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玉木宏がヨーロッパで亡命オーケストラの謎を追う。日本人指揮者・近衛秀麿の残した“ピース”を探して

 ドラマや映画化された「のだめカンタービレ」で、ジャンルを超えて音楽ファンの心をとらえた玉木宏さんが、「のだめ」以来、クラシック音楽に触れる番組がNHK BSプレミアムで放送されます。

 戦前、ドイツを拠点に活躍した日本人指揮者・近衛秀麿。彼には指揮者という表の顔からは想像もできない、もう一つの顔がありました。第2次世界大戦中、ナチス・ドイツの弾圧の嵐が吹き荒れる中、自身のオーケストラを隠れみのに、ユダヤ人たちを国外へ脱出させていたというのです。果たして戦火のヨーロッパで本当にそのようなことが可能だったのか。その謎を解こうと、玉木さんがヨーロッパ4カ国を回り、生き証人たちに取材を敢行。世界中に散らばった資料を集め、まるでジグソーパズルのピースを合わせるように謎を解き明かす、新感覚の音楽ミステリーとなっています。

 今年5月、3週間で4カ国(ポーランド、ドイツ、ベルギー、フランス)を旅してきたという玉木さん。この番組の撮影をするまで近衛を知らなかったという玉木さんが、取材を通して何を感じたのか。会見で玉木さんは、近衛の人物像について、「亡命を手助けするにも一人ではできないので、人脈に恵まれ多くの人に愛された人なのではないか」とおっしゃっていました。確かに当時の時代背景を考えると、ドイツの同盟国である日本の、それも内閣総理大臣・近衛文麿の異母弟がドイツの裏をかき、ユダヤ人を亡命させるには多くの支援者がいなければ成立せず、本人にも相当の覚悟があったのではと容易に想像がつきます。多くの人に愛されたであろう近衛が、危険を冒してまで守ろうとしたものとは一体何だったのでしょう。玉木さんは「音楽や音楽家たちの才能を守りたかったのでは」と想像を膨らませていましたが、果たして本当の思いは…。なぜ日本人である自分の立場を“利用”してまでも、命の危険も顧みず人の命を救う行動に出ることができたのか。

 国境から国境へ、ドイツ軍の見張りを縫う亡命ルートをたどった玉木さんは、「番組では近衛の今まで明かされていなかった部分がたくさん出てくるので、視聴者の方に新しい情報をお届けできる」と自信をのぞかせていました。近衛にとって転機となったポーランド・ワルシャワについても、「すごくすてきな街で、もう一度、時間があるなら旅をしたいと思う場所」と気に入ったようで、この旅で触れられたことが財産と貴重な体験を明かしていました。近衛秀麿というパズルは完成するのか、番組で少しずつ明らかになっていく近衛の素顔を見ながら、この夏、異国で戦った近衛や当時の人に思いをはせてみるのもいいかもしれません。

NHK担当 N・S

【番組情報】
「スーパープレミアム 玉木宏 音楽サスペンス紀行 マエストロ・ヒデマロ 亡命オーケストラの謎」 
NHK BSプレミアム 
7月29日 午後8:00~10:00
【関連番組】
「“死の都”に響いた“未完成交響曲”~1943.9.28戦火のワルシャワ公演を再現する~」 
NHK BSプレミアム 
7月29日 午後11:45~深夜0:35
 
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