えて、広く誰からも愛されるのだろう。

 実際、ドラマ「Q10」(日本テレビ系)で共演した同年代の前田敦子、池松壮亮、柄本時生からなる「ブス会」を筆頭に、有村架純、はたまたキムラ緑子に大竹しのぶといった大人の女性にいたるまで、交友関係は幅広い。そういえば「軍師官兵衛」の現場でも、父親役のピエール瀧は当然ながら、義理の両親役である岡田准一と中谷美紀にもかわいがられていた。その〝愛され力〟が来春、全国区で発揮されるであろうことに疑いの余地はない。


高畑充希 主な代表作
問題のあるレストラン
’15年1~3月 フジテレビ系
 演じた川奈藍里はオトコ受けを狙うキャラで、田中たま子(真木よう子)ら主人公チームと対立関係にあった。が、川奈自身も男性に対するトラウマがあり、本編途中からたま子サイドに寝返る。

ごちそうさん
’13~’14年 NHK総合ほか
 主人公・め以子(杏)の夫になる西門悠太郞(東出昌大)の妹・希子役。当初は寡黙なキャラだったが、喫茶店の宣伝で「焼氷有り〼の唄」を街角で歌って以降、明るく活発になって、茶の間の人気を博した。

ピーターパン
’07~’12年 国際フォーラムほか
 ’81年の初公演以来、伝統のミュージカルに8代目ピーター・パンとして主演。初演の’07年時、高畑は15歳。この役を演じた6年間はボーイッシュなショートカットがトレードマークだった。

青い種子は太陽の中にある
’15年8~9月 東京・大阪公演
 寺山修司による幻の音楽劇を、蜷川幸雄演出・亀梨和也主演で上演。高畑は亀梨演じる主人公の恋人役。彼女にとって蜷川の舞台に出ることは夢であり目標だっただけに、感慨もひとしおであった。

ライオン バファリンルナi
’15年5月~ CM
 鎮痛剤のCMキャラクターとして、「痛いと私は…」篇と「知らなかった」篇に出演中。前者では痛くなると〝ブチャ顔〟になってしまうOLを、コミカルかつ愛らしい顔芸とともに演じている。

バンクーバーの朝日
’14年12月公開
 カナダに実在した日系人野球チームのエピソードを映画化。高畑は主人公・レジー笠原(妻夫木聡)の妹・エミー笠原役。窮地に立たされた兄たちのために、彼女が歌で奮起をうながすシーンは見もの。

Text=平田真人

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