闘う男の素顔にトライ!

連載

『闘う男の素顔にトライ!』#7~庭井祐輔(キヤノンイーグルス)~
ジャパンラグビートップリーグで活躍する選手にクローズアップ!

 日本開催のラグビーワールドカップ(RWC)2019まで、あと約1年半。ジャパンラグビートップリーグは、日本代表を目指す選手たちがしのぎを削る、文字通りRWCへの扉を開ける鍵となってくる。

 2月下旬に開幕した「三菱地所スーパーラグビー2018」も同じだ。日本代表の強化を目的に結成され、南半球の世界最高峰プロリーグに参戦するプロチーム、ヒト・コミュニケーションズサンウルブズの活躍も見逃せない。でも、どんな選手がいるのか? 果たしてラグビーの魅力はどこなのか? イマイチよく分からない。そんな人も多いだろう。

 そこでインターネットTVガイドでは、日本代表選手や代表入りを目指す選手にインタビュー。より身近にラグビーを知ってもらうべく、選手の人生に影響を与えた<ヒト><モノ><コト>にクローズアップすることで、選手の素顔やアスリートならではの心情に迫る!

 第7回となる今回は、スーパーラグビー2018でサンウルブズのメンバーに選ばれた、キヤノンイーグルスの庭井祐輔選手。16年にスーパーラグビー初参戦したサンウルブズの2季目からスコッドに加わり、10試合に出場(7試合先発)。けがによるリハビリのため、ラグビートップリーグ2017‐2018シーズンは出場機会ゼロに終わったものの、再び国際舞台へと舞い戻ってきた期待の若きフッカー(スクラムを組む際、最前列3人の中央で相手フォワードと直接組み合う、文字通りスクラムの中心となる選手)に、ラグビーに目覚めたきっかけやラグビーにハマった理由、気になるプライベートを聞いてみよう。

──RWCを前に、期待の若手選手にラグビーの魅力をお聞きするコーナーとなりまして、これまで同じサンウルブズの福岡堅樹選手、野口竜司選手(共にパナソニックワイルドナイツ)、德永祥尭選手(東芝ブレイブルーパス)などにお話を伺ってきました。

「そんなイケメン枠に入って大丈夫ですか?(笑)」

──(笑)、全然大丈夫です!

「よろしくお願いします!」

──<ヒト><モノ><コト>にクローズアップしてお話をお聞きしていますが、まずは<ヒト>。お世話になった方や影響を受けた人。今のラグビー人生を語る上で欠かせない人などいらっしゃいますでしょうか?

「たくさんいますけど…やはり、自分がラグビーを始めるきっかけになった友達の存在は大きいですね」

──10歳の時に、西神戸ラグビースクールでラグビーを始められて。

「そうですね。10歳というと、ラグビーではそんなに早い方ではないんですけど」

──先の野口選手こそ中学生からと、かなり遅めのスタートですが、福岡選手、德永選手ともに幼稚園からラグビーを始められています。

「早い人は家族がやっていたり、ラグビー好きだったりすることが多いと思うんですけど、僕の場合、近所の友達がたまたまスクールに通っていて。実は小学校1年生の時も、1回誘われたんですよ。で、“あいつが楽しい言うてるならやってもいいかな…”くらいラグビーに傾きかけていた時に、テレビで試合を見る機会があって。ちょうど頭から血を流しているシーンだったんで、“あ、痛そうや。やめとこ”と(笑)」

──ご出身は、兵庫県神戸市西区。お生まれは91年ですから神戸製鋼が7連覇(88~94年)を達成した、すぐ後くらい。

「それもあって地元のラグビー人気は高かったと思うんですけど、僕は最初サッカーから始めまして。10歳の時に、もう一度、同じ友達に誘われて。ちょうどサッカーがいやに…というのも、今でこそ普通くらいの身長ですが、当時は同年代の子より大きくて。特に横にガッチリしていたので、相手選手がシミュレーション(反則をされたフリをする行為)ばっかするんです。それで遠慮しながらサッカーやるのは面白くないしで、試しにラグビースクールに体験入学したら、あんなに体を当てちゃダメだと言い聞かせてきたのに、むしろ当てろと。今までの反動もあったせいか、“何これ? ムチャクチャ楽しい!”と思いました(笑)。激しいし、痛みも伴うスポーツではありますが、それに負けない楽しさと達成感が味わえるところに魅力を感じて、すぐに夢中になりました」

──その友達もラグビーを続けていらっしゃるんですか?

「『ずっと一緒にやろうぜ!』と励まし合っていたんですけど、僕とは逆に体が細くて。中学1年の時に『俺は別の道で頑張る』と、別れ別れになってしまいました。でも、小学生の時に、あんなに熱心に誘ってくれなかったら今の僕はなかったと思いますし、今考えたら、体格的にも性格的にも、僕がラグビーに向いてたことを見抜いていたのかも…。そう思うと、感謝の気持ちでいっぱいですね」

──バラエティー番組の「あいつ今何してる?」(テレビ朝日系)じゃないですけど、再会したいですね。

「それが…会うんですよ。しかも、そいつがたまたま東京にいたりするんで、飯を食うこともあったり。すみません! テレビみたいないい話じゃなくって(笑)。でも、応援はしてくれてるようです。男同士なんで、口には出さないですけど」

──(笑)。報徳学園高校時代には、高校日本代表に選ばれて。友達も「おらが町のスター」として、ずっと応援してきたんじゃないですか?

「それがですね、これもたまたまなんですけど、隣の中学にロンドン五輪に出場したやり投げのディーン元気がいまして。中学あたりからちょいちょい話すようになり。2人とも高校が同じ方向やったんで、一緒に通ったりもしていて。とはいえ、あっちは超イケメンですからね。当時から人気者でしたし…たぶん、友達も元気を応援してたと思います(笑)」

──高校ではキャプテンも。進学された立命館大学でもキャプテンを任され、キヤノンでもキャプテン。

「そうなんです。自分では向いていないと思うんですけど、なぜかやってしまってるんですよね(笑)。キャプテンシーかどうかは分からないですが、割りと責任感はある方だと思いますし…まあ、それが過剰に出ちゃう場合もあるにはあるんで(笑)、そこは課題でもあります」

──ここでちょっと、ゆるい話を。サンウルブズの選手紹介にあるアンケートから気になる答えを掘り下げていきたいのですが…まずは、好きな言葉から。

「『意志のあるところに、道はひらく』。意志がないと何も成し遂げられないと思いますし。飛びぬけた才能がない僕が、トップリーグでやりたい。サンウルブズに入りたい。日本代表に入りたい。そう言い続けたからこそ、今がある。逆に言うと、才能のない僕は、そう言い続けて努力し続けないと止まってしまうと思うので、ある種の戒めのような。ついつい、怠けそうになる時に思い浮かべる言葉です」

──ラグビー以外では「道を覚えるのが早い」ことが特技。

「意識してないのに覚えてるんですよ。空間認知能力が優れているかどうか…は、分からないですけど、とりあえずラグビーには生かせていない気がします(笑)」

──あだ名が「ゴリラ」というのはどこから?

「ウエイトトレーニングが好きで、体形がゴリラっぽいところからそう言われ始めて。サンウルブズの外国人選手には、マイク・タイソンに似てるからと、『マイク』と呼ばれたり。両方とも、自分ではちょっといやなんですけどね(笑)。あと最近は、これも言いたくはないんですけど…『オカリナ』(おかずクラブ)とイジられていて。何とか抑え込んで、チーム内ではやらさんとこうと思ってます」

──(笑)。で、好きな食べ物が「オムライス」。

「大好きですね。人によって卵のトロトロ具合とか、こだわりがあると思うんですけど、僕の好みは見た目はよく焼けてそうで、中がちょっと半熟気味の卵。ご飯はケチャップライス一択。シャレた感じより、町の洋食屋さんで出てくるようなオムライスがいいです」

──マイブームは「おししい物を食べに行く」と。

「検索して、評判のお店に行くのが楽しみで。ここ何年チームはもちろん、サンウルブズ、日本代表に呼ばれることも考えると、練習して試合して、その合間に体のケアをして寝る。この繰り返しなので、食べることくらいしか楽しみがないというのもありますが、けがをして日々のトレーニングやケアの大事さが身にしみましたし。やればやるほど、試合でのパフォーマンスはよくなりますから。そのおいしい食べ物を、いい具合にエネルギーに替えたいです」

──サンウルブズのアンケートではなかったと思いますが、カルピスもお好きなんですよね?

「(笑)、好きです…けど、好きなだけです。たま~に、ご褒美のような時に飲む。基本、食事にも気を使っているので、普段は節制して。それだけでは続かないので、好きな物を好きなだけ食べたり飲んだりする日を設けています。オン・オフをはっきりさせて、休む時は休んで。やる時は、トレーニングをやって。1年間けがなくプレーするには、そういうメリハリが大事かと」

──昨年7月、スーパーラグビーの最終節で大けがをされて。左足首だったこともあり、上半身を中心に強化されたそうで。

「足が使えないぶん“何かやらないと”と思い、上半身のウエイトを頑張りました。そうしたらベストは100kgなんですけど、103kgまで増えて。下半身は筋肉が減ってるんで、上半身のみで5~6kgほど。回復して走ってみたら体が筋肉で重すぎて…。だから、少し体重を落としました。これはヤバイと」

──もちろん大変な経験だったと思いますが、けがにより見えたものなどありますか?

「サンウルブズにも選ばれ、スタメンでも出させてもらい、“これから”という時だったので最初はショックもありましたが、今思えばよかったな、とも。胸回りや肩回り、そして背中などを強化できたこと。けがの後すぐに始まったトップリーグは、外側から客観的にチームを見られたこと。そういう状況にいたからこそ、得たもの、見えてきたものもありました。また、そのままいっていたら、調子に乗ってたのと思うんですよ」

──調子に乗るタイプなんですか?

「いえ、そうでもないんですけど、一度立ち止まって周りのこと、自分のことを見詰め直す時期だったのかなと。自分は何がよくて評価されていて、何が悪いから一番手で選ばれないのか。そういうことを冷静に見られなかったと思いますし、分析できたから、再び呼んでもらえたサンウルブズでも、今までより考えてプレーできてる。けがしなければ、ただがむしゃらにやっていたと思います」

──フッカーはスクラムを安定させて、しっかりとしたフッキング(スクラムハーフが入れたボールを足でかいて後ろに送る)で、いいボールを出させることが重要。その際、片足になるため足首に比重が掛かるんでしょうか?

「そうですね、左足だけで支える時間もあるので、復帰してしばらくは不安でしたが、やってみたら案外、平気でした。…なんて気を緩めちゃ、だめですけど」

──フッキングに関しては、サッカー経験が役に立ったり?

「…それは、どうなんでしょう? サッカーは当たり負けしないだけで、足技は下手くそやったんで(笑)。サッカーじゃないですけど、ラグビーにもスローインがあって。フッカーセットプレーで攻撃の起点になるプレーも任されているので、そっちも見ていただきたいです。目立つのはそういうところくらいで、地味っちゃ地味な仕事ですが、ラグビーでは一つしかないポジションですし、チームを俯瞰(ふかん)してコントロールする重要なポジションだと思っているので、最初は分かりづらいかもしれませんが、よーく目を凝らして見ていただければ。目が肥えてくればくるほどハマると思います」

──では、今後の目標を聞かせてください。

「個人的には、とにかくワールドカップに出たいです。せっかく日本で開催されますし…高校時代から『2019年の世代』と言われてきて、正直、今自分がそこに手が届く立場にいるとは思わなかったので、“ここまで来たからには!”との思いはあります」

──RWCの全16会場には、地元神戸の神戸市御崎公園球技場も含まれます。

「今は東京(キヤノンの練習場は町田市)でやっていますが、地元のラグビーを少しでも盛り上げたいとの思いは強いですし。やはり僕自身、3歳で阪神淡路の震災に遭って。そこから復興はしたものの、その後も東日本や熊本の震災もあった中、被災された方々に向けて何かしらのメッセージみたいなものも伝わればいいなと思います」

 今季のスーパーラグビーを観戦すれば、世界中のラグビーファンが注目する、大舞台でプレーする日本代表選手がおのずと見えてくる。J SPORTSでは、スーパーラグビー2018シーズンのほか、オンデマンドでは海外ラグビーから国内ラグビーまで、あらゆるジャンルを配信! 庭井選手が躍動するサンウルブズの活躍を見逃すな。

闘う男の素顔にトライ!
闘う男の素顔にトライ!
【闘う男のこだわり!】
「シャンプーは、遠征に必ず持って行きます。こだわってるわけじゃないです。単純にクセっ毛なんで、ホテルに置いてあるジャンプー使うと頭、チリッチリになるんです(笑)」
【昨日の敵は今日の友!?…ラグビー選手交友録】
「サンウルブズは、みんな仲がいいですけど、中でも德永(祥尭)と姫野和樹(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)。德永は、いいヤツ。姫野はイケメンですね」
【プロフィール】
庭井祐輔(にわい ゆうすけ)
1991年10月22日生まれ。兵庫県出身。西神戸ラグビースクール、報徳学園高、立命館大とキャプテンを務め、現在所属するキヤノンイーグルスでも加入2年目に副キャプテン、3年目からキャプテンと、常にチームの先頭に立つなど優れたリーダーシップを発揮。ポジションはフッカー。174cm、102kg。O型。ニックネームは「ゴリラ」。スクラムをまとめ、ラインアウトを制するテクニックと高い理解力も持つ。チームが勝てない時期も、復調してからも、変わらぬ意志の強さを見せる。高校、U20と年代別日本代表での経験値も高く、FW第3列並みの運動量も魅力だ。日本代表キャップは3。
【ナショナル・デベロップメント・スコッド ニュージーランド遠征 2018 放送予定】
4月21日(土)午後9:00~ ブルーズA VS ジャパンA(J SPORTS 4)
【ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ戦 放送予定】
4月21日(土)午後4:25~ クルセイダーズ VS ヒトコム サンウルブズ(J SPORTS 4)
4月27日(金)午後4:25~ ハリケーンズ VS ヒトコム サンウルブズ(J SPORTS 1)
5月12日(土)午前11:30~ ヒトコム サンウルブズ VS レッズ(J SPORTS 2)
5月19日(土)午後2:05~ ヒトコム サンウルブズ VS ストーマーズ(J SPORTS 4)
5月25日(金)午後6:30~ レベルズ VS ヒトコム サンウルブズ(J SPORTS 2)

国内最大4チャンネルのスポーツテレビ局J SPORTSでは、スーパーラグビー2018 ヒトコム サンウルブズ戦 全試合放送&配信!

取材・文/橋本達典 
撮影/蓮尾美智子

キーワード
関連リンク

テレビ視聴率ランキング

地上波録画視聴ランキング

BS録画視聴ランキング

スターランキング

PAGE TOP