気まぐれドキュメンタリー散歩

コラム
LINEで送る

MBS「沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」の上映会とトークショーを立教大で開催!

 MBSのドキュメンタリー「映像’17」は、関西初の本格的なドキュメンタリー番組として1980年4月のスタート以来、毎月1回ペースで長らく続く老舗番組です。時代を映すさまざまなメッセージを発信し続け、日曜深夜の放送ながら根強い支持を受け続けているドキュメンタリー枠です。これまでに個々の作品で様々な輝かしい受賞歴があるほか、2003年には「映像」シリーズの長年にわたる地道な活動と実績でギャラクシー賞特別賞も受賞しています。今年1月29日に放送された「沖縄 さまよう木霊(こだま)~基地反対運動の素顔~」は、虚実ないまぜにSNSなどで拡散される沖縄基地反対運動に関する多くのうわさや非難に対してその真偽を探ろうと丁寧に取材を積み重ねた番組です。いわばこの枠の真骨頂ともいえる内容で、「事実」を伝える重要性をあらためて問いかけ、第54回ギャラクシー賞奨励賞を受賞しました。今回、この番組の上映会と、番組を制作したMBSの斉加尚代ディレクターを迎えてのトークショーが7月30日(日)に立教大学内で開催されることに。斉加ディレクターご本人から制作意図や現地での取材の様子を聞き、沖縄基地問題から見える日本のありようを考えていこうという企画です。

 戦争と占領、基地問題という特異な経験を経た沖縄は、歴史や風土、さらには文化、それらが複雑に絡み合い、基地問題だけをとっても生半可に論じることははばかられます。ましてや「賛成」や「反対」、「右」「左」というような単純に分けられる程、簡単な問題ではありません。しかしながらこの基地問題をめぐっては、デマ、中傷、虚偽がネット上をはじめ、世間に横行しているのが実情です。そして、その類に近い内容を含む番組が放送されるに到り、社会的には勿論、放送業界内でも大きな問題になりました。元TBSの金平茂紀キャスターは、雑誌『ジャーナリズム』3月号(朝日新聞社)上でこうした放送業界全体の状況を憂慮しながらも、今回上映される「沖縄 さまよう木霊――」について、次のように記しています。「沖縄の高江などの<現場>を自分の足でしっかりと取材とした成果が提示されている。(中略)このような番組が存在すること自体が日本の放送界のか細いながらも強靭な希望だ。トゥルース(真実)とファクト(事実)に忠実に取材を進めるとはどのような行為をいうのか。この番組がそれを私たちに教えてくれている」と高く評価。「報道特集」をはじめ長年、報道の現場の最前線に立ってきた大先輩が「同じ放送人の一人として勇気づけられた」と斉加ディレクターらの仕事ぶりに対し名を挙げて称賛しています。

 斉加ディレクターは、琉球新報の記者に密着した「映像’15 なぜペンをとるのか~沖縄の新聞記者たち」(2015年9月放送)でも、第59回JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞。沖縄基地問題を題材にしたのは今回が2回目です。「ジャーナリズムが何かを沖縄の現場で学んだ」と当時の取材を振り返っていますが、こうした取材経験を積み重ねてきたからこそ、あらためて真実とは、事実とは、にこだわった「沖縄 さまよう木霊――」の制作につながっているのだと思います。『調査情報』の最新号(7・8月号 TBSテレビ)には、「歪められた基地反対運動の姿『映像’17 沖縄さまよう木霊』を制作して見えたもの」と題する斉加ディレクターの寄稿文が掲載されていますが、テレビジャーナリズムにこだわる決意が率直に記されています。その強い思いをこのトークショーで、是非生で聞いてみてください。

上映会&トークショー
「沖縄 さまよう木霊(こだま)~基地反対運動の素顔~」

7月30日(日)
午後2:00~5:30
(開場 午後1:30)
会場/立教大学 14号館3階 D301教室

上映番組
「沖縄 さまよう木霊(こだま)~基地反対運動の素顔~」

MBS/2017年1月29日放送

ナレーター/宮城さつき カメラマン/島田昌彦 ディレクター/斉加尚代 プロデューサー/澤田隆三

*沖縄県東村高江地区での米軍のヘリパッド建設への反対運動をめぐる、虚実入り乱れた歪んだ言論空間。沖縄の基地反対運動の本質とそこに関わる人々の素顔を丁寧に伝える。「なぜペンをとるのか~沖縄の新聞記者たち」(2015年放送)のスタッフが再び沖縄へ。

ゲスト:斉加尚代さん(MBS 報道局番組センター ディレクター)
講師:砂川浩慶(立教大学社会学部メディア社会学科教授)

◆参加費
資料代500円(学生およびメディア総研会員等は無料)

申し込み・問い合わせ/砂川浩慶・研究室
E-mail : sunakawa@rikkyo.ac.jp

※詳細は大学HP
http://www.rikkyo.ac.jp/events/2017/07/qo9edr000000p4bh.html
LINEで送る

キーワード
Y・I
株式会社東京ニュース通信社 コンテンツ事業局担当
1988年入社。30代から放送局担当記者に転身、後にTVガイド編集部。同副編集長、デジタルTVガイド編集長ほか番組表・解説記事製作の部門長、西日本メディアセンター編集部長などを歴任。全国各地で放送されている質の高いドキュメンタリー番組と、精魂こめて地道に番組作りに勤しむ制作者の姿に注目してきた。人生の糧となるドキュメンタリーの名作・力作の存在を、より多くの視聴者知らせるべく、日々ネタ探しの歩みを続ける。

テレビ視聴率ランキング

地上波録画視聴ランキング

BS録画視聴ランキング

PAGE TOP