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TVガイドPERSON VOL.26「CREATOR’S VIEW」
脚本家マギーが語る「地獄先生ぬ~べ~」ドラマ化の真相

「ぬ~べ~」はただ、妖怪が出てきて、やっつけて痛快だったっていう、それだけのドラマではない

 関ジャニ∞の丸山隆平が主演することで、大きな注目を集めているドラマ「地獄先生ぬ~べ~」。その脚本を担当しているのは、かつてコント集団「ジョビジョバ」のリーダーとして活動、脚本家として映画「NIN×NIN 忍者ハットリくん」(’04年)やドラマ「ブスの瞳に恋してる」(’06年/フジテレビ系)、ドラマ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(’09年/TBS系)、バラエティー「いきつけ」(’12年~/BSフジ)、ドラマ「リアル脱出ゲームTV」(’13年/TBS)などを手掛けたマギーだ。自身も役者として活動している彼は、作品にどう向き合い、そこにどんなメッセージを込めたのか――。「TVガイドPERSON VOL.26」の取材に応じた彼に聞いた。

――「地獄先生ぬ~べ~」は、かつて「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)に連載され、大人気を博したコミックが原作だ。そうした作品の脚本を書くにあたって、彼が最初に大事にしたのは、どんなポイントだったのだろうか。

「原作がある場合は、その原作の背骨というか、物語の真ん中に何があるのかを見つけることがポイントになります。『この作品の根っこって何だろう?』という部分ですよね。それは、作品のテーマともちょっと違って、出発点というのかな。例えば、『この作品には、何よりもとにかく楽しんでほしいっていう気持ちがあるな』とかね。僕が感じた『ぬ~べ~』の原作にある背骨は、いろんなことがやりたかったんだなってことです。怖がらせたいし、笑わせたい。エッチな要素も、いい話も、都市伝説的な面白さも、なんでもある。だから、ドラマでもとにかくいろんな要素を詰め込もうとしました。なので、きれいに話がまとまるんじゃなくて、なんかガチャガチャしてるなって思ってもらえる作品になると思います。ガチャガチャしてる作品には、まとまってない良さ、面白さがありますからね」

――「原作の背骨」を見つけ、それを大切にした上で、マギーは原作にない要素も盛り込んだと話す。それは、結果的にかもしれないが、ステレオタイプな学園ドラマへのさりげないアンチテーゼにもなっている印象だ。

「原作にはない要素も入れ込もうという話は、プロデューサーや監督と話していました。それは、学園ものなんだけど、答えがない作品にしたいという部分です。学園ものって、いじめは絶対にダメとか、友だちはいいものだとか、親は敬おうとか、明確な答えやメッセージがある作品が多いじゃないですか。でも、『ぬ~べ~』では、あえてそこははっきりさせないで、子供はもちろん、大人も考えさせられる内容にしたいなと。例えば、今ってありのままの自分でいることがいいとされているけど、本当にそうなのかとか。あるいは、信頼があると思うから失った時にジタバタするけど、そもそも目に見えない何かは信じちゃいけないんじゃないかとか。そういう普遍的なテーマ性を、エッセンスとして盛り込んでいこうと思っています。一般的に美徳とされているようなものをちょっと疑うみたいな要素を物語に取り入れると、ストーリー展開が膨らんだり、自分で書いてても面白いんですよ。だから『ぬ~べ~』は、ただ妖怪が出てきて、やっつけて痛快だったっていう、それだけのドラマではない面白さも詰め込みたいなと思っています」

――では、「ぬ~べ~」を始めとする数々の脚本は、具体的にはどんな手順に沿って書かれているのだろうか。

「まず、プロデューサー、監督と、ざっくりとどんな感じで何をしましょうかという打ち合わせをして、コンセンサスをとります。その段階では詳細は決めていないんですけど、みんなで話していく中で、アイデアが浮かんでくるし、ストーリーのアウトラインがぼんやりと完成してくるんです。その次に、僕は台本をコピーした裏にアイデアを書いていくんですよ。こんなセリフをこの人に言わせたいとかね。どうして台本の裏に書くかというと、このタイミングでノートに書いたり、パソコンに打ち込んだりするのは、緊張するからなんですよ。ちゃんとしたこと、いいことを書かなければいけない気持ちになるというか。でも、コピーの裏だったら、いい意味で適当なことを書いていい感覚になるんです。ちなみに、今話した作業は、ほとんどファミレスの『ガスト』に行ってやってます(笑)。自宅の近所のなんですけど、お仕事スイッチが入るんですよ。人がいることで、ある程度どこか監視されている状況に自分を追い込んで書いているという部分があるんでしょうね。でも、ファミレスだったらどこでもいいってわけじゃないんです。いい“気”が流れてるファミレスと、そうじゃないファミレスがあるんですよ。僕が行く『ガスト』は、いい“気”が流れてる。近所の某作家さんもそこの『ガスト』で書くことがあるみたいですよ」

――そうした手順を経て完成する脚本の中心には、やはり彼ならではの役者に対する思いが存在する。自身が書く脚本と役者との関係性を語る彼の言葉には、演じる者への愛情が確かににじみ出るのだ。

「ほかの脚本家の方と自分が違うのは、役者への愛情…かなぁ(笑)。自分も役者なので、自分が嫌なことは他の役者さんにもしたくないんです。だから、僕の脚本は、役者さんへのラブレターであり、挑戦状なんですよね。今回も愛情を注いで書きましたよっていうメッセージを伝えたいし、一方ではこんなセリフはどうですかっていう挑戦状でもありたい。もう一つは、誰がやっても成立するものではなく、その俳優さんが演じるから面白いっていうセリフを書きたいなって思うんですよ。『ぬ~べ~』の丸山くんだったら、カッコつけようとしてるんだけど、どうしてもカッコがつかないキャラクターが、彼が本来持っているナチュラルボーン二枚目半の部分に、はまったらいいなーとか。そういう、この人だからこそっていう部分を、なるべく探りたいなって思いが、脚本家としてはあります」


 丸山の主演や人気マンガの初実写ドラマ化、豪華キャストなど、話題に事欠かない「ぬ~べ~」。しかし、そのストーリー展開やセリフ、作品から浮かび上がるメッセージから、脚本家・マギーの才能の一端を窺い知るのも、秋の夜長の一興に違いない。


Interview=大久保和則
Photo=竹中圭樹(D-CORD)


マギー
1972年5月12日生まれ。兵庫県出身。牡牛座。AB型。
コントユニット「ジョビジョバ」での活動を経て、俳優や脚本家、演出家として幅広く活動。俳優としては近年、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(’13年)や「鼠、江戸を疾る」(’14年/NHK総合)などに出演。仲村トオル主演舞台「雨の降る日は天気が悪い」(12/1月~14日/東京・青山円形劇場)やミュージカル「モンティ・パイソンのSPAMALOT」(’15年2~3月公演)など出演舞台が控える。

番組情報

10/11(土)スタート
[地獄先生ぬ~べ~]
日本テレビ系●毎週(土)後9・00~9・54(初回は~10・09)


TVガイドPERSON VOL.26

「TVガイドPERSON VOL.26」は10月9日(木)発売。表紙は錦戸亮(関ジャニ∞)。ほか、瑛太、松田龍平、木村文乃、重岡大毅(ジャニーズWEST)、後藤輝基(フットボールアワー)、吉田明世(TBSアナウンサー)、竹内涼真、ムロツヨシ、向井理など。

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