コラム
LINEで送る

「おそ松さん」で注目を集める!
“赤塚”イズムは音楽界も席巻する?

A応Pの「全力バタンキュー」はオリコン2位!
「天才バカボン」の主題歌はあのタモリが担当!

 テレビを見ていてよく耳にするけど、実際はきちんと知らない(かもしれない…)時事ネタや話題を追いかけ、解説する連載「TVガイド新書」。
 今回は「おそ松さん」をきっかけに再びブームが訪れている“赤塚不二夫”作品が音楽界へ与えている影響を分析します!

いまや社会現象となったTVアニメ「おそ松さん」

 昨年10月に放送開始されるや人気沸騰、社会現象化しているTVアニメ「おそ松さん」(テレビ東京ほか)。赤塚不二夫の国民的ギャグ漫画「おそ松くん」の6つ子が現代を舞台に繰り広げるドタバタコメディーの本作は現在第2クールが放送中だが、A応Pの歌うオープニング(以下OP)曲「全力バタンキュー」(2/10発売)が初週約2・5万枚を売り上げ週間シングルチャート2位に初登場。第1クールOP曲「はなまるぴっぴはよいこだけ」(昨年11/11発売)の15位、声優陣が歌う第1クールエンディング(以下ED)曲「SIX SAME FACES~今夜は最高!!!!!!~」(昨年12/16発売)の3位を上回る記録を達成した。

 A応P(エーおうピー)は’12 年にアニメ好きの女子が集まり“アニメを応援するプロジェクト”として結成。現在6人で活動中で、2/21に初の大型ワンマンライブ「A応PなないろプロジェクトLIVE」を開催したばかり。昨年8月より同ライブの観客動員777人を目標に掲げてきたが、当日は約800人が集結。女性専用エリアまで設けられる大盛況のなかダブルアンコール含む全21曲を熱唱し、さらなる飛躍を誓った。

「全力バタンキュー」は曲中で人気キャラ・イヤミの決めセリフ“シェー!”が飛び出すノリのいいナンバー。女性のカラオケ人気も高く、ロングヒットが期待できそうだ。3/16(水)には第2クールED曲「SIX SHAME FACES ~今夜も最高!!!!!!~」がリリースされるので、この結果にも注目したい。

 現在「おそ松さん」を筆頭に盛り上がりを見せる赤塚不二夫(1935-2008年)生誕80周年記念プロジェクトだが、その中でも異彩を放っているのが内田裕也と183(=イヤミ)ファミリーバンドによる「183の日本トレビアンROCK'N ROLL」(シングル「はなまるぴっぴはよいこだけ」に収録)。“不景気や政治不信で元気がない日本に必要なのはモヤモヤを吹き飛ばす笑顔”ということで、日本のロック・レジェンド内田を筆頭に、作曲家の服部克久、歌手のBORO、A応Pらが参加したロックチューンに仕上がった。内田と赤塚には交流があり、’73 年に開催された内田のデビュー15周年コンサート「ロックンロールBAKA」のオープニングでは、赤塚がロックンロール振興会会長として選手宣誓している。

数多くのアーティストがリスペクトを表明

 ’62 年に「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」を連載開始。’67 年には「天才バカボン」「もーれつア太郎」を発表。次々とTVアニメ化され、主題歌も人気を博した(代表曲は昨年リリースされた「赤塚不二夫生誕80周年CD! これでいいのだーっ!!」に収録)。’69 年には赤塚が作詞した「ニャロメのうた」が10万枚の大ヒットに。’72 年に赤塚が私財を投じて創刊した雑誌「まんがNo.1」の付録レコードにはデビューして間もない井上陽水の「桜三月散歩道」などが収められた。

 赤塚の没後も、’08 年に天才バカボン誕生41周年記念アルバム「赤塚不二夫トリビュート~四十一才の春だから~」に矢野顕子、電気グルーヴ×スチャダラパーなど赤塚をリスペクトするアーティストが集結。’11 年公開の「これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫」ではユニコーンが「ぶたぶた」、’12 年公開「ひみつのアッコちゃん」ではYUKIが「わたしの願い事」を主題歌として書き下ろし。昨年公開の「天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~」でもOP曲にチームしゃちほこ「天才バカボン」、主題歌にクレイジーケンバンド「パパの子守歌」と幅広い顔ぶれが並んだ。

 3/11(金)の日本テレビ系スペシャルドラマ「天才バカボン~家族の絆」では、赤塚の葬儀で「私もあなたの数多くの作品のひとつです」と弔辞を送ったタモリが主題歌(「♪西から昇ったおひさまが~」でおなじみアニメ版テーマ曲)を担当。プロデューサーは断られることを覚悟の上オファーしたが、「先生の作品なら」と快諾。レコーディングでは納得のいくまで何度も歌い直したという。

GW公開の映画もタモリが主題歌を歌う

 さらに4/30(土)にはドキュメンタリー映画「マンガをはみだした男~赤塚不二夫~」(冨永昌敬監督)も公開。“笑ってくれれば死んでもいい”と言い切ったダイナミックな人生をアニメーション、同時代を生きたマンガ家仲間や「おそ松さん」の藤田陽一監督ら関係者インタビューで再構築。主題歌「ラーガ・バガヴァット」はタモリが作詞と歌、作曲をタブラ奏者のU―zhaanが担当。バガヴァットとはサンスクリット語で聖者を意味し、“バカボン”の語源になったという。

 CD不況が叫ばれて久しい音楽業界においてこうした一連の動きは、どんな逆境も“これでいいのだ!”と喝破してきた赤塚イズムの有効性と希望を感じさせてくれる。これを機に「おそ松さん」で興味を持った若い世代が、名作揃いの赤塚作品を手にしていただけたら幸いだ。


赤塚イズム×音楽 TOPICS!
「おそ松さん」のOPテーマで注目を集めるA応P
荻野沙織、桜奈里彩、巴奎依、広瀬ゆうき、福緒唯、水希蒼ら女子6人組。4月開始のアニメ「12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~」EDテーマも担当することが決定。

タモリが主題歌を歌うドラマ版「天才バカボン」
原作同様ギャグ満載なのはもちろん、バカボンのパパ役の上田晋也いわく「家族のつながりの大切さを随所に感じられる作品。この時代にやる意味がすごくある」。

金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「天才バカボン~家族の絆」は日本テレビ系で3/11(金)放送

Text=秦野邦彦

LINEで送る

テレビ視聴率ランキング

地上波録画視聴ランキング

BS録画視聴ランキング

PAGE TOP