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コラム

ユースケ・サンタマリア主演「火の粉」に秘められた“甘い狂気”! 
絶品の手作りバウムクーヘンが物語の鍵に!? 

 筆者は甘いものが好きな30代独身、いまだ彼女なし…。何だか絶望感が漂い過ぎる始まりにして後悔していますが、いつか大切な人から手作りスイーツをもらうのが、ささやかな今の夢です。というのはどうでもいいとして、もしそのお手製スイーツに狂気めいた思いが込められていたら…あなたはどうしますか? ドラマ「火の粉」(フジテレビ系)では、“手作りバウムクーヘン”が重要な鍵となっています。

 皆さんはバウムクーヘンを作ったことがあるでしょうか? 生地を年輪のように重ね合わせた、中心に穴が開いている円形が印象的ですが、実はこの形にするのはかなり大変! 長い芯のようなものに生地をかけ、回しながら開放型のオーブンでじっくり焼き上げます。そして焼けてきたら、さらに生地をかけて回す…という作業を繰り返していくのです。お店の商品はもちろん美しい年輪を刻んでいますが、一般家庭で作るとなると奇麗な形にするのは非常に困難です。同じ作業を何度もやり続ける根気も必要になります。かなりハードルの高いお菓子作りといえるのですが、このドラマの主人公・武内真伍(ユースケ・サンタマリア)は「人の喜ぶ顔が見たい」という異常なまでの親切心から、何の苦にも感じずにそれを作ってしまうのです。

 武内は、3年前に起きた的場一家殺害事件の元被疑者。彼に無罪判決を下した元裁判官・梶間勲(伊武雅刀)の隣家に武内が引っ越してきたことから、梶間家の周辺では奇妙な事件が起きるようになります。穏やかな性格で、とことん他人に尽くすタイプの男性ですが、背負っている過去からか少し不気味な雰囲気も。その中で武内の趣味であるバウムクーヘン作りは、ストーリー上でも象徴的な役割を果たしています。

 第1話では、引っ越しのあいさつで武内が梶間家にプレゼント。嫁の雪見(優香)以外の家族の面々が武内と接していく中で、理解を示すかのようにバウムクーヘンを食べていくという演出が印象的でした。第2話においては、武内と雪見の夫・俊郎(大倉孝二)が一緒に作るという場面も。武内が梶間家の人々に徐々に信頼を得ていく一方、第3話では雪見が彼への疑いを問うシーンにおいて、バウムクーヘンに火入れをする武内が挿入されて、インパクトを放っていました。第4話の「おいしくな~れ」と言いながら焼く武内の様子にも一種の怖さを伴っており、ドラマ全体の不穏な空気を色濃くしています。“火の粉”が上がる中で、ハードな作業を無表情でこなす武内…。バウムクーヘンがこれからの物語にどう関わるのかが、武内の心情を読み取るヒントになるかもしれません。

 気になる4月30日放送の第5話では、3年前の的場一家殺害事件の遺族・池本亨(佐藤隆太)が失踪。池本の妻・杏子(酒井若菜)は、夫は武内に殺されたと主張します。彼女は武内の家の中に遺体があると訴え、武内がスーツケースを家に運び入れるのを目撃していた勲は、その発言に言葉を失います。一方、梶間家に戻った雪見は、だんだんと以前の生活を取り戻していきます。武内に心酔している俊郎は、勲が彼に無罪判決を下した理由を推論。俊郎の見立てに武内は笑顔を見せますが、目は笑っておらず…。そして、「今日は記念日です」と言って梶間家を訪れる武内。その日は2年前、勲が無罪を言い渡した日。武内の真意は果たしてどこにあるのか? 甘いバウムクーヘンに隠された狂気と、スリリングな展開は見逃せません。

フジテレビ担当 K・K

【番組情報】

「火の粉」
フジテレビ系 土曜午後11:40~深夜0:35

 
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