コラム

研究者もびっくり! 深海の中にいるような臨場感を味わえる「深海の大絶景 世界初!8Kが見た海底1300mの秘境」

 NHKと国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が世界で初めて8Kでの深海撮影に成功! その模様が2月10日にNHK BS8Kで放送されます。深海を8Kで撮影するのは至難の業らしく、その深海システムは4年がかりで完成にこぎつけたそう。地球最後の秘境といわれる深海を高精細の8Kカメラで映したら、どんな世界が広がっているのでしょうか。

 2018年7月に伊豆小笠原諸島の海底を水深7000mまで潜れる無人探査機「かいこう」で潜航すること1時間半。水深1300mの深海の火山地帯に到達しました。そこには、300℃以上の熱水がジェットのように噴き出す「熱水噴出孔」が乱立しています。この熱水は猛毒の硫化水素を含んでいるのですが、その周辺にはシチヨウシンカイヒバリガイという二枚貝の大コロニーがあり、海底をびっしり埋め尽くしています。足をびよーんと出している貝まではっきりと見えました。「なぜこんな危険なところに?」と思っていたら、なんとこの貝、硫化水素からエネルギーを作り出す特殊な細菌を体内に住まわせて生きているんだそう。毒をエネルギーに変えられる生き物がいるなんて驚きです。小説やアニメの中の話だと思っていました。さらに8Kカメラは、目が退化したユノハナガニやオハラエビがおなかに卵を抱えている様子まで映し出します。その上、“ビッグチムニー”と呼ばれる高さが20mを超える熱水噴出孔に無数の深海生物が生息していることも明らかに。実は、これらの光景が映像ではっきりと見えるということが、とってもすごいことなんです。

 8Kでの深海撮影に挑んだJAMSTEC海洋工学センター・主任技術研究員の石橋正二郎さんによると、「8Kカメラはこれまでの16倍の解像度で、われわれからしたら信じられないくらいの情報量。従来のカメラだと撮れる映像が粗かったんですけど、8Kカメラは、どんなに画角を広げてもずっと高精細なんです。ビックチムニーにいたのが全部生き物に見えているのですが、これまでだとそれが分からなかったんです」と素晴らしい映像が撮れたことに感動されていました。また、JAMSTEC海洋生物多様性研究分野・主任技術研究員の吉田尊雄さんからは、「貝は閉じているので生きているか生きていないかを見分けるのが結構難しいんですけど、8Kだとその違いが分かりますし、小さい生き物や大きい生き物がどこにいるか細かく分かるので、調査にも非常にいいんです」と大絶賛。これまでのハイビジョンカメラを知っている研究員の方だからこそ、より一層8K映像の美しさを実感されているんでしょうが、確かに言われてみれば、光が届かない真っ暗闇の深海を鮮明に映すということは、並大抵のことではないのでしょうね。さらに吉田さんは「8Kは、有人船で窓から見ている映像に非常に近く、その場にいった感覚で見ている感じ」とまるで探査機の中から深海を見ているような体験ができる8K映像の魅力も語ってくださいました。

 まるで海底に立って深海を見ているような臨場感を体感できる39分。深海ファンの方もそうでない方も視聴の価値あり!です。

NHK担当 K・H

【番組情報】 
「深海の大絶景 世界初!8Kが見た海底1300mの秘境」
NHK BS8K 
2月10日 午後7:00~7:39
 
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