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【ラグビーワールドカップ2019 応援連載『SCRUM』#18】「日本×アイルランド」SPECIAL REPORT

 歴史的勝利に日本中が沸いた! 日本代表プール戦2戦目の相手は世界ランク2位を誇る強豪国・アイルランド。日本中を興奮の渦に巻き込んだ熱戦の様子を徹底リポートします。


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強豪国相手に“ONE TEAM”で歴史的勝利

 9月28日、ラグビーワールドカップ2019日本大会9日目。日本にとっての第2戦「日本×アイルランド」が静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアムで行われ、日本が世界ランキング2位で優勝候補の一角アイルランドを破った。

 前回大会の南アフリカ戦に続く、格上の伝統国からの金星。テレビ中継の実況を担当したNHKの豊原謙二郎アナウンサーは試合後、「2度目のジャイアントキリング!」と叫び、「これはもう、奇跡とは言わせない!」と続けた。誰もがうなずいたのではないだろうか。歴史的勝利であるのは間違いないが、偶然や幸運がもたらしたものではない。むしろ日本がチーム一丸となって勝つためのゲームプランを遂行した末につかみ取った、「必然」の勝利に見えた。

 序盤はアイルランドのペース。キックで日本を揺さぶり、14分にキックパスをトライにつなげて先制する。日本はSO田村優がPG(ペナルティゴール)を決めて3点を返すが、21分に再びトライを決められ、3-12と突き放される。 だが30分、負傷したNo.8アマナキ・レレイ・マフィに代わって主将リーチマイケルが入り、試合の流れが変わる。リーチを中心に攻撃を継続し、相手の反則から得た2つのPGを田村が決め、9-12で前半を折り返した。リーチのリーダーシップと攻守にわたる献身的なプレーがチームにモメンタム=勢いをもたらしたのは明らかだった。また35分に相手ボールスクラムを押し返しペナルティーを獲得したプレーも大きかった。相手の強みであるスクラムで圧倒したことで、流れは完全に日本に傾いた。

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 後半、日本はつかんだ流れを離さない。ボールを持つとキックを多用せずに早いテンポの攻撃を仕掛け、アイルランドを消耗させていく。そして58分、マイボールスクラムからボールをつなぎ、途中交代のWTB福岡堅樹がトライ。田村がコンバージョンゴールを成功させ、16-12とリードする。日本はその後も集中力を切らさない。アイルランドは持ち味であるFWの直線的な突進でボールを前に運ぼうとするが、日本選手は相手選手を2人がかりのタックルで倒し、すぐに立ち上がって数的優位と組織的な守りを保つ。アイルランドは次第に足が止まっていった。

 72分、田村のPGで19-12とリードを広げ、77分に福岡が相手パスをカットして独走。敵陣5メートルで追いつかれたが、相手選手のノックオンで日本ボールのスクラムに。福岡は大会開幕前に右足を負傷して初戦の登録メンバーから外れたが、それを感じさせない走りを随所に見せた。その後も日本が押し込む展開が続き、ラストワンプレーを告げるホーンが鳴った後、アイルランドがタッチに蹴り出し、ノーサイド。アイルランドはプレーを続け、トライとゴールを決めれば同点にすることができたが、試合を終わらせた。引き分けの勝ち点2を狙うことは、日本に追加点を奪われるリスクを伴うため7点差以内の負けに与えられる勝ち点1を選んだのだ。そう判断させるほど、日本があらゆる面で優位に立っていたと言える。まさしく「必然」の勝利だった。

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 日本はプール最終戦でスコットランドと対戦。ほかの試合の結果にもよるが、両者ベスト8進出をかけた対決になる可能性が高く、伝統国スコットランドも背水の陣で臨んでくるだろう。だが今の日本に恐れるものはない。アイルランド戦後、田村は語った。「僕らは準々決勝、準決勝、決勝を目指している。国民の皆さんも僕らができると信じて待っていてください」と。選手、スタッフだけではなく、スタジアムで彼らを後押しするサポーター、テレビ画面越しに声援を送る国民。すべてが一体の“ONE TEAM”になったとき、新たな歴史の扉が開くはずだ。


【ラグビーワールドカップ2019日本大会】
<日本代表戦放送スケジュール>
◆「日本×スコットランド」 
日本テレビ系 10月13日 午後7:30~9:54 ※延長の場合あり

決勝トーナメントは10月19日からスタート!

文/佐藤新





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