コラム

2018年春、20年以上の歴史に幕!
「めちゃイケ」が日本バラエティー史に刻んだ伝説

人々に愛された“型破り”バラエティーのルーツとは!?

テレビを見ていてよく耳にするけど、実際はきちんと知らない(かもしれない…)時事ネタや話題を追いかけ、解説する連載「TVガイド新書」。
今回は、放送開始から21年―、来年春でその歴史に幕を下ろすことが発表された「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)の歩みを振り返る。

<バラエティー史に輝くフジテレビ土曜夜8時枠>

 数々の人気企画や名物キャラクターを生み、土曜夜8時という激戦区に20年以上君臨し続けるフジテレビのバラエティー「めちゃ×2イケてるッ!」(以下『めちゃイケ』)が来年3月をもって終了することが発表された。既に番組内では終了まで全力を出し切り、悔いなくゴールする「めちゃイケ シュウ活プロジェクト」がスタート。11/ 25放送では人気企画「やべっち寿司」が約4年ぶりに復活し、番組終了を聞きつけた芸人たちと終活トークを展開。『はねるのトびら』、『ピカルの定理』出演者による赤裸々なエピソードで笑いを誘ったあとは、インスタグラムで番組終了をうっかりフライング発表してしまった、たむらけんじがスーツ姿で謝罪。変わらず攻めの姿勢を見せてくれた。さらに12/2放送ではこれまた人気企画「爆走数取団」が復活。どうやら最終回まで感傷に浸る余裕はなさそうだ。

 フジテレビの土曜夜8時バラエティー枠は、いまから半世紀前──当時売り出し中だった萩本欽一、坂上二郎による公開番組『コント55号の世界は笑う』(’68年7月〜’70年3月)から始まる。同番組は新宿厚生年金会館大ホールを舞台にコント55号のコント、ゲストの歌や漫才が繰り広げられ、平均視聴率30%を獲得。TBSもザ・ドリフターズの番組『8時だョ!全員集合』(’69年10月〜’85年9月)を放送。最高視聴率50・5%を記録し、“お化け番組”とまで呼ばれた『全員集合』に対して、フジテレビもラジオ番組から派生した『欽ちゃんのドンとやってみよう!』(’75年4月〜’80年3月)、そして漫才ブームの立役者となったビートたけし、明石家さんま、島田紳助らによる『オレたちひょうきん族』(’81年5月〜’89年10月)で応戦した。

 “楽しくなければテレビじゃない”というキャッチフレーズを掲げた80年代のフジテレビは、バラエティー中心の編成で年間視聴率三冠王の座に輝き、’87年には地上波初の完全24時間放送を開始。これに伴い、若者をターゲットにした実験的な深夜番組が制作されるようになる。ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコ、野沢直子による『夢で逢えたら』(’88年10月〜’89年3月)もそのひとつで、半年後に全国ネットの土曜夜11時30分枠(’89年4月〜’91年11月)に移ると最高視聴率20・4%を記録。この成功を受け、土曜夜8時の『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(’90年10月〜93年6月)、日曜夜8時の『ダウンタウンのごっつええ感じ』(’91年12月〜’97年11月)という冠番組が誕生。深夜からゴールデンへと駆け上がる姿は次世代芸人たちのロールモデルとなった。

<『とぶくすり』以来の仲間と視聴者の共犯関係>

 “平成のひょうきん族”を目指してスタートした『めちゃイケ』の原点となったのは、若手芸人がネタを披露する深夜番組『新しい波』(’92年10月〜’93年3月)だった。ここで頭角を現したナインティナイン(岡村隆史、矢部浩之)、よゐこ(濱口優、有野晋哉)、極楽とんぼ(加藤浩次、山本圭壱)、本田みずほ、光浦靖子による『とぶくすり』(’93年4月〜9月)が若者の支持を集めると、同メンバー(よゐこを除く)に武田真治、雛形あきこ、鈴木紗理奈を加えた『めちゃ×2モテたいッ!』(’95年10月〜’96年9月)がスタート。かつての『夢で逢えたら』と同じ土曜夜11時30分枠になったことで、既にレギュラー番組を何本も抱えていたナインティナイン以外のメンバーの知名度も急上昇。監督の片岡飛鳥以下スタッフ、ナレーターの木村匡也らと共に新世代の到来を予感させた。

 ちなみに日本のお笑い界には「8年周期説」があると言われている。ビートたけし、明石家さんま、ダウンタウン、ナインティナインがそれぞれ8歳差であることが由来で、フジテレビは次世代スター発掘番組として『新しい波8』(’00年4月〜’01年3月)、『新しい波16』(’08年4月〜’09年3月)、『新しい波24』(’17年4月〜9月)を放送している。

 閑話休題。’96年10月、満を持して土曜夜8時に躍り出た『めちゃイケ』は、『とぶくすり』以来のメンバー同士の関係性を最大限に活かしたチームプレーが大きな特徴だった。家族や恋人といったプライベートもさらけ出され、結婚報告の際は番組をあげてネタにし、祝福した。

 モーニング娘。やEXILEのライブに得意のダンスで飛び入りする「岡村オファーがきました」。いち視聴者に密着した「ヨモギダ少年愚連隊」。加藤がジャイアントスイングでゲストにお仕置きする「爆裂お父さん」。「濱口ダマシ」では偽のハリウッド映画オーディションに合格した濱口が坊主頭になったこともあった。『めちゃイケ』の名企画を数え上げるときりがないが、最大の魅力はメンバーがスターになっていく成長過程をリアルタイムで見せてくれたことだろう。

 批判を恐れず“真面目にふざける”ことに取り組んできたメンバー、スタッフの功績は計り知れない。終了まであと4カ月。いかに『めちゃイケ』らしい有終の美を飾るのか、最後まで目が離せない。


「めちゃイケ」レジェンド年表!
96年10月  番組放送開始
97年    「岡村オファーがきました」シリーズ第一弾として、
      SMAPのコンサートに出演
98年    「フジTV警察24時」、「ヨモギダ少年愚連隊」、
      「笑わず嫌い王決定戦」などの企画が話題に
00年    一番のバカを決定する「抜き打ちテスト」がスタート
02年    加藤夫妻のドキュメント「結婚と出産のあいだ」放送
03年    「やべっち寿司」スタート
04年7月   『27時間テレビ』で「クイズ$マジオネア」、
      「笑わず嫌い王決定戦」などの人気企画を生放送
10月    「8周年感謝スペシャル」が現時点での
      番組最高視聴率33・2%を記録
05年    有野晋哉結婚企画
08年    鈴木紗理奈が結婚報告
10年    生放送でジャルジャル、たんぽぽ、敦士、重盛さと美、
      三中元克が新メンバーとして加入
13年    矢部浩之・裕子 結婚披露宴生放送スペシャルを放送
15年    『27時間テレビ』で大久保佳代子が88kmマラソン完走
17年11月  来年3月で番組終了を報告。
      「めちゃイケ シュウ活プロジェクト」がスタート
番組情報
「めちゃ²イケてるッ!」
フジテレビ系 毎週土曜 午後7:57~8:54

Text=秦野邦彦

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