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コラム

「Iターン」ムロツヨシ&内田英治監督インタビュー!「ムロさんとはヒューマンドラマを作りたい」

 7月12日からスタートするドラマ24「Iターン」(テレビ東京ほか)。崖っぷち会社員とヤクザという、地獄の二重生活を送ることになった会社員・狛江光雄を演じるのは、ムロツヨシさんです。ムロさんの同枠への出演は「勇者ヨシヒコと導かれし七人」(2016年)以来。そして、「Iターン」全話の脚本・監督は、映画「下衆の愛」(16年)やNetflixオリジナルシリーズ「全裸監督」(8月8日から全世界独占配信スタート)などを手掛ける内田英治監督。内田監督はこれまで主にインディーズ映画を撮影されてきたということで、ドラマ全話を担当するのは初めてだそう。このドラマで初タッグとなったお二人に、ドラマの見どころや、今後の展望(?)まで、たっぷりと語っていただきました。

──内田監督はほぼ初めて全話をお一人で手掛けると伺いました。この作品のお話が来た時、どのような印象でしたか?

内田 「僕はテレビドラマをあんまり撮ったことがないので、いいんだろうか、と。でも『ドラマ24』の枠ならやってみたいな、という感じでしたね。映画監督を多く起用される枠ですし、全12話の脚本監督をやらせていただけるのも、やりがいを感じました。撮影中も、映画とテレビの間にいるような感覚でした」

──「ドラマ24」は、過去の作品を振り返ってもエッジの効いた作品が多い枠ですよね。

内田 「そうですね。挑戦できそうなイメージはありました」

──そんな「ドラマ24」ですが、これまでご覧になったことはありますか?

内田 「僕は…あんまりないですね(笑)、すいません…」

ムロ 「よくプロデューサーの前で言えたな! 素晴らしい! 使っていただきましょう、ここは!(笑)」

内田 「でも、声を掛けていただいた時に『そんなにドラマに詳しくないですけど、いいですか』って聞いたら、『大丈夫です』と言ってくださったので、懐の深さを含めて面白いなと思いました。あ、『勇者ヨシヒコ』シリーズは見たことがあります!」

ムロ 「珍しい! 一番見なくていい作品見てる(笑)」

内田 「佐藤二朗さんと仕事をしたことがあって、テレビをつけたら出ていたんです(笑)。大好きな俳優さんでそのままじっと見入ってしまいました」

──「勇者ヨシヒコ」シリーズにも出演されていたムロさんとご一緒されて、いかがでしたか?

内田 「ムロさんは、イメージと違いました。やはり、最初はコメディに強いといった印象があったのですが、初日から『めっちゃ役者やな』って。芝居を内面で演じていて、笑うところやバタバタするシーンも作り込んでいないというか…リアルです」

ムロ 「すごくいいことを言ってくれる。『内面的に~』なんて言われたことないもん。自分から『内面的に』だなんて言えないですもん、監督が言ったら説得力がありますね」

内田 「特に、僕はインディーズ映画出身なので、役者さんと一緒に作品を作りたいという気持ちがあるんです。演技も、テレビだからといってテレビ用にするのではなく、映画を撮っている時のような演技を撮影したいと。これらがほぼやれましたね。こういうドラマって、芝居がオーバーになりがちなんですよね。おどけたり、とぼけたりするのにも理由があって、外面の形だけオーバーにしても仕方がないのですが、ムロさんは生まれてくる感情に説得力があると感じました。あとは、ムロさんは芝居が毎回変わる。『こういうふうにするのはどうですか』と提案したら、全部変えてくるんです。アドリブではなくて感情が変化するんですよね」

ムロ 「書いてください、僕の口からは言えないですから! お願いしますよ、届けてください」

──ムロさんは、意識されて変化をつけていたんですか?

ムロ 「意識はしていないですね。監督がおっしゃって、演技をリセットする、というのはどの監督でも同じかなと。この作品をきっかけに、一緒に映画を作ることは約束しましたから(笑)」

──おお! ちなみにどのような映画ですか?

内田 「ムロさんとはヒューマンドラマを作りたいね」

──と言いますと、心温まるような…。

内田 「いや、心は温まらないです(笑)」

ムロ 「温まらないヒューマンドラマだそうです。“人間を描く”という意味のヒューマンドラマですかね」

内田 「人間の闇にフォーカスした感じです(笑)。話は戻りますが、ムロさんをもっといろんなジャンルで見たいですね」

──なるほど。

内田 「一番初めにムロさんにお会いした時に、『是枝裕和監督の映画に出ているムロさんを見たい』って伝えたんです」

ムロ 「いや、いつ呼ばれてもおかしくないと思ってますよ。是枝作品に呼ばれないみたいな言い方してるけど(笑)」

──内田監督は、映画とテレビドラマで演出の違いは感じられましたか?

内田 「多少はあると思います。が、この枠はそこまで感じなかったです。かなり伸び伸びとやらせてもらいました」

──現場で、セリフがコロコロと変わることがある、とお伺いしたのですが…。

内田 「これは驚きました。『変えてもいいんだ!』って思いましたね。演技って変化するので、台本に縛られているとおかしいんですよ。ムロさんなんか、どこにでも飛んで行ってしまうくらいの自由なお芝居をするので、それは変えますよね」

──ムロさんは、それで困ったということはありましたか?

ムロ 「なかったですね!」

内田 「ムロさんは携帯電話の出方だけはうるさかったですね(笑)」

ムロ 「そうですね、現代の携帯は画面にかけてきた相手の名前が出るので、電話に出て『あ、〇〇さんだ!』というシチュエーションがないんですね。その点をごまかしたくなくて」

内田 「それと、ビールの泡には細かかった(笑)」

──視聴者の皆さんには、細部までご覧になっていただきましょう! さて、ムロさんから見て、内田監督の魅力はどのようなところにあると思いますか?

ムロ 「まず、現場の雰囲気がギスギスしない、というところですね。あんまり怒鳴っている人がいる現場も嫌なので、それがない、というのが特徴です。それは福田雄一監督も一緒なんです。『そんなに緊張感いらないでしょ』という考え方ですね。なので、現場はいい空気でした。かといって、なぁなぁなわけではなかったですし。あとは、監督とカメラマンさんがすごくいい関係で。お互い、いい分担ができているんだなと。この作品はスタッフさんとも作っていった感じがしましたね」

──スタッフさんとも良好な関係が築けていたんですね!

ムロ 「小声でぼそっと言ったところも、たくさん使ってくれていましたもんね」

内田 「カットがかかる間際に言った言葉はこちらも面白いんです。アドリブとはまた違うんですよね。そういうのは、自然に出ている動きや言葉でしょうから。ムロさんはそのような点でも“本物”というか。…こういう時じゃないと恥ずかしくて言えないんですけど(笑)。なので、ムロさんとは海外の映画祭に行きたい! そういう力のある役者さんだと思いました」

ムロ 「一つの新しい目標ができました。内田さんと海外へ行く!」

──今後のお二人のご活躍を楽しみにしています! ありがとうございました。


【番組情報】 

ドラマ24「Iターン」 
7月12日スタート 
テレビ東京ほか 
金曜 深夜0:12~0:52 
※地域によって放送日時が異なります。

テレビ東京担当 前里有沙
撮影/尾崎篤志





 
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