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中村蒼に直撃インタビュー! 三島由紀夫の小説「命売ります」のドラマ化作品で主演。「毎日が充実していて、人がうらやむ生活を送っている人間が、その裏で感じる虚無感に共感します」

 命を売る男と依頼人たちとの駆け引きを、ブラックユーモアを交えながら描く三島由紀夫の傑作「命売ります」を、BSジャパンが映像化。エリート広告マンとして何不自由なく生きてきたものの、突如自殺を図り、あえなく失敗した主人公・山田羽仁男。この世に執着せず、金と引き換えに自ら命を差し出す羽仁男の卑屈な生きざまを、若手実力派として人気を誇る中村蒼が演じる。毎回、大地真央、田中泯、松下由樹、橋本マナミら豪華ゲストが登場。彼らが織り成す複雑な人間模様に、羽仁男が振り回される。そこで主演の中村を直撃! 作品の魅力を聞いた。

──脚本を読んでみての感想は?

「毎回、個性豊かな依頼人(ゲスト)が登場して話が進んでいきます。タイトルを見ると、一瞬“暗い作品なのかな?”とイメージしがちですが、脚本を読むと、死にたくて必死に頑張る羽仁男の姿が面白かったりする。不思議な世界観があるので、僕もこれから物語がどうなっていくのか楽しみです。“殺してほしい…”依頼人がすごくひどいことをされているからこそ、そういう憎しみが湧くのでしょうが、実はその憎しみの裏には、羨望や嫉妬が隠れているんですよね。今回羽仁男を演じながら、依頼人たちを俯瞰で見ていると、“憎む以外に、何か他の方法はなかったのかな?”ともったいなく感じてしまうこともあって…。でも、もしも自分がこんなひどい目に遭ったら、きっと怒りや憎しみで冷静にはなれないでしょうし、今回の作品と出会って、“だからこそ人間は面白いのかもしれない”そう思いました」

──今回作品に触れて、三島作品の魅力をどこに感じましたか?

「実は、本を読むのが苦手なタイプなので難しいんですけど、人によって受け取り方が変わってくるので、そのあたりが面白いなと感じました。映像の見せ方一つでも、さまざまな演出が考えられるので、そういう作風が、三島作品ならではの魅力なのかなと…」

──今回演じる、主人公・羽仁男をどう捉えていますか?

「羽仁男はとにかくモテるんですよ(笑)。彼は命を捨てたくて、それを商売にすることを思いつきますが、命を捨てることにためらいがなく、覚悟ができているので、そういう部分が魅力的に映って、いろんな人を惹きつけてしまう。誰もが怖がる“死”を受け入れて、覚悟している羽仁男は、普通の人では出せないようなオーラが出ているのかなと思います。それがどのくらい本気かどうかはともかくとして、人は誰しも、なんとなく“死にたい”と思う時期がある。でも結局、本当に死ぬ勇気はないですよね。羽仁男にはその覚悟があるので、そこが彼のすごさなのかなと…。そのあたりは、演じる上で常に意識の中においておかなければいけないなと感じています」

──羽仁男に共感するところはありますか?

「彼は、エリートサラリーマンで毎日が充実していて、周りからうらやましがられるような生活を送っている人間でした。表向きはそう映るけど、彼がその裏で感じる虚無感に共感します。どんなに充実した生活を送っている人でも、実は退屈している、なんだか無気力みたいなところはすごく理解できますね。三島さん自身も、きっと羽仁男のように自分と向き合うことがあったと思うし、実際壮絶な死に方をしているので、常に“死”を考えていたのかなと思いました。羽仁男は、危険なことに遭遇するうち、次第に“死にたくない…”と考えるようになりますが、ひょっとするとそれは、人間の本能的なものかもしれない。彼くらい死に近づくと、改めて死ぬことが怖いと感じるようになるのかもしれません」

──セクシーからホラーまで、きわどい描写がたくさん登場しますが、BS作品ならではの魅力を感じますか?

「僕はあまり“こういうことはやっちゃだめ、こういうことはやっていい”とか、そういう詳しい判断基準はよく分からないんですけど、近年のドラマの現場が(コンプライアンス問題で)大変そうだなというのはずっと思っていて…。でも今回の作品は、描写や表現という意味では、毎回ものすごく挑戦しているので、こういう感じはすごくいいなと思いました。ドラマの枠が出来立てホヤホヤなので(笑)、今回の作品に関われて光栄ですね。僕自身も挑戦している部分が多いので、転機になりそうな気がしています」

【プロフィール】 
中村蒼(なかむら あおい) 
1991年3月4日生まれ。福岡県出身。A型。’06年に主演舞台で俳優デビュー。舞台「悪人」が3月29日からシアタートラム他で公演。映画「空飛ぶタイヤ」が6月15日公開予定。
【番組情報】
連続ドラマJ三島由紀夫「命売ります」 
BSジャパン 
1月13日スタート 
土曜 午後9:00~9:54 

エリート広告マンの羽仁男(中村)は、自殺するもあえなく失敗。辞職し、自分の命と引き換えに報酬をもらう仕事を始める。早速、実業家の岸(田中泯)から「不倫中の妻(橋本マナミ)と肉体関係を結び、相手の男に殺されて欲しい」と依頼されるが…。(第1話)

取材・文/蓮池由美子
撮影/松井伴実

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