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コラム

杉咲花「いだてん」シマ役を好演中。「トクヨ先生とのシーンが面白くて印象に残っています」

 6月2日放送の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合ほか)で、女子スポーツの育成に目覚めたもじゃもじゃ頭の金栗四三(中村勘九郎)。嘉納治五郎(役所広司)の計らいで東京府立第二高等女学校の教員となった四三ですが、欧米人女性と日本人女性の身体の違いを図で説明して、生徒たちをドン引きさせていました。今回はそんな四三に対して思わず説教をしてしまったシマを演じる杉咲花さんにお話を伺いました。

──まず初めに、「いだてん」でシマを演じることになった時の感想からお願いします。

「連続テレビ小説『あまちゃん』がすごく好きだったので、宮藤官九郎さんの脚本で『あまちゃん』のチームが大河ドラマをやるというニュースを見た時に、『出たい!』と思いました。出演が決まった時は、本当に自分が『いだてん』に出られるんだ!と、とても楽しみですごくうれしかったです」

──実際に宮藤さんの脚本をご覧になって面白いなと感じる部分や、演じてみて刺激があるところはありますか?

「台本を読んで声に出して笑ってしまうところです。面白いし楽しい脚本だからこそ、自分がこの面白さをもっと伝えなきゃいけないことに対して、初めて怖いと思いました。台本が来るのをみんなが心待ちにしていて、それを形にするのを楽しみにしていることをこんなに感じる現場もなかなかないかと思います」

──台本を読んで笑ったとのことですが、思わず笑っちゃったところはどこですか?

「スウェーデン語でバッテンが水という意味だったというところです。こんな奇跡があるのかと(笑)。すごいミラクルが起こるんですよ。なんでこんなに面白いことが起こってしまうのだろうと思うくらい衝撃でした」

──最初、三島家の女中だったシマは、スポーツに魅せられて女学校に入り、教師となります。その中で走るシーンも多くありますが、実際に走ってみていかがでしたか?

「ものすごく難しくて筋肉痛になりました。四三さんの走りを見た時に、手を体の後ろから前に出さない独特の走り方で、私もびっくりしました。昔の方々はそれが普通でそれ以外の走り方が分からないみたいなんです。また、『スッスッ、ハッハッ』という四三さんの呼吸法をまねているのですが、それも慣れていないからこそとても難しかったです」

──女性がスポーツをすることがはばかられる時代に、スポーツをやりたいと突き進んでいくシマの原動力はどういうところにあったのでしょう?

「シマ自身、一人で生きていける力強さがある人で、自分の好きな物とか信じているものが絶対にブレないところと、周りに(生田斗真演じる三島)弥彦さんみたいな人がいることが大きいと思います」

──女性スポーツの地位が低かった当時から見ると、現在はさまざまな女性アスリートが活躍されています。その状況についてはどう思いますか?

「女性アスリートの皆さんが活躍されていることについては、“『いだてん』をやっているからこそ感動ですよね”と勘九郎さんと話をしました。シマを演じさせてもらった身としては、女性アスリートの活躍はシマが願っていたことなので、とても感慨深いなと思いました」

──一方、シマを取り巻く男性には四三、シマが女中として仕えた三島家の次男の弥彦、お見合い相手の増野(柄本佑)がいますが、それぞれどんな存在だと思いますか?

「シマにとって、弥彦さんと四三さんの影響は大きいです。弥彦さんがとてもエネルギッシュに過ごしているのを一番近くで見ていて、そこに対する憧れがずっとありました。シマはスポーツに興味があるのですが、女子のスポーツが認められていない時代だから、その思いを諦めなければいけないのかなと思っていました。スポーツに対する思いを開花させてくれる存在がその2人です。増野さんは、スポーツと家庭の両立に対して、寛容に受け入れてくれる方です。真面目なシマはどちらも手に入れることは無理だと思っていましたが、増野さんとの出会いで二つの夢を手にすることができたので、とてもかけがえのない存在だと思います」

──それぞれ魅力的な3人ですよね。弥彦役の生田さんや四三役の勘九郎さんとは、共演していかがでしたか?

「意外と生田さんとの共演シーンはあまりなくて、実は数回しかお会いしていないんです。最初の方は緊張していたのもあって、全然お話ができませんでした。でも一度、撮影に時間がかかって、終わった後に握手をしました。『これを乗り越えられてよかったね』という気持ちの込められた握手だったと思います。言葉以上に通じ合えたものがあって、それはすごくうれしかったです。勘九郎さんは初めてご一緒させてもらった時に、その時に放送していた私の連ドラを見てくださっていて、話しかけてくださいました。大河ドラマの撮影で忙しいはずなのに、本当に優しい方で歩み寄ってきてくださっているのを感じました」

──ドラマを見ていて、シマは弥彦と結婚するのかなと思っていたのですが、増野という新しい考え方の人と出会います。その台本を読んだ時にどう思われましたか?

「増野さんとシマが結婚するというよりも、二階堂トクヨ先生(寺島しのぶ)の代わりにお見合いに行って出会ってしまったことの方が、インパクトが大きかったです(笑)」

──確かにそうですよね(笑)。その寺島さんが演じているトクヨさんの印象はいかがでしょう?

「シマ以上にパワフルな人なので、撮影がすごく楽しみでした。現場に行ったら想像以上の迫力があって、圧倒されてしまいました。自分も負けないというとちょっと違うのかもしれないですけど、必死でした。今後、トクヨさんのコミカルなシーンがあるんですけど、トクヨさんの動きが早すぎて“あるもの”が吹っ飛んだんですよ。それが面白くて一番印象に残っています。“あるもの”は遠くに飛んでいきました(笑)」

──“あるもの”が飛ぶとは一体…。そういう意味でもトクヨさんには注目ですね(笑)。話を戻しまして、「仕事も、走るのも続けてください」という増野のような考え方の男性についてどう思いますか?

「すてきだと思います。すごくキャパが広いというか。当時の常識にとらわれていない人はあんまりいなかったと思いますし、自分自身に余裕があるからこそ、いろんなものを受け入れられるのだろうなと感じます。柄本さんが演じられているというのもあるのですが、自分がこうなりたいとかこれが好きというものがはっきりしているからこそとても魅力的で、すごくすてきでかっこいい男性だなと思います」

──増野とシマの今後にも注目したいところです。さて、改めて四三についてお伺いします。第21回(6月2日放送)では、同じ教師として四三と肩を並べるシマですが、四三とのシーンで印象的なものはありますか?

「シマが妊娠したことを報告するシーンは感動的でした。自分以上に喜んでくれる人がいることがうれしかったですし、本番が始まると本当に四三さんに見えるんです。勘九郎さんがなりきっているのが分かるからこそ、四三さんと一緒にいると、自分自身もうそがつけなくなるというか、ちゃんとシマとしてその場にいるだろうかと自分のことを疑ってしまうくらい、四三さんそのものです。いつも、四三さんが何かしゃべるだけで泣きそうになってしまいます」

──同じく第21回の写真館で結婚の記念写真を撮る場面もとてもすてきなシーンでした。こちらはどんな様子で撮影されたのでしょう?

「(四三夫婦と)4人での撮影だったのですが、みんなが笑っていて、カメラマンさんに『明日へ向かってという表情をしてください』と声をかけられて、本当に希望しかなくて、未来のことを一番思った瞬間で、とても幸せなシーンでした」

──第22回(6月9日放送)で、シマは人見絹枝(菅原小春)に出会いますが、それはシマにどんな影響をもたらしたと思いますか?

「それまでは自分がスポーツをやりたいという思いが強かったのですが、シマは妊娠したことに対して悩みを抱えていました。そんな時に出会ったからこそ、衝撃を受けたのではないかと思います。きっと初めて見た時にビビッと来るものがあったのだろうなと思いました」

──絹枝を演じる菅原さんの印象はいかがでしたか?

「菅原さんが踊っている姿を自分で調べて前もって拝見していたので、共演できることにビックリしました。楽しみにしていたのですが、4時間ぐらいしかご一緒できなくて『よろしくお願いします』と『お疲れさまでした』しか話せませんでした。でも、撮影の合間に踊っていらっしゃるのを見ることができて、感激しました」

──最後に今後の見どころを教えてください。

「これからシマだけではなく、いろんな登場人物が言いたいことややりたいことをどんどん口にして、バイタリティーがあふれる回になっていくので、見ていてパワーをもらえると思っています。日曜日の夜に『楽しいな』『明日も頑張ろう』と思ってもらえる作品になっていますし、自分がその作品に関われていることがすごく幸せなので、多くの方に見ていただきたいです」

──ありがとうございました! 一人の女性として、シマが今後どうなっていくのか見守りたいと思います。

 6月9日の放送では、村田富江(黒島結菜)らが全国的なスポーツアイドルとして台頭してきます。彼女たちの前に立ちはだかるのが、日本人女性とは思えない立派な体格の絹枝。一方、真打昇進を果たしても相変わらず荒んだ生活を送る美濃部孝蔵(森山未來)には見合い話が舞い込みます。「ヴィーナスの誕生」というサブタイトルが示すように、魅力的な女性が次々に登場するので、そちらもお楽しみに。


【番組情報】 

大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」 
NHK総合ほか 日曜 午後8:00~8:45
NHK BS4Kほか 日曜 午前9:00~9:45
NHK BSプレミアム 日曜 午後6:00~6:45

NHK担当 K・H





 
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