コラム
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「かわいい!」とSNSでも話題沸騰「バイプレイヤーズ」を通して考えるドラマの“幸福感”

プロデューサーが語る、“今”の空気にハマった理由 後半戦も“ゆるさ”と“シブさ”が満載!

テレビを見ていてよく耳にするけど、実際はきちんと知らない(かもしれない…)時事ネタや話題を追いかけ、解説する連載「TVガイド新書」。
今回は、遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研ら名脇役6人が共演するドラマが、毎週話題を呼ぶ理由を探りました!

 そのタイトル通り、日本の映画・ドラマを陰に日向に支えてきた名優6人が本人役で出演し、シェアハウスで共同生活を送っているという設定の中で、さまざまなエピソードが繰り広げられるドラマ「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」(テレビ東京ほか)。物語は中盤に差し掛かり、クライマックスに向けた展開に期待が高まる中、独特の面白みはますます強まってきている。「バイプレイヤーズ」の大きな魅力は、ほどよくゆるいユーモアとエッジの効いた脚本&演出を、全員が50代を超え、長年のキャリアの中で演技の酸いも甘いも噛み分けた実力派俳優6人が演じるという意外性やギャップ感だ。その落差が作品に絶妙な奥行きを与え、これまでのドラマにはない面白さを生み出しているのは間違いない。そんな面白さの根底には、実はある重要な要素があると、浅野敦也プロデューサーは語る。

「6人は、今や主演も務める人気俳優さんたちですが、長い付き合いがあり、公私にわたって親しくしている間柄です。だからこそ、テーブルを挟んで全員が向かい合っただけで、とても魅力的な空気感を醸し出すことができるのだと思います。芝居が達者だし、息もピッタリなので、撮影もいつも予定より早く終わるんですよ(笑)」。

<渋さが魅力の俳優たちが中学生ノリを出せる理由>

 そして、その関係性が生む軽妙なやりとりが、SNSで話題を呼んでいる。

「SNSで話題になる作りを意図したわけではないのですが、盛り上がっていることは単純にうれしいですし、特に〝かわいい!〞などという反響は、予想以上だなと感じています。6人のそうした面白さを出すために、立派な大人の役者たちなんだけど〝中学生男子のノリ〞も失っていない、という脚本にしている部分もありますね。ご本人たちは〝さすがにこんなにガキじゃないぞ〞と、内心では思っていらっしゃるかもしれませんが(笑)。ただ、そういうノリが自然に出せるのは、6人の仲が本当にいいからだと思います。 〝かわいい〞という反響があると松重豊さんに伝えたら、〝かわいいとか、やめてくださいよ!〞って、照れ笑いをされていました(笑)」。

「バイプレイヤーズ」が放送されているのは、テレビ東京の〝ドラマ24〞枠。常に面白さと斬新さの両方を追求する同枠の魅力を、浅野プロデューサーは、こんなふうに見ている。

「『勇者ヨシヒコ』シリーズや『孤独のグルメ』シリーズといった、面白くて、尖っていて、しかも人気を博す作品を数多く生み出している『ドラマ24』は、テレビ業界的にはプライムタイムのドラマ枠に負けないぐらい、ブランド化しています。視聴者の方たちにも、センスがあって、攻めているドラマ枠という印象が根づいていますよね。その歴史も含めて、視聴者の方たちが『ドラマ24』というブランドに乗っかって楽しんでくれる土壌が、今はあるように感じます。また、〝今〞という意味では、今回主演している6人のようなベテラン俳優の皆さんの凄みをしっかりと理解できている土壌が、’17年の日本にはあるとも思います。もし何年か前に6人でドラマを作ったら、また違う提示の仕方だったのかもしれません」。

<友だちといる時の幸せを図らずも視聴者に提示>

 今後の「バイプレイヤーズ」には、一体どんな展開が待っているのか?

「6話以降は、かつて6人が途中まで制作した映画『バイプレイヤーズ』のフィルムの行方を巡る話が中心になってきます。だからといって途端にシリアスになるのではなく、くだらなさは変わりません(笑)。その中でところどころは、少しグッとくる展開があるかもしれない…という。基本的には、今後も6人のワチャワチャ感を楽しんでもらえればいいなと思っています。ドラマを見る動機って、〝ストーリーに泣いたり笑ったり、ハラハラドキドキしたい〞という気持ちがありながらも、もう一方では〝心を許しているメンバーたちが楽しく過ごしている空間を見て幸せな気分になりたい〞という動機も、実は大事なのかな、と。そういう意味では、皆さんがどこか潜在的に持っている〝友だちといる時の幸せ〞のような魅力を、『バイプレイヤーズ』は図らずも提示できているのかなと思います。僕自身、6人の間に実際ある絆に憧れているんです。あの世代になって、お互いを尊重しあって、役者として尊敬しあって、でもバカ話をしながらずっと一緒にいても苦にならない、という。そんな関係性って、なかなかないじゃないですか」。

 今だからこそ生まれた作品でありながら、誰もがいつもどこかに持つ気持ちを、さりげなく刺激する「バイプレイヤーズ」。その後半戦が、俄然楽しみになってきた。


番組情報
ドラマ24「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」
2/17(金) テレビ東京ほか 毎週金曜 深夜12:12~12:52
※地域によって放送日時が異なります

「『バイプレイヤーズ』の企画が売られた」と大杉漣が大騒ぎ。「誰が盗んだのか確認してほしい」とお願いされた遠藤憲一は、松重豊を連れて企画が持ち込まれたテレビ東京を訪ねる。すると、制作会社の担当者とともに企画を考えた脚本家がいることが判明。それが、あの個性派俳優だという。事実を知った大杉は激怒し、新旧バイプレイヤーズ対決が勃発する!?

今回、取材したのは…

浅野敦也さん(株式会社ドリマックス・テレビジョンプロデューサー)
早稲田大学卒業後、テレパックに入社。’09年よりドリマックス・テレビジョンにてドラマのプロデューサーを務める。近年の担当作品に、TBS金曜ドラマ「砂の塔」(’16年)など。

Interview=大久保和則

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