コラム

「NHKスペシャル」ドラマ“パラレル東京”DAY2―震災時のSNSについて小芝風花が思うこととは?

 12月1~8日まで放送されるNHKスぺシャル「シリーズ 体感 首都直下地震」。12月3日の放送では、震災から2日経った「パラレル東京」の様子が明らかに。連絡が取れなくなってしまった妹のことを案じながらも、ニュースキャスターとして正しい情報を伝えようと倉石美香(小芝風花)が奮闘。混乱の一夜が明けます。美香を演じる小芝さんは、リアルな臨場感を出すためにアナウンスレッスンなどを行ったとか。今回は、綿密な役作りとドラマ「パラレル東京」2日目の出来事について語っていただきました。

──アナウンサー役ということで、事前にアナウンスレッスンを行い、ニュースセンターを見学したそうですが、役作りの上でどのように役立ちましたか?

「夏頃からNHKのアナウンサー・中川緑さんにマンツーマンで指導していただきました。アナウンサーは原稿を読むだけではなくて、ちゃんと内容を把握して正しく伝えることが大事なんです。特に緊急報道は、アナウンサーの言葉一つで人の命が左右されるので、内容を把握するというのが難しくて。句読点の位置で言葉の意味が変わることがあるので、この記事は何が一番言いたいのかをつかむ。それに加えて、原稿を読んでいる最中に、横にいるデスクやインカムからの指示、残り数分しかない中で原稿を読むことなど…いろんなことを考えなくてはいけないので、アナウンサーは本当に大変なお仕事だなとあらためて感じました。また、ニュースセンターでは、毎晩緊急報道の訓練をされていて、その訓練は、本当に地震が来たのかと思うくらいのリアリティーがありました。このまま日本が終わるのではないかと思うくらいの緊迫感の中で訓練されているのを見た時に、これを私がやるというプレッシャーと恐怖が急にのしかかってきて、泣いてしまいました。台本を読んで想像していたのと実際は全然違ったので衝撃的でしたが、毎晩訓練されている方々の熱意や、1人でも多くの命を救うんだという気持ちを作品にしっかり投影できたらと思えたので、見学させていただいたことに感謝しています」

──実際にアナウンサーを演じてみて、一番難しかったことはなんですか?

「文章の行が変わっても、同じトーンで声を出さなくてはいけないんですけど、どうしても音が下がっちゃう癖があったので、そこに気を付けるのが難しかったです。自分の耳で聞いていても分からなかったので何回も練習しました。言葉では、“東京”のイントネーションが難しかったです。『今、音が下がっていたから、もうちょっと音を上げて言ってください』とよく注意されました」

──ほかには、どんなアナウンスレッスンをされたのでしょうか?

「実際に新人の方が練習される原稿をいただいて、ゆっくり丁寧に読むことから始まって。『天気予報です』という短い文でも、声の出し方がちょっと違ったりするんですよね。また、『今日の天気は晴れです』という文章があったら、“晴れ”が一番言いたいこと…という基礎的なことも教わりました。ほかにも、原稿に赤や青の鉛筆で情報を慣れた手つきで書き込む感じや強調したい時の印の付け方なども教わったのですが、印の付ける位置によって強調したい部分や伝わり方が変わってくることを学んで、国語の授業みたいだなと思いました。さらに、“絵解き”のレッスンもさせていただいて。“絵解き”とは、火災が起きている映像を見ながら、アドリブでコメントをするんですが、原稿がないのでアナウンサー自身の言葉で伝えなきゃいけないんです。『今、人が10人ほど見えます』など、状況を伝えたりする練習が一番難しかったです」

──DAY2では、SNSで拡散されたデマによって、人が亡くなるシーンがあるようですが、ご震災時のSNSについてはどう思われますか?

「SNSは便利だからたくさんの方が利用していると思います。でもそこに悪意があるものが混ざっていて、それを信用しちゃった場合に、うその情報でも本当だと思っていろんな人が拡散してしまうことがあります。善意のつもりで広めても、その情報のせいでパニックになる。すぐに情報が取れるからこその恐怖というのは、今の時代ならではの問題だなと思います。Twitter などは情報が早くていいと思いますが、何が正しいのかを判断するために、テレビやラジオなど信頼できるものを探してほしいなとも思います。助け合う気持ちや人の命の重みをもっと考えていただきたいし、悪意のあることを書き込まないでほしいです。SNSは情報が早いし、本当に難しいと思いますが、全部を信じすぎず、しっかり考えてから適切な場所に避難できるように気を付けてほしいです」

──さらに、DAY2では、倒壊したビルに閉じ込められた女性を励ますシーンがありますが、そのシーンを演じていかがでしたか?

「美香の妹と同じ“ゆき”という名前の子で、この子が助かれば、もしかして妹も助かるかもしれないと重ねて見ちゃう部分もあって。実際に演じてみると、そういう気持ちもあるんですけど、同じ被災者なのに私は一応安全な局内にいて、一方で、彼女は閉じ込められてけがもしていて身動きが取れなくて…なんて声を掛けていいのかが分からなかったです。実際に被災している人の声を聞いて、本当にここで地震が起こったんだという気持ちがどんどん強くなっていく感じがしました」

──ありがとうございました。

 12月3日の放送では、発災から30時間あまりが経過した首都圏の姿が映し出されます。同時多発火災は猛威をふるい続け、収まる気配がありません。それどころか、高さ200mにも及ぶ炎の竜巻“火災旋風”が人々に襲い掛かります。そんな中、美香は倒壊したビルに閉じ込められた10代の女性と電話で話すことに。希望を失いかける女性を励ます美香のもとには、予想外のニュースが飛び込んできて大混乱に見舞われます。また、SNSに飛び交うデマ情報で多くの人々が死傷するという人災の側面も明らかに。ドラマといっても、これらは実際に起こりうる出来事です。私たちはこれらの出来事が起きた場合、どう立ち向かえばよいのでしょうか。生放送のスタジオでは、想定外の被害が起きる仕組みなどを解説し、大都会の弱点に注目していきます。


【番組情報】 
NHKスぺシャル「シリーズ 体感 首都直下地震」内 ドラマ「パラレル東京」 
NHK総合
12月2日 午後7:30~8:42 
「DAY1 あなたを襲う震度7の衝撃」

12月3~5日 午後10:00~11:00 
「DAY2 多発する未知の脅威」
「DAY3 命の瀬戸際 新たな危機」
「DAY4 危機を生きぬくために」
NHKスぺシャル「シリーズ 体感 首都直下地震 終わりの見えない被災」(仮)
NHK総合
12月7日 午後9:00~9:55
NHKスぺシャル「シリーズ 体感 首都直下地震 災害に耐える社会をつくる」(仮)
NHK総合
12月8日 午後9:00~9:50

NHK担当 K・H





 
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