Series 連載

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです2020/05/20

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです

 天才歌人・石川啄木が、同郷の先輩でもある金田一京助と共に探偵業を始め、さまざまな事件に挑むアニメ「啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)」。今回は、本作の主人公・石川啄木役の浅沼晋太郎が登場! これまでジャンルを問わず数多くの作品に出演している浅沼だが、そんな彼でも今回の作品は「難しい」と本音を明かした。

── 今日は、啄木と同じく和装なのですね。

「この作品のために作ってくださったものだそうです。これを着て啄木に寄せてしまったことで、照れくささと“もう逃げ場がないぞ”というプレッシャーを感じていますが、あらためて気が引き締まる思いです。なで肩なので着物が似合うとよく言われるのですが、今はこの肩に重みが…。取材がすべて終わった頃には、肩が凝っているでしょうね(笑)」

── 見た目も役に寄せるのは、いつもと違った緊張感があるでしょうね。それでは、まず主演に決まった時のお気持ちを教えてください。

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです

「実はオーディションは別の役で受けることになっていたんです。ただ、僕は石川啄木と同じ岩手県盛岡市出身なので『この役も受けてみたいな』とマネジャーさんに言ってみたら、『じゃあ、ダメ元でこちらの役の音声も送っておきましょう』という話になり、結果、啄木で決まったという経緯があります。決まったことはとてもうれしかったですし光栄だったのですが、プレッシャーもひとしおでした」

── それは主演で、座長を務めることに対するプレッシャーですか?

「いえ、そうではなく。“座長だからみんなを引っ張るぜ!”といったことはあまり考えたことがありませんし、作品はみんなで作り上げていくものだと常々思っています。それに、引っ張っていくほど自分に余裕ないでしょうし(笑)。そこに関しては、むしろ“力を貸してください”くらいの気持ちですね。それよりは、同郷の天才歌人を演じることに対するプレッシャーが大きかったです。自分が持つ引き出しの中から合いそうなものを引っ張ってくる、という役作りが通用しない現場でしたしね」

── どういった部分でそう感じられたのでしょうか?

「音響監督の清水洋史さんとは今回初めてご一緒させていただいたのですが、演じ方における作品の全体的な世界観はもちろん、メインキャラクターに限らず、あらゆるキャラクターに細かな指示をしてくださいます。現場でディレクションしていただくたびに“そこまで想像できていなかったな”と思うことが多かったですね。そして、それを見る方に“届く”芝居をしたいけれど、果たして僕にそこまでの技術があるだろうかと悩みました」

── それは、啄木という人物の難しさもあるのでしょうか?

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです

「もちろんです。啄木は天才肌で憎めなくてつかみどころがないキャラクターですが、それだけではなく、明治の時代にちゃんと生きていた人物なんです。そこを軸に考えていくと、啄木はすべてにおいて正直な人だという考えに至りました。お金がなくて何もできないと落ち込むところも本当の彼、お金を借してくれた人に心から感謝するところも本当の彼、そのお金で豪遊しちゃうところも彼。そんなふうに、その瞬間瞬間を真っすぐ正直に生きているから、彼の取る行動に一貫性がなくて、周りを戸惑わせるのだろう、と」

── それが人間っぽくもありますね。ただ、一貫性がないと役を複雑に感じそうです。

「その時々で気持ちが変わるということですからね。役をそういうふうに捉えて演じることが今までなかったので、確かに難しかったです。『声の演技が説明過多になってはいけないよ』というディレクションもありました。画が説明をしてくれる部分も大きいので、感情を乗せすぎないでほしいということなのですが…どうしても不安になって演技しすぎてしまいがちなんですよね」

── いろんな意味で普段と違う現場を目の当たりにしたんですね。

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです

「はい。ですから、得たものはすごく大きいです。仕事の現場で“学ばせてもらいます”というのはあまり良くないと思っている方なのですが、この作品の現場に関しては毎週新しい何かを得られていました。この作品に出合えたことは、僕の財産ですね」

── すてきな出合いですね! では最後に、作品の魅力を教えてください。

「ミステリー作品といえば、どうしても派手なトリックに最初に目が行きがちですが、この作品は“人の思い”に重きが置かれています。僕自身、そこに気付いたことで作品に深みを感じました。ミステリー作品だからと構えすぎず、肩の力を抜いて楽しんでいただけたらと思います。そして願わくば、“登場人物たちが実際に書いた作品に触れてみよう”と思っていただけたらうれしいです」

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです

【番組情報】 

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです

「啄木鳥探偵處」
TOKYO MXほか 
月曜 午後11:00~11:30

原作はミステリー作家として知られる伊井圭の代表作。万年金欠の天才歌人・石川啄木(浅沼)が探偵、お人好しの大学講師・金田一京助(櫻井孝宏)がその助手となり、奇怪な事件を解決していく。諏訪部順一、三木眞一郎といった各話に登場した豪華ゲスト声優も話題に。

【プロフィール】

浅沼晋太郎 Shintaro Asanuma
1976年1月5日岩手県生まれ。やぎ座。O型。アニメ「『A3!』SEASON SPRING&SUMMER」(TOKYO MXほか)などに出演中。音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク」をアニメ化した「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima」(TOKYO MXほか)が7月スタート。「劇場版 生徒会役員共 2」が7月10日公開、「映画 ギブン」が近日公開予定。

【プレゼント】

浅沼晋太郎◆この現場では新しい何かを得ることが多かったです

サイン入色紙を1名様にプレゼント!

応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2020年5月20日正午~5月27日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」5月29日号(P98)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html

取材・文/松本まゆげ 撮影/Marco Perboni



この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.