気まぐれドキュメンタリー散歩

コラム

テレビが記録したヒロシマ、テレビが伝えたナガサキ、核・平和関連番組の上映会を今年も開催!

 73回目の「原爆の日」を迎えた広島と長崎。この両市では、今年もNHKと民放局、および放送ライブラリーとが連携し、各局が制作した核・平和関連番組を共同で上映するイベントを開催します。広島では8月11日(土)から15日(水)にかけて「NHK・民放4局番組上映会2018~テレビが記録したヒロシマ~」を、長崎では8月13日(月)から15日(水)まで「NHK・民放4局番組上映会 テレビが伝えた被爆の記憶 from ナガサキ」が行われます。会場は昨年同様、広島平和記念資料館の東館メモリアルホール(本館は現在改修工事中、2019年春オープン予定)と、長崎原爆資料館の原爆資料館ホールで、ともに入場無料です。

 今年で4回目となる広島の上映会では、1982年から昨年の終戦特番までドキュメンタリーやドラマなど幅広く13番組をリストアップしました。昨年、広島テレビが8月6日から平和を願うドキュメンタリー6作品を英語版で世界に向けて配信しましたが、その1つ「被爆米兵」(2016年4月放送)も含まれています。広島で被爆死した米兵捕虜に焦点を当て、核兵器の不条理を浮かび上がらせた同番組は、今年5月に初訪米し被爆米兵遺族との交流が話題になった森重昭さん(81歳)の活動も描かれていました。

 長崎の上映会では厳選の10番組の中に、今年1月に放送された「長崎人(じげもん)スペシャル 『アメリカ人が伝える“被爆者”~“赤い背中” 谷口稜曄さんが残したもの~』」(2018年1月放送)がラインナップされています。NHK長崎放送局制作の同番組は、昨年8月30日に他界した、「赤い背中の少年」として報じられた被爆者・谷口稜曄(すみてる)さんとアメリカ人作家との出会いを描いています。その生涯を核廃絶に尽力した谷口さんの姿はこれまでさまざまな番組で取り上げられてきましたが、加害国アメリカに谷口さんの思いがどう映ったのか、とても興味深い内容です。

 森重昭さんや谷口稜曄さんのように、平和の尊さを求め、決してまねることのできない活動を続けた方たちの存在とその功績を、外国人も含め一人でも多くの人たちに知ってもらえたらと願わずにはいられません。

[NHK・民放番組上映会2018 ~テレビが記録したヒロシマ~]
会期/8月11日(土)~8月15日(水)
時間/午前10時~午後6時
   ※終了時間は日によって異なります
会場/広島平和記念資料館 東館地下1階・メモリアルホール
   広島市中区中島町1-2
入場無料。満席の場合は入場制限することがあります。

詳細・上映時間は下記で確認ください。
http://www.nhk.or.jp/hiroshima/hibaku/event/screening2018.html
<上映番組リスト>
NHK広島放送局
「NHK特集『きみはヒロシマを見たか ~広島原爆資料館~』」
■1982年8月6日放送
*広島原爆資料館の6000点におよぶ遺品を見つめ、ヒロシマ被爆の全貌を明らかにするドキュメンタリー。中でもとりわけ多いのが、当時、建物疎開に動員された中学生たちの遺品だった。語りは吉永小百合。

「ETV特集『インタビュー ピカは人が落とさにゃ落ちてこん』」
■1994年8月22日放送
*芥川賞作家・林京子さん、画家・丸木俊さんは、それぞれ自らの被爆体験を見つめ、戦争の非人間性を告発する作品を発表し続けている。2人が、被爆体験をいかに作品に結実させてきたかを語っている。

「ヒロシマ8.6ドラマ『ふたりのキャンパス』」
■2017年8月1日放送
*広島の高校の美術コースに通う里保(小芝)は、憧れの同級生・奏美(中村)が「原爆の絵」に取り組むと聞き自分も参加する。原爆が落ちた日、家族を失い、吹き上がる炎の渦をぼう然と見つめていたという雄造(近藤)と、その光景を想像できずどう絵にしたらいいか分からない里保。二人は対話を重ね、「あの日の記憶」に近づこうとする。
出演/小芝風花 近藤正臣 中村ゆりか


RCC中国放送
「8月6日の切符 ~あの日列車が走った~」
■2016年8月6日放送
*原爆が投下された8月6日、広島で国鉄の列車が運行されていた。その列車がつないだ命・・・71年前のあの日、広島と外の世界をつないだ列車をめぐる物語を関係者の証言や残された資料から掘り起こした。

「似島の少年」
■2017年8月6日放送
*終戦時、廃虚となった広島には数千人の孤児がいた。路上生活を送っていた当時8歳の少年は、ある日トラックの荷台に乗せられ、似島にある孤児の保護施設に連れていかれた。戦争に翻ろうされた一人の孤児の歩みをたどる。


HTV 広島テレビ
「WATCH『被爆米兵』」
■2016年4月30日放送
*原爆が投下された広島で被爆死したアメリカ兵捕虜は12人いると言われている。米兵の遺族が今も抱く複雑な感情や国境を越えた人間愛を被爆米兵の存在を通して伝えていく。
※英語字幕あり

「NNNドキュメント’17『4400人が暮らした町 ~吉川晃司の原点・ヒロシマ平和公園~』」
■2017年8月6日放送
*広島市の平和公園はかつて中島地区と呼ばれ、そこにあった旅館をルーツに持つ被爆2世の吉川晃司が、失われた町の記憶を求め平和公園のいまと過去をたどる。一瞬にして町と人々の声が失われた事実を今あらためて訴える。


HOME 広島ホームテレビ
「炎の記憶 ~革命家が見たヒロシマ、そして…~」
■2007年12月29日放送
*キューバでは毎年8月6日に式典やニュース番組が特集されている。きっかけはキューバ革命。キューバの革命家チェ・ゲバラが広島を訪れた。彼は広島に何を見いだし、キューバにもたらしたのか?

「テレメンタリー2013『僕はまだまだ死にません ~はだしのゲンが伝えるもの~』」
■2013年8月6日放送
*原爆をテーマに描いたマンガ「はだしのゲン」。作者は漫画家の中沢啓治さん。晩年は講演活動に奔走し、子どもたちに戦争・原爆の悲惨さを伝え続けた。彼が伝えたかったメッセージとは何か、また彼の遺志を受け継ごうとする人たちの活動にも迫る。

「テレメンタリー2017『爆心地を語る ~78人の証言テープ』」
■2017年7月31日
*広島大学 原爆放射線医科学研究所(原医研)に保管されている大量の資料。その中に爆心地から半径500m以内で生き残った被爆証言の声が収録されている。その生存者78人の証言テープの声を聴き、被爆者本人や遺族の思いに迫った。


TSS テレビ新広島
「語られなかった真実 ~原爆で死んだアメリカ兵~」
■2004年8月6日放送
*原爆で14万人もの命が奪われた中に、十数人の米軍捕虜も含まれていた。広島で被爆死した米軍捕虜の遺族らや当時の米軍捕虜を知る人々の取材を通して、戦争とは何かを考える。
※英語字幕あり

「ヒロシマを遺した男 ~原爆資料館誕生秘話~」
■2014年8月6日放送
*年間140万人が訪れる広島平和記念資料館は、ある1人の学者の信念によって誕生したことは、今はあまり知る人はいない。また、その人に関する資料もほとんど残っていない。わずかな手がかりをもとに、初代館長・長岡省吾の軌跡を追った。
※英語字幕あり

「わしらの声は、届くかのぉ~被爆者75歳 NYへ行く~」
■2017年8月6日放送ほか
*被爆体験を次世代に伝えようと語り部活動などに参加する被爆者としては最も若い世代の75歳の男性。国連の「核兵器禁止条約」制定をめざす交渉会議にあわせ、被爆者の声を届けるためニューヨークにいた。
[NHK・民放4局番組上映会「テレビが伝えた被爆の記憶 from ナガサキ」]
会期/8月13日(月)~8月15日(水)
時間/午前10時~午後5時
   ※終了時間は日によって異なります
会場/長崎原爆資料館・原爆資料館ホール
   長崎市平野町7番8号
入場無料。満席の場合は入場制限することがあります。

詳細・上映時間などは下記で確認ください。
http://www.nhk.or.jp/nagasaki/jyoueikai2018/
<上映番組リスト>
NHK長崎放送局
「NHKスペシャル『“あの子”を訪ねて ~長崎・山里小 被爆児童の70年~』」
■2015年8月9日放送
*敗戦から4年後に撮影された1枚の集合写真。長崎での被爆体験を手記に残した37人の子どもたちが写っている。手記を残した37人を継続的に取材。被爆者の70年の人生に耳を傾けた。

「長崎人(じげもん)スペシャル 『アメリカ人が伝える“被爆者”~“赤い背中” 谷口稜曄さんが残したもの~』」
■2018年1月28日放送
*米国で、被爆者たちの被爆後の人生をつづった本「NAGASAKI」が注目されている。故谷口稜曄(すみてる)さんとの出会いをきっかけに執筆した著者は、谷口さんのメッセージをどう受け止め、何を伝えようとしているのか。


NBC長崎放送
「九州遺産 長崎の記憶 原爆遺構に刻まれた8月9月」
■1997年12月28日放送
*1996年12月、広島の原爆ドームがユネスコの世界遺産に登録。シンボリックな原爆遺構がない長崎には、市内にいつかの遺構があり、そこに人々の「被ばくの記憶」が刻まれている。それらにまつわる秘話をたどった。

「消えゆく記憶 ~発掘された原爆写真~」
■2016年5月30日放送
*原爆を投下したアメリカは、被爆直後の長崎を撮影した数多くの写真が、米・国立公文書館などに保管されている。2015年、アメリカに残る膨大な写真の掘り起こしを行った長崎市に同行、70年前の事実を求めて写真の中の人や遺族を探し歩いた。


KTNテレビ長崎
「11時1分の刻印 ~よみがえる 閃光に消えた町~」
■2016年2月27日放送
*1945年8月9日11時2分、原爆が投下された長崎の街は一瞬にして廃墟と化す。11時1分までそこには町があり、人々の暮らしがあった。原爆投下前の爆心地周辺の町並みをCGで再現。あの日から70年、被爆者の心に刻まれた光景、思いを次代に伝える。

「ここで生きる ~ナガサキから見たフクシマ~」
■2012年3月10日放送
*福島第一原発事故後、福島にいち早く支援の手を差し伸べたのは、原爆の惨禍を体験した長崎だった。長崎から、核の平和利用で被害を受けた“フクシマ”の1年を振り返る。


NCC長崎文化放送
「テレメンタリー’99『希望の丘 ~長崎・原爆ホームの日々~』」
■1999年8月9日放送
*長崎市郊外にある高齢の被爆者のための福祉施設。入居者の多くは原爆で家族を失った身寄りのない被爆者。“ついのすみか”に住み、核兵器のない平和な世界への希望を捨てずに祈り続けている被爆たちの姿を描いた。

「テレメンタリー2007『希望への旅 ヒバクシャ・21世紀のメッセージ』」
■2007年8月13日放送
*被爆者の高齢化と被爆体験の風化が進む中、反核平和の願いを世界へ伝える新しい試みが実施された。スペイン・ゲルニカと長崎での平和を目指す旅から、被爆の実相を語ることのできる最後の世代の切実な叫びを伝えた。


NIB長崎国際テレビ
「NNNドキュメント’97『35円の代償 韓国人元徴用工・金順吉さんの闘い』」
■1997年8月11日放送
*三菱重工長崎造船所で被爆した韓国人男性。1992年7月、日本政府と三菱重工を相手に、当時の未払い賃金の支払いと慰謝料を求めて裁判を起こした。戦時中、韓国から長崎市に強制連行され被爆した元徴用工の思いを裁判闘争から伝える。

「NNNドキュメントʼ98『埋められた刑務所 ~爆死した朝鮮の人びと~』」
■1998年8月10日放送
*爆心地に近かった旧長崎刑務所浦上刑務支所では収容者を含む134人が爆死したが、収容されていた朝鮮の人々の遺骨はいまだ返還されていない。
関連リンク
長崎、広島で各テレビ局が制作した核・平和関連番組の上映イベント開催!
http://www.tvguide.or.jp/column/kimagure/20170728_01.html
「平和はみんなでつくるもの・・・」女優・吉永小百合が明かした平和を願う活動への思い
http://www.tvguide.or.jp/column/kimagure/20180721_01.html
開局55周年の広島テレビが平和ドキュメンタリーを世界へ配信
http://www.tvguide.or.jp/column/kimagure/20170804_01.html
Y・I
株式会社東京ニュース通信社 コンテンツ事業局担当
1988年入社。30代から放送局担当記者に転身、後にTVガイド編集部。同副編集長、デジタルTVガイド編集長ほか番組表・解説記事制作の部門長、西日本メディアセンター編集部長などを歴任。全国各地で放送されている質の高いドキュメンタリー番組と、精魂こめて地道に番組作りに勤しむ制作者の姿に注目してきた。人生の糧となるドキュメンタリーの名作・力作の存在を、より多くの視聴者に知らせるべく、日々ネタ探しの歩みを続ける。

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