コラム

特別版①
思い出に残る“時代の顔”の数々
TVガイドが切り取ったテレビの53年

誌面を振り返れば…
激動の日本の芸能史が見えてくる!

 テレビを見ていてよく耳にするけど、実際はきちんと知らない(かもしれない…)時事ネタや話題を追いかけ、解説する連載「TVガイド新書」。
 今週は、TVガイド53周年を記念した特別版。これまで表紙を飾ってきたスターたちを紹介しながら、その時代を振り返ります。

創刊号(1963年8月4日号)の表紙は人気アナウンサーの高橋圭三

創刊号表紙を飾ったのは元祖フリーアナウンサー

 ’53年、日本で初めてテレビ本放送がスタート。高嶺の花だった家庭用テレビも’59年の皇太子殿下ご成婚をきっかけに本格的な普及を始め、翌’60年にはアメリカ、キューバに続いて世界で3番目となるカラー放送もスタートした。そうしたなか、’62年にTVガイドは創刊。表紙を飾ったのは「NHK紅白歌合戦」などで司会を務め、この年に日本初のフリーアナウンサーとなった高橋圭三だった。高度経済成長期真っ只中の日本。雑誌の表紙は時代の顔ということで、ここからテレビ&芸能史を振り返ってみよう。

 まずは’60年代。創刊2号目の表紙には「ヴァケイション」を大ヒットさせ、15歳で紅白歌合戦に出場した弘田三枝子が登場。人気番組「ザ・ヒットパレード」「シャボン玉ホリデー」の影響で洋楽ポップスの日本語カバーが流行していた時代だった。4号目に登場の坂本九は「上を向いて歩こう」が’63年「SUKIYAKI」のタイトルでアメリカのビルボードチャートの1位に輝く快挙を成し遂げた。当時は海外ドラマも大人気で、50・6%を記録した医療ドラマ「ベン・ケーシー」の主演ビンセント・エドワーズが7号目の表紙に。’64年10月に開催された東京オリンピックでは世界初の海外衛星中継に成功。“テレビオリンピック”と言われるほどの衝撃を全世界に与えた。

 石原裕次郎、加山雄三、吉永小百合、美空ひばり、さらにザ・ビートルズといったスターが表紙に登場する中、グループサウンズが流行した’68年にはザ・スパイダース(田邊昭知、堺正章)、ザ・タイガース(沢田研二、瞳みのる)、ザ・テンプターズ(萩原健一、大口広司)が表紙に。’69年のアポロ11号月面着陸の瞬間は誰もがテレビにくぎづけとなった。

子どもも大人も魅了する一大アイドルブーム到来

 ’70年、大阪で開催された万国博覧会の中継でカラーテレビが普及。テレビ文化が家庭に欠かせないものになると、ホームドラマが人気に。石坂浩二、水前寺清子のコンビで最高視聴率56・3%を記録した「ありがとう」や銭湯を舞台にお色気シーンも注目された「時間ですよ」が人気を博した。スチュワーデスを目指す女性の奮闘を描いた「アテンションプリーズ」以降は職業ものもヒット。さらに数々の高視聴率番組を抱え「ドリフのズンドコ節」で日本レコード大賞大衆賞を受賞したザ・ドリフターズも表紙に登場。

 ’73年、第4次中東戦争によりオイルショックが発生。不安な世相を払拭するかのように山口百恵ら「花の中3トリオ」が活躍。郷ひろみ、天地真理、西城秀樹などの“アイドル”という存在が以降ブームになった。歌だけでなく「8時だョ!全員集合」などでバラエティーもこなしたキャンディーズや、新曲が出るたび皆こぞって歌と振りを覚えようとしたピンクレディーはテレビを通して国民的な存在に。後者は’78年にスタートした「24時間テレビ 愛は地球を救う」第1回のメインパーソナリティーも務めた。また、水谷豊主演の「熱中時代」や武田鉄矢主演「3年B組金八先生」などの学園ドラマも大ヒット。続編も制作された。

 ’80年代になるとステレオ放送や2カ国語放送、さらにビデオデッキが本格的に普及。近藤真彦や田原俊彦、松田聖子といったスーパーアイドル、お笑い以外にも俳優として活躍の幅を広げたビートたけし、明石家さんま、’82年に「笑っていいとも!」「タモリ倶楽部」をスタートさせたタモリ、来日時に大フィーバーを巻き起こしたマイケル・ジャクソンらが表紙に登場。やがて人々が生活の豊かさを実感し、“バブル”と呼ばれる時代が到来する。大ヒット作「男女7人夏物語」あたりから、都会に生きる男女の恋愛を描いた“トレンディードラマ”が数多く制作された。中でも’88年放送の「抱きしめたい!」で共演した浅野ゆう子、浅野温子の“W浅野”は人気を博した。ブームは’90年代も続き、鈴木保奈美と織田裕二の「東京ラブストーリー」、浅野温子と武田鉄矢の「101回目のプロポーズ」、山口智子の「29歳のクリスマス」など数多くの名作が生まれ、そのたび出演者たちがTVガイドの表紙を華やかに彩った。

そしてデジタル放送へ。テレビの未来を紡ぐもの

 ’90年代になるとバブルが崩壊。’95年は阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などが起こり報道に多くの時間が割かれた。そうした暗い世相を払拭するように、SMAPや安室奈美恵らの明るいパフォーマンスが人気に。お笑い界でもダウンタウン、ウッチャンナンチャンらが新たな時代を築きあげていった。高画質なアナログハイビジョン放送の登場とともにテレビも大画面化。従来の4:3比率の画面から人間の視野角に合う16:9比率のワイド画面へシフトしていくのに合わせTVガイドも’95年11月には従来の約2倍のサイズに大判化。その記念の表紙をSMAPが飾った。

 ’00年にBSデジタル放送がスタートし、’03年には地上デジタル放送が開始。21世紀最初の表紙を飾ったのは「HERO」の木村拓哉と松たか子で、最高視聴率36・8%の大ヒット作となった。その後も韓流ブームの火付け役であるペ・ヨンジュンやイ・ビョンホンが登場したり、’10年4月には、AKB48が全国18パターンの表紙をジャックを敢行した。’11年には58年間続いたアナログ放送が終了し、テレビはデジタル放送へと完全移行。翌年、新たな電波塔「東京スカイツリー」が誕生した。これからもテレビがどんな“時代の顔”を見せてくれるのか楽しみだ。


Text=秦野邦彦

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