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【海ドラトピックスfrom LA】Vol.3 
ヴェルサーチ殺害事件を描くドラマも登場! 全米1~3月スタートの注目作

個性が際立つ犯罪ドラマが続々、スタート!

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 アメリカのテレビシーズンは9月から始まって5月に終わるのが恒例だったが、最近は1月から3月にかけて放送を開始するドラマも増えてきた。先日、ロサンゼルスタイムズ紙にそのようなドラマが10本「見るべき番組」としてリストされていたので、そのうちから3作の犯罪ドラマをご紹介しよう。

 まず、最初は「The Assassination of Gianni Versace : American Crime Story」(原題・FXで放送中)。タイトルが示すように、1997年7月15日にデザイナーのジャンニ・ヴェルサーチが連続殺人犯アンドリュー・クナナンに暗殺された事件を描く、ライアン・マーフィ製作総指揮によるアンソロジー・シリーズ「アメリカン・クライム・ストーリー」(16~)の第2弾である。このドラマでは、クナナンがヴェルサーチと出会って暗殺に至るまでを時系列順に追っていくのではなく、“現在”と“過去”のフラッシュバックが錯綜する構成によって凡庸な実録物になるのを避けている。特に「アルビノーニのアダージョ」をサウンドトラックに使用し、ヴェルサーチが暗殺されるまでを描くシーンから始まる第1話は、まるで悲劇的オペラのようにドラマチックで一気にストーリーに引き込まれる。実際の殺害現場となったヴェルサーチのゴージャスな自邸をロケ撮影に使っているゆえ、臨場感もたっぷりだ。

 同じく連続殺人事件を扱っているが、1896年のニューヨークを舞台にしているのは「The Alienist」(原題・TNTで放送中)。タイトルの“alienist”とは精神鑑定医のことで、ニューヨークの貧民街で連続して発生する少年男娼たちを被害者とする殺人事件を独自に捜査するDr.ラズロ・クライズラーを指す。シリアルキラーものはアメリカのテレビドラマでは定番ジャンルになっている感があるが、今とは隔世の感がある19世紀末のニューヨークで、犯罪心理学や指紋判定など、現在の科学的な犯罪捜査に通じる技法の起源が垣間見られたりするところなどが新鮮。暗めな映像はBBC製作の探偵ドラマに通じるところがあるが、グロテスクなシーンもあるので残酷描写が苦手な人には要注意であると警告しておこう。

 最後にご紹介するのはアラン・カミングが元CIA工作員ディラン・ラインハートを演じる「Instinct」。アメリカではCBSで3月11日に放送開始予定だが、予告編を見る限りでは、諜報機関の仕事をリタイヤして現在は大学で教鞭を取っているラインハートが、チャーミングでエキセントリックなキャラでカミングにはまさにはまり役。ラインハートが捜査に協力することになるニューヨーク市警の女性刑事がラインハートのパートナー的な存在になるようだが、ラインハートは演じるカミング同様、ゲイであるという設定になっているので、2人が“やがて恋人同士の関係に発展”という陳腐な展開になるのがあらかじめ避けられているのもうれしい。


荻原順子(おぎはら じゅんこ)
米・ロサンゼルス在住。南カリフォルニア大学(USC)大学院で映画・テレビ批評学を学ぶため渡米。卒業後は現地のCM製作会社勤務を経て、フリーランスライターとなる。「キネマ旬報」のNEWS欄でアメリカ映画ニュースを担当。


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