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コラム

「チア☆ダン」最終回とともに終わる平成最後の夏 土屋太鳳「みんな一緒だから、これからも」

 私は夏が嫌いでした。何をするのも億劫で、食欲も落ち、花火大会など夏のイベントも人混みが嫌という理由であまり乗り気にならず、日に日に更新していく最高気温を伝える天気予報を見るたびに「早く秋が来てくれないかな」と夏の終わりを待ち望んで過ごしていました。

 しかし秋らしい風を感じる今になって思い返すと、2018年の夏はいつもと違った夏だったなと思います。「平成最後の夏」というワードがやたらと飛び交い、何かが「終わること」に対してセンチメンタルな感情をかき立てられていたからかもしれないのですが、それでも今年は「夏が終わってほしくない」と思う場面が多かった。

 その理由の一つは、ドラマ「チア☆ダン」(TBS系)との出合いがあったからです。土屋太鳳さん演じる主人公の藤谷わかばが部員ゼロからチアダンス部を立ち上げ、一つ一つ夢をつかんでいく一生懸命な姿を毎週見ることで、キラキラした気持ちに触れることができた。友達や両親に気持ちをぶつけることや、居ても立ってもいられずに衝動的に駆け出すこと、大事なもののためにムキになること。そんな当時は当たり前だったことがもうできなくなっていることに気付き、わかばたちが追いかけているものがうらやましくなることもありました。

 9月14日放送の最終回で、ついに全国大会に足を踏み入れるチアダンス部「ROCKETS」のメンバー達。実際に1月から練習をスタートさせ、ドラマを超えた部分でも絆を深めた20人は、台本にある“大会の空気に飲み込まれないように、こっちから飲み込んでやろうとめいっぱい空気を吸い込む”というシーンの緊張感もリアル。全国大会の舞台を目にして「こんな舞台で踊れるなんて…」とドキドキする土屋さんや、本番前の円陣から涙ぐむ石井杏奈さん、「本番の時間が来ないでほしい」と明かす山本舞香さんの役を超えた表情を見せられると、土屋さんの「(この20人は)奇跡的に集まったメンバー」という言葉が大げさなものではなく、心から言葉としてあふれ出たものなのだなということが伝わってきます。

 わかばたちと、共に駆け抜けてきた今年の夏。最終回が終わってしまうともうチアダンス部のみんなには会えなくなるけれど、彼女たちからもらったキラキラがあったから、いつもより夏を好きになれた。ありがとう、ROCKETS! 全国大会のシーンの撮影直前、土屋さんが「みんな一緒だから、これからも」と涙ぐんでいた姿は、わかばとしてなのか、それとも土屋さんとしてなのか――答えは分かり切っているけれど、観客席で応援する1人になった気持ちで、最終回を見届けようと思います。

TBS担当 宮下毬菜

【番組情報】

「チア☆ダン」(最終回) 
TBS系 
金曜 午後10:00~10:54

 
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