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コラム

「このシーンだけで、ごはん3杯は食べられる」西郷吉之助の弟・吉二郎を演じた渡部豪太が大絶賛。「西郷どん」名場面とは?

 10月7日放送のNHK大河ドラマ「西郷どん」では、西郷吉之助(鈴木亮平)が勝海舟(遠藤憲一)との会談で、江戸無血開城を決断。いよいよ時代は幕末から明治へ変わろうとしています。そんな中、東京・浅草で西郷吉之助(隆盛)の弟・吉二郎を演じた渡部豪太さんのトークイベントが行われました。トークイベント開始前には、会場近くに鎮座する勝海舟の銅像と同じポーズでパチリ。史実では会うことがなかった勝海舟と西郷吉二郎の豪華共演が思わぬ形で実現しました(笑)。

 イベントには、「西郷どん」で芸能指導を務める友吉鶴心さんも出席。芸能指導とは、日本の伝統文化や芸能をドラマの中にリアルに落とし込み、俳優さんたちに指導するお仕事です。友吉さんは、吉之助が篤姫のお輿入れのために各藩の家臣を接待するシーンの裏話を披露。踊って騒ぐシーンなのですが、鈴木亮平さんから「何か言ってもいいですか?」と言われたため、現場で話し合い、その場で鹿児島をPRするアドリブを入れ込んだそう。さらには、場面ごとに太鼓のバチまで使い分けるという細かいこだわりなどがあることも語っていらっしゃいました。見えないところにも実に多くの工夫が凝らされて大河ドラマが作られているんだなと実感できるお話でした。

 一方、渡部さんは「吉二郎はあまり史実には残っていないけれども優しい弟でいてください」と監督に言われ、「優しいってなんだろう」と考えながら演じたことを告白。また、第8回で吉之助に「お前のことを兄と思う、頼むぞ」と家のことを託された場面については、「あれは実際に吉之助さんが吉二郎さんにおっしゃった言葉。それがドラマのせりふとしてあるのが粋」と感慨深げに話されていました。

 さらに印象深いシーンを三つ挙げた渡部さん。一つ目は、第2回の吉之助が村の娘を助けるために城からもらった手当を使ってしまい、家族から逃がれようとするシーン。昨年の夏頃に撮影した初めての家族でのシーンですごい思い入れがあったそう。「このシーンをちゃんと組み立てることができれば西郷家の礎にもなる」と思ってみんなでどうしようかと考えながら撮影に挑んだそうです。また、撮影の合間には熊吉(塚地武雅)や琴姉さん(桜庭ななみ)が子どもたちと相撲を取ったりしていたことも楽しそうに振り返られていました。

 二つ目は、第4回の島津斉彬(渡辺謙)が怒りとも悲しみともつかない涙を流しながら、島津斉興(鹿賀丈史)と相対する場面。鉄砲でロシアンルーレットをするシーンですよね。渡部さんは放送で見た時に驚がくしたと言い、「このシーンだけで、ごはん3杯食べられます!」と大絶賛。「いろんな感情が見えて、せりふの裏側にある言葉がひしひしと伝わってきて鬼気迫るシーン。何百回、何千回見たい」と語り、それを習得したいとひそかな野望も明かされていました。

 最後は第36回をピックアップ。西郷信吾(錦戸亮)が生死の境をさまよっている時に、吉之助が京に外国人医師を招き入れたいと天子様に懇願するシーン。新政府軍として長としてその場を収め、進めなくてはいけないと思いながらも傷ついた兵士のために治せるのならば、外国人だとしても医者を呼んでくれという気持ちの一番根底に、俺の弟を助けてくれという気持ちが見てとれてすてきなシーンだなと思ったそうです。短いシーンだけど、伝わるものがあったとしみじみ語っていらっしゃいました。

 どのシーンについても熱くお話しされていた渡部さん。一つ一つ非常に細かく丁寧に語られていたのがとても印象的で「西郷どん」に対する深い愛情が伝わってきました。

 さて、10月14日に放送される第38回は、そんな吉二郎がクローズアップされる回です。上野の彰義隊は1日で討伐されたものの、会津や東北各地の諸藩が新政府軍に抵抗。次々と援軍を送り込んでいる吉之助を見た弟・吉二郎が自分も戦に行きたいと吉之助に申し出るのです。兄や弟らが日本中を行き来している姿を見ながら、これまで西郷家を守ってきた吉二郎の奥底にあった思いとは。心優しき吉二郎の思いに触れた時、涙せずにはいられません。

 ちなみに今回、吉二郎が身に着けている黒い衣装は、「西郷どん」全編を通して3着目の衣装だったそう。つつましい生活をしていた吉二郎らしさがこんなところにも表れています。


NHK担当 K・H

【番組情報】
大河ドラマ「西郷どん」
NHK総合ほか 
日曜 午後8:00~8:45
 
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