コラム

take185「ジャッジ 裁かれる判事」

トニー・スタークとは違うダウニーJr.が堪能できる!!

 「アベンジャーズ」シリーズのトニー・スターク役ですっかりフランチャイズ映画の顔になってしまったロバート・ダウニーJr.が、本来のキャラクターアクターぶりを発揮する法廷サスペンス。その複雑な演技表現は「アベンジャーズ」ファンの目には新鮮に映るかもしれない。

 ハンク(ダウニーJr.)は真偽より勝利にこだわり、被告が金持ちならばどんな方法を使ってでも無罪を勝ち取ることで知られるやり手の弁護士。ある日、彼の元に厄介な仕事の依頼が舞い込む。何と故郷に住む判事の父親、ジョセフ(本作でアカデミー助演男優賞候補となったロバート・デュバル)がひき逃げの容疑で逮捕され、息子のハンクが弁護人を務めることになったのだ。しかも、父と息子は犬猿の仲。さて、実利主義の弁護士はこのまるで儲からない、おまけに、嫌いな父親と向き合わざるを得ない難業を、どうクリアしていくのか!?

 ハンクの中で、法廷で正義を貫いてきた父親が、まさか殺人を犯すはずがないという確信と、調査の過程で次々と浮上する不利な証拠が指し示す、「もしかして?」という疑念とが微妙にせめぎ合う。同時進行で、父と息子の関係を破綻させた過去の悲劇と、時を隔てて起きたひき逃げ事件との意外な相関関係がつまびらかにされる。やがて、真実が明らかになった時、ハンクは恐らく弁護士として初めて、法律では裁けない人間の衝動があることを思い知るのだ。

 そんな主人公の心の葛藤と、人としての成長の過程を、いつも通りのポーカーフェイスと、いつもとは違ってシリアスに演じ切るダウニーJr.。彼がいかにこの役にほれ込んでいたかは、本作を妻のスーザンと共に立ち上げた製作会社の1作目に選んだことからも明らかだ。(日本での興行収入:5800万円)

<映画うわさの真の相>
ダウニー夫妻の最新作は偽薬で大もうけした実在の詐欺師の実録もの

 ダウニー夫妻は共に運営する映画製作会社の最新作として、20世紀に実在した希代の詐欺師、ジョン・ブリンクリーの伝記映画の製作を発表。ブリンクリーは偽物の薬剤を販売して巨万の富を築いた人物で、ダウニーJr.がブリンクリーを演じ、監督は「6才のボクが、大人になるまで。」(14)のリチャード・リンクレイターが受け持つ予定だ。

【映画情報】
ジャッジ 裁かれる判事 The Judge(14年米)

1/22(月)
NHK BSプレミアム 午後9:00~午後11:25
 母の葬儀で帰郷した敏腕弁護士が殺人容疑を掛けられた判事の父の弁護を引き受け、確執を乗り越えて真相解明に当たる人間ドラマ。母の葬儀に参列するため帰郷中の弁護士ハンク(ダウニーJr.)の父で、判事を務める地元の名士・ジョセフ(デュバル)が殺人容疑で逮捕される。ジョセフは犬猿の仲の息子の弁護を拒否。それでも事件を調べ始めたハンクの前に、父に不利な証拠が次々と現れる。

監督:デビッド・ドブキン
出演:ロバート・ダウニーJr. ロバート・デュバル ベラ・ファーミガ ビンセント・ドノフリオ ビリー・ボブ・ソーントン ジェレミー・ストロング
Text=清藤秀人


キーワード
PAGE TOP