懐かしテレビほの字組

連載

「池中玄太80キロ」あの名曲は“役者だからこそできる魅力的な歌唱”

「懐かしテレビほの字組~町あかりの昭和テレビ再発見!~」第四回

 1991(平成3)年生まれにもかかわらず、昭和の文化に強い憧れを抱いている私、シンガー・ソングライターの町あかりと申します。そんな私が読者の皆さまからオススメの「昭和のテレビ番組」の情報をいただき、実際に観てみよう!という連載企画「懐かしテレビほの字組」。

 今回オススメしていただいたテレビ番組は、日本テレビ系列のドラマ「池中玄太80キロ」です。主人公の池中玄太を演じる、西田敏行さんの当時の体重にちなんで付けられたこのドラマのタイトル。名前だけは聞いたことがあり、面白いなあと思ってはいましたが…。シリーズは「パートⅢ」(89年)まで続き、その他にスペシャル版まで放送されていたとのこと。大・大・大人気ドラマだったんですね! もともと山田洋次監督の「学校」「学校Ⅱ」「虹をつかむ男」などの映画作品が好きで、西田敏行さんのファンでもありますので、これは興味アリ! というわけで早速、80年4月5日放送のパートⅠ、第1話「ハロー!娘たちよ」を観てみました。

 ドラマ全体の大まかなあらすじとしては「通信社のカメラマン・池中玄太が、なんと3人の娘を持つ未亡人の鶴子(丘みつ子)と結婚! しかし、結婚11日目に鶴子が脳溢血で倒れてしまい……」ということなのですが、なんと以上すべてのエピソードが、第1話の間に巻き起こります。めまぐるしいなあ! パートⅠは全13話あるわけだけど、このあと大丈夫!? 話、持つの!?と、余計な心配をしてしまいました。しかしこのスピード感に超ワクワク・ドキドキさせられます! かなり濃厚な回です。

 ところで、シングルマザーがひとりで子どもを育てていく(しかも3人も)ことの大変さもそうですが、そんな女性と初婚で結婚する主人公に対する周りの態度は、2018年現在と比べてどうなんでしょう? やはり、厳しいものだったんでしょうか? 今も昔も、同じかなあ? 昔だってシングルマザーが再婚すること自体は珍しくなかったのかもしれませんが、劇中の結婚式のシーンで親戚や周りの人たちがコソコソとうわさ話をしていたり、「あんなオマケ付きと…」みたいな、とてもヒドイ言われ方をしています。周りも不安なのは分かるけど、その考え方ってやはりちょっと前時代的な気がします。ドラマ上の演出にしても、大変な結婚だったことは確かです。

 そんなことも乗り越えつつ家族生活が始まるわけですが、娘たちが生意気でおませで、とにかくかわいい!! そして3人娘のひとりとして杉田かおるさんが出ていたことも、今回初めて知りました。「給料安そうだし、お小遣い減ったら嫌だな~」「男の人って女の人が手に入った途端ガラッと変わるんだって」「マンガみたいな顔~」「ひとりで張り切って、みっともな~い」など、これからパパになる池中玄太を裏でめちゃめちゃバカにしまくる子どもたち。いじわるで最高です。大好き。

「女の子3人」だからこそというか、幼いながらに現実的なことを言ったり、3人で結託している感じが意地悪くてたまらないです。これが男の子だったら「若いパパと一緒に遊びたい」とか思うかもしれないし、性別関係なく素直な女の子は「パパと仲良くなりたい」って言うかもしれません。しかしこの場合、主犯は長女の絵理=「杉田かおる」ですので…(笑)。目の奥にどことなく闇を抱えてるような雰囲気が、一筋縄じゃいかない匂いをプンプンさせています。いけいけー! やれやれー!(話が変わってきちゃう)。

 そうそう、主題歌について。パートⅠの主題歌「風に抱かれて」も優しい雰囲気の歌唱ですてきですが、次シーズン以降の主題歌は「もしもピアノが弾けたなら」(作詞/阿久悠、作曲/坂田晃一)なんですね。そして杉田かおるさんが歌う「鳥の詩」(同じく作詞/阿久悠、作曲/坂田晃一)は挿入歌。初めて知りました!! 「昭和名曲特集」みたいな特別番組を死ぬほど観てきているので、この2曲も覚えるほど聴いてはいましたが、ドラマの曲だなんてことはまったく知りませんでした。普通はドラマで聴いて知って、レコードを買ったり、ラジオでリクエストするものなのでしょうが…。後追い世代はそういうズレが生じがちです。「なんでそんなもの知ってるの?」みたいなコアなものを知っているのに、「なんでそれ知らないの!?」って言われることがあったり。それもこの一つです。勉強になります。

 そして、「もしもピアノが弾けたなら」「鳥の詩」の2曲に共通することなんですけど、「役者さんだからこそできる歌唱」なんだなあと思います。力を入れて歌い上げたりせず、「池中玄太」という優しい役だったり、「長女の絵里」という少し影のある役にピッタリの歌声なんですよねえ。

 さて! こちらの連載では、読者の皆さまからオススメの「昭和のテレビ番組」を引き続き大募集しています。現在でもDVDや再放送、動画配信サイトなどで観られる番組を教えていただけますとうれしいです。遠慮なく、どしどしメールをお寄せくださいネ!

【オススメの「昭和のテレビ番組」募集中!】
町あかりさんに見せたい昭和のテレビ番組を募集します!
番組名、見せたい理由、見せたいシーンを書いて、下記アドレスまでご応募ください。
抽選で、町あかりさんの最新アルバム「EXPO町あかり」を7名様にプレゼントいたします。
machi-honoji@tokyonews.co.jp
町あかり
シンガー・ソングライター。作詞・作曲、編曲、イラスト、衣装制作まで自身で行う。2017年ビクターエンタテインメントからメジャー3rdアルバム「EXPO町あかり」をリリース。5月23日から「ベストヒット☆ポンチャック」がカセットテープで発売中。他の歌手への楽曲提供も行う。文鳥を溺愛中。

町あかりオフィシャルブログ 
http://akrmc.blog135.fc2.com/
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