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真野恵里菜は意外にも堅実派!? 野島伸司脚本「彼氏をローンで買いました」で見せるキラキラした魅力

「彼氏をローンで買いました」。そんな何とも衝撃的なタイトルのドラマが、3月9日からdTVとFOD(フジテレビオンデマンド)で配信される(全8話)。「ひとつ屋根の下」(フジテレビ系)や「高校教師」「未成年」(ともにTBS系)などドラマ史に残る数々の名作、ヒット作を生み出し、近年は動画配信サービスで「パパ活」(dTV×FOD)や「雨が降ると君は優しい」(Hulu)といった話題作を精力的に発表してきた野島伸司が、「現代女性のリアル」をテーマに脚本を手掛けた話題作。エリートの彼氏・白石俊平(淵上泰史)と結婚して専業主婦になるという夢をかなえようと猫をかぶっているため本音を言えない受付嬢の主人公が、そのストレスを発散をするべく月額3万9800円のローンで彼氏・ジュン(横浜流星)を“購入”したことから始まる、書き下ろしのラブストーリーだ。猫をかぶって男たちを手玉に取るも、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで毒をはく本性を持つ主人公の浮島多恵を演じるのは、映画、ドラマ、舞台と進境著しい真野恵里菜。堤幸彦や園子温ら名だたる監督のもとで女優として花開いた彼女に、ドラマの見どころを聞いた。

──「レンタル彼氏」をはじめ、ちまたでは「レンタル○○」が話題ですが、“ローンで彼氏を買う”という大胆な設定。最初に聞いて、どう思われましたか?

「最初は意味が分からなかったです。“彼氏をローンで…”って、頭ではなんとなく理解できるんですけど、一体どういうことだろうと。でも台本を読み進めるうちに、彼の前で猫をかぶっていて、彼の好みに寄せていくうちにストレスがたまった女性があることをきっかけに彼氏を買うことになって…という。ちょっと突飛な設定でありながら、実はすごく身近な物語だと分かり、さすがは野島さん!  すごいなと感心しました」

──野島さんとは、6年前に舞台「ウサニ」でもお仕事をされていて、舞台は「男はなぜ浮気するか?」、そして「純愛」がテーマでした。

「舞台は男性の目線もありましたが、今回のドラマは『現代女性のリアル』がテーマ。台本を読むと、女性目線で“そうそうそう!”、“分かる分かる!”と共感するせりふばかりで。私自身、ドラマの受付嬢仲間(真野、久松郁実、小野ゆり子)と同じように友達3人組でよくそういうゴールのない会話ばかりしているんですけど(笑)、“野島さん、どこかで私たちの話、聞いてました!?”って思ったくらい。赤裸々と言いますか、女性の本音が散りばめられていて驚きましたね」

──野島さんいわく、脚本を書くに当たり、離婚率が爆発的に上がった理由を自分なり探索されたとか。

「それを(スマートフォン用のアプリ)『どうぶつの森』で遊びながら考えたと(笑)。そう聞いて、本当に天才なんだと思いました。私もそのアプリはお仕事の癒やしでやっていて、台本にもそのアプリの話とか出てくるんですけど、あのゲームをやりながら生物学的にああだこうだ…とか、離婚率はどうで…とか、そういう発想は浮かばないです。また、先ほどのリアルという意味で言うと、結婚って現実的な問題ですし、ある年齢になるとみんな意識することじゃないですか? でも、多恵のように彼の前で無理して疲れたり、エリートとの結婚に失敗した受付嬢の先輩(長谷川京子)がいたり、楽しいことうまくいくことばかりじゃなくって。そこに“彼氏を買う”という非現実的な要素が入ってくることで、ちょっと重たい部分も軽くなるんですよね。そのポップさが、このドラマの面白さだと思いました」

──「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)では、専業主婦になったものの旦那さんの浮気を疑い…という役を演じました。

「『逃げ恥』では、主婦の家事のお値段であるとか、今後の人生において学ぶことが多々あって。今回もどんな役に立つ言葉や知らなかった価値観を与えてくれるのか楽しみにしています。ほかにも、離婚率を下げるには専業主婦の方がいいとか、プロポーズは男性から言わせなきゃいけないとか。結婚式を挙げる・挙げないは自由だけど、大勢の人の前で式を挙げることでちょっとやそっとのことじゃ離婚できなくなる、とか。思わずうなずく部分がたくさんあると思うので、ご覧になるみなさんも楽しみにお待ちいただきたいです」

──真野さんは、野島さんが手掛けた大ヒット作「101回目のプロポーズ」(フジテレビ系)が放送された1991年の生まれ。野島作品はご覧になっていたのですか?

「リアルタイムでは触れてこなかったので、『ウサニ』の時も“野島さんの作品に!?”と、母が一番、喜んでくれました。でも、今見返しても、面白い作品ばかりですし、今回のドラマもすごく“今”を切り取っていて。先ほどのせりふにしても、今なんだけど普遍的だと思 うので、何年か後にまた見たくなるドラマになってくれたらいいなと思います」

──園子温監督の映画「新宿スワン」(15年)や、直近ではゲスト出演された「相棒season16」(テレビ朝日系)など、どこか薄幸な役や飛びぬけた役が多く、多恵のようなごく普通の、等身大の女性を演じるのは久しぶりなんじゃないでしょうか。

「そうなんです。ですから今回、本当に楽しみで。会社の同僚といる時、本命彼氏の俊平といる時、ローン彼氏のジュンといる時。伝説の受付嬢と呼ばれた麗華さんといる時。多恵って、受付嬢という笑顔を絶やしてはいけない職業で、なおかつ猫をかぶっている分、一緒にいる人によって表情や態度が変わるんですね。そういう一人の人間の、いろんな一面が演じられるのはやり甲斐もありますし、これまでやってきたことが少しは生かせるんじゃないかと思っています」

──ご自身は、猫をかぶることはあります?

「猫をかぶるというか…特にハロプロ(ハロー!プロジェクト)の頃はアイドルという括りもあったからか、感情を押し隠すことが多かったんですね。でも、ずっと心のどこかで感情をあらわにしたいとか、一人の人間として、怒ったり泣いたりする自分を見てほしいとも思っていて。そういう意味でいろんな感情の人間を演じることができる女優のお仕事が楽しく感じられたんだと思います」

──ハロプロ卒業、そして女優として本格的に活動を開始してから5年。ご自身の変化をどう捉えていらっしゃいますか?

「女優のお仕事をするようになって、私自身の感情も豊かになった気がしますね。あと、ここ何年かで考え方もちょっと変わってきて。それこそハロプロを卒業した頃は、自分はこうだ。こうなりたい。こういう作品に出たいという思いが強すぎて、それはそれで若い勢いでうまくいけたと思うんですけど、そういうのをちょっと取り払ってみようと。やりたいこと、やれること。やらなければいけないこと。この三つを大事にしていこうと思ったんです。やりたことばかり主張するのは単なるわがままだなって。そのへんから先ほどおっしゃったような、それまでの私のイメージにはなかったような役もいただけるようになったと思います」

──26歳にして、そんな境地に!?

「(笑)、いえいえ! それに、“まだ”ではなく“もう(この4月で)”27歳なので。やりたいことをやるためには、今の自分がやれることの技量を磨いて、やならければいけないことをコツコツとやって。いつかやりたいこと、やりたいお芝居ができればいいなと」

──しかし、しっかりしていますね。

「堅実ではあるのかなと思います。このドラマのようにローンで何か買ったこともないですし、買おうと思ったこともないですし。欲しかった車も今の私では買えない。じゃあ、分割ではなく貯金して、一括で払えるようになるまで買うのは我慢しようと思い直したり。そういう頑ななところはありますね(笑)」

──多恵よりも専業主婦に向いているんじゃないですか? 家計簿とか付けそう(笑)。

「かもしれないです。単なるケチなんですかね?(笑)。すぐ考えちゃうんです。結婚して子どもができたらお金がかかるだろうし…とか。親も歳をとってくれば面倒を見ることもあるだろうし…ならばこれくらいお金を貯めておかなくちゃ、とか。かと言って、悩んでも今すぐに変わらないのであれば考えても仕方ない。ならば、その日1日を楽しんで、その1日を積み重ねていけばきっといいことがあるだろう、みたいな楽観的な面もあったりはするんですけど」

──野島さんは、そういう真野さんご自身を頭に思い描いて脚本を書かれたのかも?

「もしかして、なんですけど…昨年の夏に、本当に何年かぶりに野島さんから<元気?>ってメールが届いて、<元気ですよー!>って返したんですね。で、後でプロデューサーさんに聞いたら、このドラマの企画が立ち上がったのが夏頃だったと。だから、もしかしてちょっと思い出してくれてたのかな、とか。そういう(当て書き的な)部分もあるのかなとは期待をしつつ、違っていたら恥ずかしいので考えないことにします(笑)」

──では、最後にドラマをご覧になる皆さんにメッセージを。

「刺激的なせりふをはじめ見応えがあるドラマだと思います。番組の公式SNSも開設されたので、皆さんの思いを共有し合ってください。そして純粋にラブストーリーとして楽しんでいただければうれしいです。通勤の際にもちょうどよい1話23分の全8回になります。ぜひ、ご覧ください」

【プロフィール】 
真野恵里菜(まの えりな)
1991年4月11日生まれ。神奈川県出身。2013年にハロー!プロジェクトを卒業し、女優として本格的に活動を開始。主な出演作品は、「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」「逃げるは恥だが役に立つ」(ともにTBS系)、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」、映画「君と100回目の恋」「覆面系ノイズ」「不能犯」など。「坂道のアポロン」が3月10日に公開。
【番組紹介】
「彼氏をローンで買いました」 
毎週金曜・月曜更新

専業主婦を夢みる受付嬢の浮島多恵(真野恵里菜)はエリート彼氏・白石俊平(淵上泰史)の心をつかむため、“猫”をかぶって暮らす毎日。ストレスフルな日々にうんざりしていたある日、自分をさらけ出せて何でも言う事を聞いてくれる、“ローン彼氏”のジュンが現れる…。危うい男女関係をつづった野島伸司脚本のドラマ「パパ活」のスタッフが再結集。「恋人をローン購入する」という大胆な設定を通して、現代女性の本音を繊細かつ赤裸々に映し出す。脚本/野島伸司 出演/真野恵里菜 横浜流星 久松郁実 小野ゆり子 淵上泰史 長谷川京子ほか

取材・文/橋本達典 
撮影/尾崎篤志 
衣装=役衣装

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