コラム

take186「T2 トレインスポッティング」

21年経っても成長の跡がない。彼ら不良オヤジたちに乾杯!!

 1996年に公開され、世界中を熱狂させた青春映画があった。高い失業率の中で未来を見出せず、ドラッグやクラブカルチャーに癒やしを求める若者たちの日常を赤裸々に描いた「トレインスポッティング」だ。

 あれから21年。1作目と同じ配役(ユアン・マクレガー、ロバート・カーライル、ジョニー・リー・ミラー、ユエン・ブレムナー)、同じ監督(ダニー・ボイル)、脚本家、製作者が再集結して完成させた続編は、まず痛すぎる現実を観客に突き付ける。舞台は前作と同じスコットランドのエディンバラ。麻薬の売買によって得た大金を持ち逃げし、久々に故郷の土を踏んだレントン(マクレガー)が目の当たりにするのは、売春や恐喝で荒稼ぎするシック・ボーイ(ミラー)や、家族に愛想を尽かされたスパッド(ブレムナー)、それに刑務所に服役中のベグビー(カーライル)。要は、未だ悲惨な日々を送る仲間たちの姿だった。

 待望の続編は、長い時間を経ても少しも成長できなかった4人が、再会してお互いの老いを確認し合う間もなく、他人のクレジットカードを盗んだり、地域活性化のための施設だと嘘をつき、パブを売春宿に改装しようとしたり等々、相も変わらず楽してもうけるための浅知恵を駆使しまくる。そんな彼らのやばい中年時代が、前作を機に世界中でヒットしたイギリスのエレクトロニック・グループ、アンダーワールドが再び提供した新曲“スロー・スリッピー”をはじめ、エッジの効いたUKロックをバックに描かれていく。

 時間に余裕があれば是非前作と見比べて頂きたい。話のつながりが理解できるし、風貌があまり変わらないマクレガーと、別人のようなカーライルを比較すると、俳優にもおのおの老け方があることが分かるはずだから。(日本での興行収入:2億円)

<映画うわさの真の相>
監督のボイルが語る、若く見せたい男たちへの愛ある賛歌

 監督のボイルはこう語る。「多くの男たちは実年齢よりも自分を若く見せようとする。過去を生きているというわけじゃなく、過去を際限なく再現しようとしているんだ。4人のようにね。俳優も、監督も、大統領だって、時間の言いなりになるしかない。でも、それすら4人は楽しもうとしている。そんな姿は多分、人々の教訓になるんじゃないかな」

【映画情報】
T2 トレインスポッティング T2 Trainspotting(17年英)

1/28(日)
WOWOWシネマ 午後10:00~深夜0:15
 仲間を裏切り、大金を持ってオランダへ逃げたレントンが20年ぶりに帰郷し、家族や仲間と再会する。ヒット作の21年ぶりの続編。かつて仲間を裏切り、大金を奪って逃げたレントン(マクレガー)が、20年ぶりに故郷エディンバラに帰って来る。ドラッグ中毒のスパッドは妻子に逃げられ、シック・ボーイはパブを経営しつつ犯罪に手を染めていた。中でも血の気の多いベグビーは殺人罪で服役していた。

監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー ユエン・ブレムナー ジョニー・リー・ミラー ロバート・カーライル ケリー・マクドナルド アンジェラ・ネディヤコバ
Text=清藤秀人


キーワード
PAGE TOP