コラム

take227「レオン」
孤独で不器用な殺し屋が少女によって覚醒していく!!

 誰とも交わらずに暮らす凄腕の殺し屋・レオンが、家族を皆殺しにされて復讐に燃える12歳の少女、マチルダと出会ったことで初めて愛を知る、純愛と血飛沫が混在するバイオレンス・アクション。フランス人監督、リュック・ベッソンのハリウッド・デビュー作であり、レオン役のジャン・レノを一躍人気スターダムに押し上げ、ヒロインのマチルダを演じたナタリー・ポートマンを世に送り出したあらゆる意味で記念碑的作品だ。

 ニューヨークのとあるアパート。父親が麻薬組織のブツを横領したために家族全員が銃殺された直後、たまたま外出していた娘マチルダが帰宅し、震えながら隣人のレオンに助けを求めて来る。その瞬間漂う痺れるような緊迫感、やがて共同生活を始める2人の間に宿る親子とも戦友とも恋人とも取れる微妙な関係、レオンから殺し屋としてのテクを学び取り、単身、敵陣地に潜入したもののとっ捕まってしまったマチルダをレオンが奪還するシーンのスリルと感動、そして、遂に訪れるリベンジマッチで、それまで務めて無表情だったレオンがマチルダのために感情をむき出しにする純愛ドラマとしてのカタルシスetc。この映画が今もなおファンに愛され続ける理由は、殺し屋としては一流でも人間的にはまるで未熟だったレオンが、マチルダによって少しずつ覚醒するも、やっぱり不器用な方法でしか愛情を表現できないところがいかにも切ないから。

 そんな無骨な男の内面の変化を好演し、当たり役となったこれはレノのベストワークといえるもの。また、2千人のオーディションを見事勝ち抜いてマチルダ役をゲットした、当時まだ13歳のポートマンのみずみずしい演技には、今にして思えば後のオスカー女優としての片りんが垣間見えるような気がする。

<映画 うわさの真の相>
泣けないナタリーのため、ベッソンが思いついた絶対に泣ける方法とは?

撮影中、ナタリー・ポートマンを最も悩ませたのは監督のキューで即座に涙を流せなかったことだと後に本人が語っている。そこで、ベッソンはミント入りのオイルをナタリーの目に吹き付けることを思いつく。彼女の目に涙が溢れたことは言うまでもない。中でも、映画の冒頭でマチルダが泣きながらレオンの部屋を訪れる場面でのミント効果は抜群だ。

【映画情報】
レオン Leon(94年仏)

11/12(月)
NHK BSプレミアム 午後9:00~午後10:55
非情なプロの殺し屋が、家族を殺された少女と心を通わせながら、犯人の悪徳麻薬捜査官に復讐を挑む大ヒット・アクションドラマ。ニューヨークの安アパート。非情なプロの殺し屋レオン(レノ)の部屋に、少女マチルダ(ポートマン)が逃げ込んできた。悪徳麻薬捜査官スタンフィールド(オールドマン)が少女の家族を皆殺しにしたらしい。レオンは少女をかくまうが、次第に心が揺れ始める…。

監督:リュック・ベッソン
出演:ジャン・レノ ナタリー・ポートマン ゲーリー・オールドマン ダニー・アイエロ ピーター・アペル エレン・グリーン マイケル・バダルッコ
Text=清藤秀人


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