コラム

take188「モアナと伝説の海」

進化を続けるディズニーアニメ。海の表情、髪の質感が秀逸!!

 作品ごとに進化を続けるディズニー・アニメーション・スタジオ。去年の日本国内映画興収の6位にランクインした本作でも、キャラ設定、ビジュアル共に前作以前のクオリティーを確実に凌いでいる。そこが凄い!

 まず、南の海に浮かぶ故郷の島を危機から救うため、冒険の旅に出かけるヒロイン、モアナは、海によって選ばれたたくましい戦士のような筋肉質ボディーの持ち主だ。「私はプリンセスじゃないわ!」と本人が言い切るように、「アナと雪の女王」の主人公をさらにアップデートした“男前ぶり”が際立つ。必然的に、冒険を共にすることになる半神半人のマウイとは友情を紡ぐものの、決して恋には落ちない。そこも何だか清々しい。

 また、最新鋭のCGIで具現化される海の表情が秀逸だ。波打ち際に押し寄せてきた波が、モアナの目の前で表情を作る可愛さは、海そのものがキャラクターとして起動している証拠。本来、質感が乏しい水を生き物に変えるなんて、かつては考えられなかった難業だったはずだ。同じくCGIでそのきめ細かいディテールにまで踏み込んだ、モアナの髪も見どころの1つ。光の加減によって光沢が変わるカールしたロングヘアは、アニメの製作工程で重要なパーツを受け持つライティング技術のたまもの。陽光降り注ぐ海辺と、夜の光を受けてきらめく時とでは、まるで別物のように見える髪の変化にも注目してほしい。

 楽曲の良さは言うに及ばず。昨年のアカデミー主題歌賞は「ラ・ラ・ランド」(16)にさらわれたものの、モアナが劇中で歌う“Where You Are”は、主人公の生まれ故郷への愛がメロディーに詰まった実に聴き心地のいい名曲。視覚と音楽でもとことん楽しませる南洋ファンタジーだ。(日本での興行収入:51億6千万円)

<映画うわさの真の相>
知名度より役との連動性。それがディズニーの配役ポリシー

 ボイスキャストをイージーに知名度で選ばないのはディズニーのポリシー。本作でもヒロインのモアナ役にハワイ、コハラ生まれの17歳の新人、アウリィ・クラバーリョを、マウイ役にポリネシア系の血を引くハリウッドマッチョの権化、“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンをキャスティングして、役と声の連動性を重んじているのだ。

【映画情報】
モアナと伝説の海 Moana(16年米)

2/10(土)
WOWOWシネマ 午後8:00~午後10:00
 外洋に出ることを禁じられた島で育った少女が島に迫る危機を救うため、奪われた命の女神の“心”を探す旅に出るアニメーション。南海の楽園モトゥヌイ島に住むモアナ(声・クラバーリョ)は、幼少時の体験から海と特別な絆で結ばれていた。ある日、半神半人のマウイが命の女神の“心”を盗んだことで生まれた闇が島に迫っていることが判明し、モアナは“心”を取り戻すために島を出る。

監督:ジョン・マスカー ほか
出演:アウリィ・クラバーリョ ドウェイン・ジョンソン レーチェル・ハウス テムエラ・モリソン ニコール・シャージンガー ジェマイン・クレメント
Text=清藤秀人


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