俺の5チャンネル

連載

高木ブーがドリフ秘話&いかりや長介との確執を暴露!?

「ドリフ大爆笑」は僕の財産の一つだと思っているよ


 ザ・ドリフターズのメンバーとして、日本中を爆笑させ、テレビの黄金時代を牽引した高木ブーさん。現在はウクレレ奏者として活躍し、テレビCMでは、ドリフターズのメンバーとも久々の共演を果たし、健在ぶりを示している。そんな高木さん、実はスカパー!のヘビーユーザーのようで…。

──スカパーに加入されたのはいつ頃ですか?

「もうずいぶん前になるよ。10年くらいは経っているんじゃないかな。最初は時代劇が見たかったの。“時代劇専門チャンネル”だと1日中、時代劇が見られるでしょ。それがいいなあと。そのうちに、他のチャンネルではこんな番組もやっているんだ!という感じで、いろいろなチャンネルを見るようになったんです。今でも、まずは“時代劇専門チャンネル”をつけて、それからチャンネルを変えていって、気になる番組を見ていますね」

──時代劇では、どんな作品が好きですか?

「今よく見ているのは『暴れん坊将軍』や『鬼平犯科帳』、『剣客商売』かな。『鬼平犯科帳』はいろいろな役者さんが主演しているけど、やっぱり中村吉右衛門さんがいいんだよなあ。そういえば、吉右衛門さんの『鬼平犯科帳』には、チョーさん(いかりや長介)も出ているんだよね。忘れていたんだけど“時代劇専門チャンネル”で見ていたら出てきてびっくりしたよ(笑)。チョーさんもさ、『鬼平犯科帳』に出たり、『踊る大捜査線』があったりして、役者として味が出てきて、さあこれからって感じのときに亡くなっちゃった。若い頃のチョーさんは、とにかく顔が怖くて(笑)、あのままだったら役者として売れなかっただろうけど…。でも、ザ・ドリフターズのチョーさんは怖い顔の方が良かったんだ。僕らのコントではメンバーを怒る立場であり、憎まれ役でもあったから。でも、年齢を重ねるにつれ表情が柔らかくなって、すごくいい役者になった。本当に残念だったなあ。それから、『剣客商売』もいろいろな人がやったけど、僕は藤田まことさん版が好き。まことさんとザ・ドリフターズは仲が良くて、昔、チョーさんがケガをしたときに、まことさんが代役を務めてくれたこともあった。それが縁で、ドリフターズの主演映画には必ずといっていいほど出てくれてね」

──他にはどんな番組をご覧になっていますか?

「韓流の時代劇も、やっていると見るね。韓国の歴史に詳しくないので、設定がよくわからないこともあるんだけど、それでも面白い。番組表でカタカナのタイトルのドラマを見つけると、韓国の時代劇だなと思って、チャンネルを合わせるんですよ(笑)。映画も見ますよ。日本映画だと昔の任侠ものが好きかな。洋画だと西部劇。あとは香港映画…というか、ジャッキー・チェンの作品が好き。彼のコミカルなアクションが好きなんだよね」

──スポーツはいかがですか? プロ野球の中日ドラゴンズのファンだとお聞きしました。

「スポーツもよく見るよ。野球、ゴルフ、ラグビーが好きなんだ。中日ドラゴンズは、今年は調子が今ひとつなんだよなあ。見ているとヒヤヒヤする試合が多い(苦笑)。松坂大輔投手が話題になっているけど、相手を見ながら投球できるというのかな。やっぱりすごい投手だと思う。頑張ってほしいよね。でもさ、スカパー!だと12球団の全試合が見られるんでしょ? すごい時代になったよね! それから、『ドリフ大爆笑』も見ていますよ。まあ、わざわざ見ているわけではないんだけど、毎日のように放送しているでしょ? チャンネルをザッピングしているときに、よく出くわすんだよ。そうするとつい見ちゃう(笑)。みんな若いよね。チョーさんも志村(けん)も、髪の毛がフサフサしてるもん(笑)。いろいろな人がゲストで出てくれていて、いま見直すと、こんな時代だったんだなって感慨深いものがある。よくあんな挑戦的なことができたなとも思うしね。この番組は、僕の財産の一つだと思っているよ」


時代劇はザ・ドリフターズのコントと通じるものがある


──それでは、5チャンネルを選んでいただけますか?

「まずは、毎日見ている“時代劇専門チャンネル”を忘れちゃいけないね。それから“TBSチャンネル2”。ここも時代劇をよく放送しているよね。今は里見浩太朗さんの『水戸黄門』を放送していて、里見さんの黄門様もいいよね。西郷輝彦さんの『江戸を斬る』シリーズも好きだなあ。それから、『ドリフ大爆笑』を放送している“ファミリー劇場”も選ぼうかな。この番組でやっていた『雷様』のコントの中で、僕がギターを弾いて歌手の方とデュエットしてたんだよね。五木ひろしさんとか、いろいろな人と一緒にやったけど、いま思うと貴重な経験だったなあ。五木さんなんて、他の番組では、なかなかコントなんてしてくれないよね(笑)。『ドリフ大爆笑』だけでなく『8時だョ!全員集合』もそうだけど、僕らの番組にはたくさんの歌手の方が出演してくれた。でも、コントをやらなくちゃいけないから、出演するのは大変だっただろうね。芝居をするだけでも大変なのに、コントだからコミカルに演じなくちゃいけないんだから。でも、そのへんはチョーさんがうまかった。初めて出演する新人の子でも、ちょっとアドバイスなんかして、その気にさせるんだ。乗せ方が上手だっんだよね。『8時だョ!全員集合』だと、よく出演してくれたのは、最近亡くなった西城秀樹くんと、由紀さおりさん。西城くんは、いちばん多かったんじゃないかな。オープニングで停電した回にもゲストで来てくれていたし、印象に残っている回には必ずいてくれていたと思う。あと、由紀さんはチョーさんが熱烈なファンだったんだよ。だからチョーさんと恋人役が多かったんだ(笑)」

──「雷様」コントはアドリブが多かったと聞いたことがあるんですが、本当ですか?

「いやいや、ちゃんと筋書きがありましたよ。ただ、題材は本当のことが多かった。例えば、僕がチョーさんに給料上げてくれって言うコントだったら、実際その時期に本当に給料を上げてくれって言ってたんだよ。チョーさんに直談判したんだから。そうしたら、『いいか、お前の給料を上げるには、誰かの給料を下げなくちゃいけない。誰か下げてもいいヤツいるか? いないだろ?』なんて、言いくるめられちゃうんだよね(笑)。よく考えると一番もらってたのはチョーさんなんだけどね(笑)」。

──コント中に高木さんの発言で、いかりやさんが戸惑った顔をしたりすることも多かったので、アドリブだったのかと思っていました。

「いやいや、チョーさんはちゃんと計算していたんですよ。そこもすごいところだよね。さて、四つ目のチャンネルは、“ミュージック・エア”がいいな。このチャンネルもよく見ているよ。ザ・ビートルズの番組なんかをよくやっているよね」

──やはり、最初で最後となった1966年の日本公演の前座を務めただけに、ザ・ビートルズには思い入れがありますか?

「まあ、そうだね(笑)。僕は、もともとはロカビリーをやっていたんだけどね。それで、“ミュージック・エア”の『ジュールズ倶楽部』が好きなんだ。イギリスの音楽番組なんだけど、大きなスタジオに10組くらい出演者がスタンバイしていて、そこを司会者が巡っていくわけ。面白いアイデアだなと思ってね。世界中からいろいろなアーティストが出演していて、ロックがあったりラテンがあったりジャズがあったり、ソロのシンガーもいれば、大人数のバンドもいる。見ていてぜんぜん飽きないよね。また、司会のジュールズ・ホランドもピアノが上手でさ、たまに出演者とセッションしたりして、それも面白いんだよね。それから、“歌謡ポップスチャンネル”も。僕は歌謡曲や演歌も大好き。特に好きなのは松山千春さん。コンサートも毎回見に行っているよ。氷川きよしくんの歌う『ズンドコ節』は、ドリフターズもレパートリーにしていた曲なので、それで共演したこともあったな。氷川くんの番組も放送しているよね(『きよしとこの夜』)。それでね、“歌謡ポップスチャンネル”には出演したい番組があるんだよ。秀ちゃん(中山秀征)が司会で、ゲストの歌手を迎えてトークをしながら歌う『中山秀征の有楽町で逢いまSHOW』が大好きで、ぜひ出たいんだよなあ。僕のバンドはハワイアンのバンドで、歌謡曲のヒット曲がないからダメなのかな?(笑)」

──財産という『ドリフ大爆笑』を放送している“ファミリー劇場”をはじめ、大好きな時代劇や音楽が楽しめるチャンネルが選ばれ、無事5チャンネルが決まりました。

「改めて好きな番組を挙げてみると、僕は“型”のあるものが好きなのかもね。様式美というのかな。例えば時代劇でいうと『遠山の金さん』なら、最後は桜吹雪を見せて一件落着となる。それはもう決まっているんだけど、それが楽しい。また、そこに至るまでの過程がどうなるのかを楽しんでいるというのもあるんだよね。一つの型にはまっていて面白いというのは、ある意味、ザ・ドリフターズのコントと通じるものがあるのかも。そんな気がするな」

──なるほど。たしかにザ・ドリフターズのコントも、定番がありつつ、オチに向かうバリエーションが多く、何度見ても飽きないですものね。今日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!


撮影/尾崎篤志 取材・構成/竹内伸一

【プロフィール】 
高木ブー(たかぎ ぶー) 
1933年3月8日生まれ。東京都出身。魚座。O型。大学卒業後、音楽活動を開始し、’64年にザ・ドリフターズに加入。「8時だョ!全員集合」「ドリフ大爆笑」など、数多くの番組に出演し、国民的な人気を博する。現在はウクレレ奏者として音楽活動を展開。’15年には「Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション」が発売に。
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