Cheer up! アスリート2020

連載

池田大亮選手(スケートボード)

若い力で世界にジャンプ

東京五輪のメダル候補競技と期待されるスケートボード。18歳の青年は、練習施設などに恵まれない日本でワザを磨き喜びを得てきた。楽しかった遊びから世界の頂点へ、あどけない笑顔が栄光の歓喜へと変わる日は近い!

 スケートボードのプロになるきっかけとなったスノーボードを始めたのは、なんと2歳のころ。歩くのもやっとの時期だ。

「スノーボードを始めたころの記憶は全くないですね(笑)。覚えているのは、スケートボードに乗っていて楽しい、ということだけです。“足に吸いついているみたい”とよく言われます(笑)。それでも最初は自分も、うまく乗れなくて支えられながら、でした。今の自分にとってスケートボードは『人生』と言えると思います。ずっとスケボーを持って移動していますから」

 五輪種目になってからメディアに取り上げられたり、取材されることも多くなった。

「取材などにも最近は少し慣れてきました。大会で表彰される時に写真を撮られるんですが、その時もみんなから笑顔がいいね、と言われるんです(笑)」

 若い日本人選手がメダル候補ともてはやされるが、国内の競技環境は厳しいのが現状だ。

「新聞で見たら日本にスケートパークは100カ所ぐらいしかない。これじゃ少ないと思いましたね。僕も始めたころはパークなどはなかったので、親や友達が作ったセクションで遊んでいたという感じでした。最近よく街でスケボーを漕いでいたら警察官に注意されたというニュースを見ます。もちろん人に迷惑をかけるのはいけないことですが、パークがもっとあれば、そんなことも起こらなくなるのではないかと思います」

 そんな数少ないパークで池田はトリック(技)を磨き、スケボーの面白さを感じるように。

「新しいトリックに挑戦してできた時のうれしさとか、パークに行けば学校とは違う友達がいて、競って新しいトリックができたり、見せつけたりする。そうやってレベルアップするところが楽しいです。そうやって技を極めてきたから、ここまで続けてこられたのかな、と」

 とはいえ、プロともなれば遊び感覚ではいられない。トリックは勝つための武器でもある。

「今は出し尽くされたかなと思えるほど、数多くのトリックがあるんです。なので、僕はもっと上のプロの選手の映像を見て、どのトリックなら点数が稼げるかを判断してチャレンジしたりしています。あとはかっこいいな、と思ったら練習をしてより完成度を高くして身につけていく、という感じですね」

 一見、派手さが先行するスケートボードだが、地道な努力に裏打ちされている。

「自分の持ち味はトリックのメイク率(成功率)の高さ。新しいトリックへの挑戦もいいんですが、自分が今できるトリックをどんどん練習して確実にメイクしたいです。大会で緊張しすぎると体が動かなくなってメイクできないことも、みんなよくあるんです。何回も繰り返し練習してトリックを体に染み込ませることが大切だと思います」

 正式種目になることを知って「すごくびっくりしました」という東京五輪まであと2年だ。

「この世界で20歳はちょうど脂が乗っている時期。そこで五輪を迎えられるのはありがたいです」

 しかし、いざ出場やメダルについて聞いてみると「焦っています」という少し意外な言葉が返ってきた。

「日本の代表として出場できる枠は限られているので、今はもっと海外の大会で優勝して目立たないと難しいかな、と。国内選考をどう突破するか、すごく焦っています」

 そのためにもさらに高レベルのストリートリーグに参戦して好成績を収め、年間王者を決定するスーパークラウンに出場する、という目標を抱えている。

「明日からアメリカに行って『TAMPA AM』という大会に出るんですが、ここで優勝するとストリートリーグに出られる資格が取れる。今の自分の中では大きな大会です」

 インタビューに応じながらも、実は大会に備え「あー練習したーい、という感じ(笑)」と本音を漏らす。

「でも、今の自分の実力を出せれば、たぶん優勝できると思っています。大会が楽しみです」

 事実、その「TAMPA AM 2018」で池田は優勝。念願のストリートリーグへの出場資格を手に入れた。

「自分としては取り組んでいるすごいトリックが大会でクリーンに出せるように練習をしています。それができれば、どの大会でも優勝、もしくはいい順位にいけると思っています。もし東京五輪に出られたら、自分の滑りでたくさんの観客を沸かせて金メダルを取りたいです」

 来年のストリートリーグで確実に成長するはず。生まれながらのスケートボーダーの未来は明るいようだ。


【TVガイドからQuestion】

Q1 テレビで見た思い出のスポーツ名場面を教えて!

男子スノーボードハーフパイプのショーン・ホワイト選手(米)が好きなんですが、その彼が’10年のバンクーバー五輪で「ダブルマックツイスト1260」という技を決めて金メダルを獲得した時はすごくびっくりしました。

Q2 “2020”にちなんで20歳になる前にやりたいことを教えて!

10代のうちには海外で暮らしていたいです。アメリカのロサンゼルスですね。あそこはスケートパークがいっぱいあって、有名な選手も住んでいるので、スケートパークで彼らと仲良くなって一緒に滑ったりしたいと思っています。

Q3 応援歌を教えて!

アメリカのラッパー、XXXテンタシオンの「Hope」という曲です。試合の前や朝起きた時に聴いています。ジムでトレーニングしている時にもよく聴きますね。そういう意味では僕にとっての応援歌といえると思います。

スケートボードとは?
スケートボードでトリック(ジャンプ、空中動作、回転などの技)を行い、その技の難易度の高さやスピードなどを評価する採点競技。新たに競技として採用する’20年の東京五輪で行われる種目は男女の「ストリート」と「パーク」。「ストリート」は街にあるような階段や手すり、縁石やベンチ、壁や坂道などを模した直線的なセクション(構造物)を利用したトリックを競う。「パーク」は大きな皿や深いお椀をいくつも組み合わせたような窪地状のコースが舞台に。空中へ飛び出すエア・トリックなどが中心となる。
【プロフィール】
池田大亮(いけだ だいすけ)
’00年8月4日東京生まれ。獅子座。B型。

▶︎スノーボーダーだった父親の影響で「雪のない時期のトレーニングに」と4歳のころからスケートボードを始める。
▶︎プロ転向は小学校6年生のころ。’15年14歳以下の世界選手権で優勝。’16年「AJSA」グランドチャンピオンに。’17年には「第1回日本スケートボード選手権大会兼日本ローラースポーツ連盟強化指定選手候補選考会」優勝。東京五輪出場に大きく前進し注目を集める。
▶︎思い出深い大会は今年チェコで行われた「MYSTIC SK8 CUP2018」。「ヨーロッパでは一番大きな大会で優勝できたのは自分にとってデカイなと」。11月にアメリカで行われた世界最高峰アマチュアコンテスト「TAMPA AM 2018」では日本人として初優勝。念願のスケートボード世界最高峰ストリートリーグ(SLS)に挑戦する権利を手に入れた。
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント!

応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募締切:2018年12月12日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」12/14号(P114)をご覧ください。
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取材・文/田村友二 撮影/奥山智明

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