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コラム

「トクサツガガガ」最終回! ついに特撮オタクのヒロインが“悪役” お母ちゃんと直接対決!?

 一見女子力高めのOL・仲村叶(小芝風花)が、特撮オタクであることが周りにバレないよう日々奔走する姿を描くヒューマン・コメディードラマ「トクサツガガガ」(NHK総合)。特撮好きの方からは、叶の部屋のレイアウトが自分と似ていてリアルであることや、劇中に登場する架空番組のヒーロー“エマージェイソン”のフィギュアの忠実さに驚く声も上がっていました。劇中に登場するヒーローは本物のスーツアクターの方が演じられており、さまざまなところで制作チームの熱が伝わります! さらに、ネットでバズった(話題になった)NHKの番組をもう一度見てみようという、ちょっと変わった番組「NET BUZZ」(NHK総合)内でも放送されSNSなどでの盛り上がりもうかがえましたね!! そんな今作も、ついに3月1日に最終回を迎えます。そこで、これまでの振り返りと、見どころを少しだけご紹介していきます。

 物語が始まった当初は特撮オタク仲間がおらず、少し心細い思いを抱いていた叶。日々数々の“オタバレ”(特撮オタクであることが周囲の人にバレること)の危機に見舞われながらも、少しずつ仲間を増やし、2月22日に放送された第6話では、以前苦手意識を持っていた会社の同僚・北代優子(木南晴夏)と特撮好きの小学3年生・ダミアンこと田宮拓(寺田心)と一緒に映画を見に行くまでの仲に進展しました。3人が訪れた映画館では、同じく特撮オタク仲間の吉田久美(倉科カナ)が男の人といるところに遭遇。叶たちは声を掛けますが、彼女は挙動不審で逃げるようにその場を去ってしまいます。オタクと恋愛は相容れないと思っていた叶はショックを受け、せっかく特撮オタク仲間としての絆を深めた吉田さんとの関係が少しぎこちなくなってしまいました。

 さらに同話ではお母ちゃんの志(松下由樹)との親子関係も悪化。叶は1人暮らしをしている部屋に特撮のポスターを貼ったり、棚にフィギュアを飾っていたりしたため、特撮嫌いの母を部屋に入れることをずっとかたくなに拒んでいました。しかし、兄の望(渡部豪太)から、突然お母ちゃんが叶の部屋を訪れようとしているという報告を受け、大パニック! 特撮オタクでいる叶の味方をしてくれる兄ちゃんの手助けもあり、どうにか家に入れることを回避する流れにしたのですが、お母ちゃんは以前半強制的に作った合鍵を使って部屋に入っていたことが判明します! もちろん叶が特撮グッズを集めていることもバレてしまいました…。勝手に部屋に入られたら怒ってしまいそうなものですが、叶はぐっとそれを我慢。自分の好きなものも理解してもらうために、一生懸命自分の気持ちを話し始めます。これは叶が吉田さんや北代さんたちと出会う前にはできなかったことです。今作を通して同じ仲間を持ち、大きく成長した部分でしょう。

 ところが、お母ちゃんはそんな叶をいきなりビンタ! さらに叶の仲間の悪口を言い始め、しまいには「こんな物大事にして何になるの?」と言いながら、叶が大好きな特撮ヒーロー・シシレオーのフィギュアの腕をへし折ってしまいます! これには記者も「うわ~、お母ちゃん、やっちゃったよ…。それはダメだよ~」と顔をゆがめました…(笑)。友人の悪口だけでなく、大切にしていたフィギュアまで壊され、叶はついにブチ切れ。今度は叶が母をビンタし返します。 これはさすがにまさかの展開! 母親をビンタするってなかなかないと思うので、叶の本気の怒りが伝わりました。さらに叶は「もう家族じゃない!」と言い放ち険悪な状況に…。誰だって好きなものを否定されたら傷つきますよね。特に一番近くにいる家族に否定されるつらさは、自分のそれまでの経験や思い出を丸ごと否定される気持ちでしょう。記者も自分の経験と重ねて悲しくなってしまいました。今回の事件で、お母ちゃんに感情をあらわにした叶。母と娘の関係の行く末も必見です。

 最終回では、気まずくなってしまった吉田さんとの関係や、叶とお母ちゃんのその後の関係を描きます。大げんかの後、母との関係に悩む叶ですが、そんな時にダミアンから、ある相談を受けます。しかし叶はダミアンのお願いを快諾することができず、彼から「嘘つき!」と言われてしまいます…。何だか急にいたるところで人間関係がややこしくなってきてしまいますね…。そんなある日、落ち込んでいる叶に兄ちゃんが古いエマージェイソンのビデオを渡します。それを見て叶は幼少期からどんなに特撮が好きだったかを思い出すことに。さらに叶と吉田さんの関係を心配した北代さんは、2人が直接話せる機会を作ります。さて2人は気まずさを切り抜けることができるのでしょうか。そして叶にとって最強の悪役・お母ちゃんとの対決の行方はどうなるのでしょうか!?

 今作は「自分をうまく出せない」と悩む人々、特に若い世代の共感を呼ぶドラマになっていますが、若い世代の人との距離感が分からないと悩んでいる人にとっても、ヒントになる作品なのではないかと思います。ドラマを制作する吉永証さんは、漫画原作者・丹羽庭さんの「人はすべて分かり合えるものではない。好きになれるところまで、その人と距離をとる(近づかない)」という言葉に目からウロコが落ちたそうです。さらに吉永さんは「今作でも叶をはじめ、吉田さん北代さんはお互いを知ることで距離が近づきます。しかし、決してベタベタした関係にはなりません。相手のことを根堀り葉掘り聞いたり、相手を変えようと行動したり、相手の価値観に踏み込んだりしない。今の若い人はそんな考えで生きているのかもしれないと思いました」とコメントしています。SNSの発展で、人とつながりやすく近く感じられる、便利な世の中ではありますが、だからこそ「どこまで距離をとるか」が大切な時代であるとSNS世代の若い人々は自然と察しているのかもしれません。「好きなもの」に対する気持ちから、自分自身との向き合い方、そして家族、友人、同僚など、他者との向き合い方を見つめ直すことができるドラマだと感じました。

 皆さんにも「普通の日常を楽しい1日にする、そして嫌な物と向き合う力をくれる物」があるのではないでしょうか? 記者自身も、つい最近大好きなアーティストのアルバムが発売され、事前に購入した曲解説付の雑誌をめくりながら発売日当日に全曲聴く時間を過ごしました(笑)。そんな時間は幸せだなと感じますし、好きな音楽があるからこそ、いつもの通勤路が輝いて見えたり、日々に彩りを感じたりするのだと、「トクサツガガガ」を見ていたから気付くことができました。ただ面白いだけでなく、人間関係においても大切なことを今一度考えさせてくれる今期イチオシの作品です。さぁ、いよいよ最終回、奮闘する叶の姿を最後まで見届けましょう!

NHK担当 A・M

【番組情報】 

「トクサツガガガ」(最終回) 
NHK総合 
金曜 午後10:00~10:45

 
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